1-3 さんぽ:井草川

井草川、およびその支流

井草川、下流部のこと

井草川手ぬぐいプロジェクトの存在により、(行けないけど)しょっちゅう、井草川のことを考えてます。
今回は、下流部のことを少し。

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昭和377月の杉並区広報に、妙正寺公園整備の記事が載る。
このとき、既に第1期工事は終了。第2期工事では井草川両岸に遊具を設置する、という。
広報の図では井草川下流部が開渠で描かれ、妙正寺池から公園敷地部分の妙正寺川は暗渠で描かれている。

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この杉並区広報の図は、ゴハン何杯でもいける色々とおもしろい。

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ほぼ同時期の、国土地理院空中写真を見てみると、当たり前だが同じ形をしている。そして、これから整備されるのだなあ、という雰囲気も伝わってくる。

つぎに、(行かれないので)現在のgoogleストビュー写真を見てみる。開渠の井草川が存在していた部分は、少なくとも公園の北側入口から少しの区間は現在、不自然に盛り上がっている。

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橋跡には何もないようだが、図はあくまでも完成予想図なので。橋のまあまあ近くにウッドデッキみたいなものがあった気がするのだが、それは次に訪れたときのたのしみにとっておこうと思う。

今度は昭和49-53年の国土地理院空中写真。井草川を目で追う。

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白いものが井草川の上に被さっているようだ。つまり、妙正寺公園内の井草川は、ちょうど暗渠化工事中なのではないか。
とすると、妙正寺公園内の井草川は10年以上、開渠でいたことになる。

その後、昭和54-58年の国土地理院空中写真においても、井草川の跡は目で追うことができる。

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暗渠化後、井草川跡に沿って樹木が植えられた時期があるようだ。現在は樹木が取り払われ、子どもが駆け回れるようなスペースになっている。

(このことを呟いていたら、色々とおもしろい証言もいただいた。いずれ追記することとする。)

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昭和37年杉並区広報のこの号が熱いのは、単に井草川が開渠で載るからだけではない。


これから造成される公園部分は、「井草川の西岸には少年向き、東岸には幼年向き」に、整備を進める予定だという。つまり、川を挟んで対象年齢を変える計画だったのだ。
そして計画はちゃんと実行された。

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その「井草川の東岸の幼年向きゾーン」に遊具の設置がなされ、整備完了したのは昭和39年のこと(写真は杉並新聞より)。
子どもの遊び場が不足していた当時、元から釣り場として人気の妙正寺公園は、更に人気の場所となっただろう。

そしておどろくべきことに、舟の遊具は今も立派に現役なのだ。

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最近見た方の情報だと、帆の部分は現在は失われてしまっているそうだ。
それでも、昭和39年からずっと子どもたちと遊び続けてきた、ベテラン遊具であることは間違いない。

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さきの広報と新聞の位置情報を併せてみれば、赤い矢印の先にあるのは開渠の井草川、ということになる。


現在見ることのできる井草川の写真は土の護岸のものばかりなので、都市河川的な姿を写すものとしては、貴重な写真といえる。

そして、この舟が見つめる先には、井草川がある。

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この舟は、開渠の井草川も知っている。暗渠の井草川も受け容れている。

井草川に、漕ぎ出したいと思ったことは、あったろうか…。初めて、この舟にわたしも乗ってみたい、と思った。

 

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そんなわけで、井草川手ぬぐいプロジェクト、少しずつ進んでます。

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いつか、完成した日には、持って井草川を歩きたいなあ、と思います。

 

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井草川と縄文をめぐるあれこれ

すっかりお知らせページのようになってしまい、すみません。

暗渠探索記事も書きたいと思っているのですがその時間が取れず・・・今日もひとつのお知らせです。

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現在発売中、東京人8月号、「縄文散歩」に、暗渠で寄稿しました。
取り上げたのは井草川。イラストと縄文の説明をスソさんが描いてくださり、去年西荻チャサンポー関連展示「井草川と縄文と」の続き(あるいはそれをまとめ発展させたもの)、とも言えるものです。
とはいっても、新ネタがあれこれあります。特に地形と湧水に関する、ある写真とある情報については、今回の取材時に明らかになったもので、どこにも載ったことはないはず。提供者の西山さん、野田さんには本当に感謝しています。掘れば掘るほど何かが出てくる、魅惑の井草川。

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発売直後に、執筆時に割愛したものなどを含めてこんなトークイベントもおこないました。井草川の近くで、ご近所の皆様を中心に。井草川にいた杉並メダカを模したメダカどら焼き、縄文をイメージした鳥型のナッツのクッキー、飲み物は湧泉というお茶・・・会場のジャスミン漢方薬局さんにも、とても凝っていただきました。ありがとうございました。
残念ながらトークはもう終わってしまいましたが、

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22日の東京新聞に、この井草川縄文暗渠散歩を含め、簡単にまとめた記事を掲載していただきました。「縄文好きな人たちが、暗渠にも興味を持ってくださいますように」という邪な気持ちを行間に込めています。
あちこちで縄文展示やイベント、発行物のある、縄文盛り上がり月ですね。今後、ふらりと井草川にも足を運んでいただけるなどしたら、幸いです。

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西荻にて「井草川と縄文と」展示中


水無月、暗渠月。
暗渠月に、暗渠の展示。

西荻、アトリエすゞ途さんでの展示『井草川と縄文と』に、既においで下さったみなさま、どうもありがとうございました。
本展示は、6/25までです。
アトリエの営業日は水・金・土・日なので、後3日となりました。

井草川を舞台に、縄文と暗渠の情報を重ねてゆく展示。
展示方法にも、ささやかながら、懲りました。
アーティストさんたちの、さまざまな縄文および暗渠グッズもあります。
コラボ顔ハメや、暗渠パズルもあります。
まだのかた、是非是非見に来てくださいませ。

水辺と人と暮らし。みなさんのおさんぽに役立ちますように。

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遊び場○番特集 その2(4、25、43、86)

Nisi1 ひさびさにやろうと思います、遊び場○番特集。その1では、4つのうち2つ現存(厳密にいえばそのうち1つも不確定)、という成果でした。

今回は、西荻窪・荻窪近辺の遊び場を探す旅です。

西荻窪駅の北口に降り立つと、行く頻度が低いためか、いつも何かが変わってしまっている気がします。
今回はずっと以前によく行っていた、パチンコ・ニューゴールデンが解体されてしまっています。。

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ほかにも無くなってしまったお店があれこれあるのですが、変わらない店も。

ひごもんず(ここだって昔からあるわけじゃないけど)のラーメンで、腹ごしらえ。ふつうのラーメンとかなり近い値段でマルトクラーメンが食べられたので、マルトクにしました。桂花に近い味で、安定したおいしさです。

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さて、遊び場を探し始めます。
住宅街に入って、ふらふらしていると、「有田焼の店 すずき」というお店がぽつねんとありました。商店街沿いじゃなくって、完全に住宅街の中にありますw 良い味出してるなぁ・・・

ううむ・・・恥ずかしながら知りませんでした。こんな渋いところがあったのか。

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ここらへんが、 遊び場4番 があるはずの場所ですが、ありませんでした。

うろうろしていると公園に出たので お! と思ったけれど、残念、西荻中央公園でした。

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ちなみに、遊び場4番があったらしきブロックの向かいは、わたしがかなり通っていた、おいしいおいしい焼き菓子屋さんがあった処でした。その名を「がちまい家」と言います・・・。この写真の場所に、ありました。

って、リンクでも貼れないかとがちまい家の情報を探していたら、なんといつのまにやら、レシピ本が出ているではないですか!!いまかなり興奮しています!なぜなら、通っていた当時、これは自分では再現できないほどおいしいなあ~、と思って、店主さんにレシピを教えてくれないかと一度聞いたことがあって(もちろんダメもとです)、断られていたので、その願いが数年越しで叶ったことになるのです!!! これは買わなければ。市川実日子が常連だったって書いてあるけど、一度も会ったことないなあ。。
なんでもおいしかったですが、特にサブレとショートブレッドがおいしかったです。

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中央公園の向かいにある、喫茶店「物豆奇」は外装がきれいになっていました。

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遊び場4番がなかったので、すこし悲しいスタートとなりました。

つぎの目的地へと向かいます。途中、井荻公園がありました。恥ずかしながら、ここも来たことがありません。
崖を挟んで上下とも公園になっていて、崖を利用してこういう親水ゾーンや滑り台がつくられています。なかなか魅力的。

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崖下をのぞく。

とくに水は浸み出していませんでしたw

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さて、つぎの目的地は遊び場25番です。遊び場25番は4ブロックにまたがっているような表記だったんですが、、、どこにもありません。
ここらへんにあったはず、な、写真。新しい家がいっぱい建ってました。

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うーん、西荻の遊び場は、なくなっちゃているみたいです。仕方がないので、荻窪へ移動します。善福寺川が作った谷を、下って行きましょう。

ちなみに、遊び場4番跡と、遊び場25番跡、どちらも、川のふんいきはありませんでした。成り立ちについてもうちょっと調べたいところです、、、

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ところが、遊び場25番跡の近くの、この鉄板の下で、ごうごうと大きな水音がしました。
なんだったんだろう?ここは・・・。荻窪中学校の向かいです。

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善福寺川を渡ります。ちょうど、湧水があるという原寺分橋のところだったので、湧水を見ようとしたら、うぬぬ、工事中でした。
というか、”善福寺川の川底を工事”と書いてあって、その川底というのがまさに湧水のあたり。湧水ポイントを更に護ってくれるのでしょうか。。。しかし、湧いてるとこ見られなくって残念。
それから、工事している所の左手に見える護岸に神田川みたいなサイボーグ地点があり、灰色のゴムのれんがダバダバしていました。丁度近くに小学校&中学校があるのでプールの排水かと思いきや、プールは川の反対側のようなので、このサイボーグが何なのか、わからないままです。

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とりあえず青梅街道へ出ます。
この写真の右半分のエリアに、かつて池があったそうです。

その背後は、用水路が走っていました。千川用水から取水して、青梅街道を流れていた用水路。それを取水して井草川へと向かっていく流れです。この池の水も注いでいたのでしょう。

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その、池のあったブロックには、いまは秀の湯という銭湯があります。

ちなみに、秀の湯の向かいにあったなぞのお店がかなりいい味出してました。古めの洋食屋さんっぽいのですが、定食がすべてワンコイン、でいて、表のメニューには無いのに「つぼやきの店」と書いてある謎具合。(常連さんらしき人が出てこられたので、びびって写真撮れませんでした;;)

秀の湯に戻ると、秀の湯自体はじつにふつうの、町の銭湯といった感じです。ところが、

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でーん。

まさかの駐車場持ちww

しかも、11台くらい止まれちゃうんです。この杉並の住宅地で、どんだけの人が、車でこの銭湯にくるのでしょうか。夜も見てみたい気がします。

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少し行くと、勤労福祉会館の裏に、ミニダムがありました。

さらにここには、荻窪の荻が植えてあります。説明板によれば、
荻窪の地名の由来にもなったオギは、善福寺川流域に多く生えていました。しかし、都市化による開発などによって、今では区内でも珍しい植物になってしまいました。
とのこと・・・、ちなみに、
オギとススキの見分け方:ススキの小穂(しょうすい)には、ノギというひも状の突起が付いている/ススキは一か所から何本も茎が生えてくるが、オギは一本ずつ
だそうです。

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脇にはビオトープ的なものが。かえるの卵でしょうか、うねうねありますね。

一瞬、じゅんさいかと思いました(本気

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つぎなる遊び場、43番はここらへんにありました。

手持ちの地図によれば、この駐車場よりむしろ、写真左側の家のあたりがかつて緑地っぽくなっているので、そこが遊び場だったように見えます。

右側に見える車止めは、さきほどの青梅街道から来た用水路の暗渠のものです。遊び場43番は、水路沿いだったのですね。

・・・しかし、いまのところ3連続で遊び場がありません。その1と合わせるなら、遊び場を探し出してからは5連続で、失われた遊び場跡ばかり見せられていることになります。

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つぎなる遊び場86番は、広そうだし地図上でも緑色なので、期待がふくらみます。荻窪の住宅地をてくてく歩いていると、まるで井伏鱒二の頃にタイムスリップしたかのような、広くてふるくて立派な、農家のつくりのお宅がありました。

さらに歩き、、目指す土地を見てみると、、、ヤッター、公園がある!

・・・しかし、そこはもはや遊び場86番では、ありませんでした。新町鳥居先公園、と書かれた、新し目の看板が立っていました。
改名したようです。こういう、より立派に生まれ変わるケースもあるのですね。遊んでいる子どももいっぱいいて、今回のさんぽでは初の生き残りです。・・・遊び場の名残があることを、素直によろこべばいいのかもしれませんが、遊び場を探している身としては、なんだか複雑。

ちなみに、遊び場86番あらため新町鳥居先公園は、情報のうえでは川沿いではありません。しかし、さきほどの用水路のうちひとつの流れの延長線上に位置するので、水路沿いである可能性はまだありそうです←のちのち調べます~

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最後に、荻窪駅前をパシャリ。

鳥もとがあった場所、去年まで大勢の人が、昼酒をたのしんでいた場所。ごちゃごちゃした昭和のにおいのする場所。。今はこんなふうになっています。

遊び場特集、第2弾のレポートでした。ここまで、訪れた遊び場(跡)はこれで8つ。現存2、消失5、生まれ変わり1、という結果です。川との関係は、あり5、あるかもしれない1、なさそう2(うち1は要検討)、でした。

今後も探していこうと思います。

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上井草から井荻まで歩く②

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井草川暗渠は、井荻駅以東は妙正寺公園まで「科学と自然の散歩道」として整備されています。自宅が近い小柴博士の提案ということなので、ここ数年のお話なのですね。

その散歩道に入ってまもなく、右側の家から降りてくる長い階段たち。井草川周辺、やたら上に建ってる建物がときどきありますね。

私は2年前に靭帯損傷で初松葉杖生活をしたことがあるのですが、それ以来「松葉杖目線」が抜けません。この階段、松葉杖きつそうだな・・・。たぶん、下りの恐ろしさったら無いと思います。

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お、あったあった。

楽しみにしていた、ビオトープ!ビオトープー!(小学校の卒業式みたいな調子で。)

メダカなどが見えるかな~と覗き込んでみましたが、思いのほか草が生い茂っていて、何も見えませんでした。

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中瀬保育園の脇。「中瀬保育園のこみち」となっていて、子どもの足跡があったり、「夢のタマゴ」があったり。

いやぁしかし、こっちサイドにきてからの整備強化が凄いですね。ほか、木々に子ども手描きの説明文がついていたりします。それらの説明文を読んでいたら、おもむろに自分の小学生時代を思い出しました。

私のいた小学校はちょっと粋なところがあって、各学年に植物の名前がついています。コブシ、サザンカ、ハナミズキ・・・。で、そういう風に各々もアイデンティファイされてしまうので、「ドウタンのくせに生意気だぞ!」とか、「やっぱりサンシュユはカワイイねえ」とか、そういうオツな会話が繰り広げられることになります。・・・これは意外なところで郷愁をそそられました。

そういう感覚で、木々に取り付けられた紹介文を読んでいって、私が一番嬉しかったのは・・・

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マテバシイ でした。

理由は、(そういう名前の学年とかではなくて)食べられるどんぐりだからです!

結局それか!

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おっと左側に。

車止めが私を呼んでいます。

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ぎゅーんと曲がります。

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すると、まだまだ伸びて、、、

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狭い暗渠がずっと延びています。

左側にさらに支流みたいなのもありました。

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西武線の線路にぶつかります。

お店の脇、日が当たらない、人っけがない、狭すぎ、きわめつけにデジカメで撮った写真の一部が白いもやみたいになっていてちょっとだけ怖さの残る道でした。

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もうちょっと進むと、また左手に蓋暗渠が。写真にしてしまうと感じ取りにくいですが、ここが最も「やな感じ」のする入り口でした。

どうやら私、コンクリ蓋で狭くって緑があったら全部好きなわけはないようです。空気がどよ~んとしていて、暗くて虫が居そうだと、敬遠したくなる。。。

ここも往路は入るのをやめて、

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でも復路で「見つけたのに入らないのは気持ちが悪い」のが勝ってしまい、入ってしまいました・・・。

案の定、入り口に大量のハエが!!なんなんだ~~ふつうの民家のすぐ横なのに、なんでこんなにハエがいるんだー、と、小走り。アウターゾーンで透明人間の死体の話とかあったなー。ヒー、不穏!

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そのまま進んでいったん大きめの通りに出て、でもその先も苔むしたコンクリートの蓋暗渠、なんでだかよくわからないけどあんまりスキじゃなかったです。

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緑道に戻ります。

気を取り直して、と・・・

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公園があって、「いろんな岩石に触ってみよう」コーナーがあります。岩石の説明文つき。

ま~、教育的。

この木も立派ですねえ~。

でもなんか疲れてきちゃったんだか、自分では触りませんでした。見つけた支流をひとつずつ辿っていくと、わりと体力を消耗するようです(アドレナリンで相殺されてる気がしてたけど)。

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その公園の左端(緑道からみて)にあった、入り口に車止めのない道。

ふふん、見逃しませんことよ。この道の反対側には車止めがあったので、ちょっとした水路だったのかも?

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そんでもって、ゴール!

妙正寺公園です。名前だけはよく聞くんだけど、じつは来たことありません。子どもがいっぱい遊んでました。

後日気づいたのですが、妙正寺池が合流地点だとばかり思っていて、ほんとの合流地点らしき場所(公園のどこか)を確認しませんでした・・・。なんという詰めの甘さー!!

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せっかくなので妙正寺池を拝みます。ここから妙正寺川が始まるんですね。

妙正寺川沿いを歩く体力は、もうなくなっていました・・・。井荻駅へ向かい、焼鳥などを買って帰りました。初めての商店街、イイ!

さて今回、見えた支流は巡れるだけ巡るというわりとアグレッシブな旅でしたが、積み残しが色々とあります。

・杉並工業高校周辺の流路(複数あるがその道筋)を明らかにしていない。

・井荻駅以降の井草川緑道の反対側にある”遊歩道”について、暗渠じゃないと決めうちでスルーしてしまったがどうやら水路。

・各支流の始点のうち、もっと辿れるものがありそう(Ex.上流部のものは千川上水のほうまで辿れるよう)。

・最終地点!!(泣)

要するに井草川もまだコンプリートできていないと言うことになります。また来ます!

ちなみに、井草川、擬人化したらなんだろな~と思いつついましたが、「紺色の着物を着た落ち着いたお姉さん」かなと。どうやら主に語感で判断しているみたいです、私。でも、ちょっとこじゃれたベンチがあったり、落ち着いた道が多かったり、お姉さんぽさはある気がするんですよね。

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上井草から井荻まで歩く①

”案外早いね、井草川リベンジ編”です。

前回涙をのんだ、上井草の駅から再開します。駅にいきなりガンダムがいます。西武線はあまり使わないので、ガンダムがいるのって上石神井だと思ってました。私は結構サブカルっ子だと思っているんですが、残念なことにガンダム萌えは無いんですよね・・・。まぁ、名ゼリフは時々使いますけども。

Genro 最初に、カフェgenroでエネルギーを溜めます。くるみのベーグルとアイスコーヒー。くるみのベーグルは小さめながらも手づくり感満載で、これでもかっていうほど熱々で出てきます。それに、ホイップクリームをつけて食べるなかなか斬新なスタイル。

このカフェ、ネットの寸評で「北欧か和風かどっちかにしてくれ」みたいなことを書かれていましたが、私は和も北欧も大好きなので、両方取り入れてるこの空間、好きですけどね~。

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コーヒー飲んだら、出発。

緑道に入る前に、先回チラッと見えていた支流を通ることにします。向山公園。この公園のあたりから、支流が伸びているように見えたんだけども・・・

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公園の向かいにあります、車止め。

向山公園も、別に湧水ポイントにはなっていないんですが、池でもあったんじゃないかしらという気がしてしまいます。

最近、メインテキストに旧・湧水地点をプロットし始めているんですが、1つの文献しか参照していないので色々と漏れがあるかもしれません。

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井草川緑道に入りました。なんか、景色の見え方が全然違います。うー、緑ってキレイだー

ここらへんの井草川緑道は、だいたい無造作な草花たちと、アスファルトの地面というつくりなんですが、作りこみすぎないこの感じも、結構良いです。

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四宮中橋。

・・・いや、橋跡を大事に残してくださってる感じもするような、・・・いやいや、ゴミ捨て場ってなぁ・・・どっちなんだ・・・。

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そして西武新宿線の線路により分断。

これはこれで、ドラマチックですてき・・・と思いつつも迂回する面倒くささw

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線路を越えて、緑道が再開します。

線路を挟むような形で、暗渠の立ち入り禁止地帯みたいなのがあるんですが、ここがさらに無造作な緑の生い茂りようでした。

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お、左手に車止めが気持ちよく立ってます。良いブルーですね。

Igusa59 とうぜん、辿らせていただきます。

けれど、まもなく終わってしまいました。このときはここで引き返したんですが、後から見てみたところ、この先に湧水地点らしきものがありました。もっとウロウロしてみればよかった・・・。

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矢頭公園を通り過ぎ、少し行くとまた線路です。

今度は木が植えられています。なんか、この木たち、身を寄せ合ってるみたいでカワイイ・・・w 4つ子ちゃんw

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また迂回して線路を渡り、反対側に来ます。こっちにも一応植樹されていますが、これまた無造作というかワイルドというか・・・。べつに俺ら見てもらわなくてもいいもんね~的というか・・・

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で、緑道再開です。

井荻駅が近いからか、駐輪禁止のマークと、自転車撤去の札が立っています。暗渠でこういう光景は、私はお初です。

べつに自分ちの近くじゃないのに、自転車撤去の張り紙の日付とか確認しちゃうのは何故なんでしょう。

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わぁ、珍しい、金太郎裏返し!w

ちゃんと裏側には金太郎いますよ~。後ろに建ってるアパート、新しめなので、きっと以前はここから道が伸びていたんでしょうね。と、辿ろうとしましたが何もありませんでしたw

金太郎車止め、本来は不特定多数の皆さんへ向けられているものなのに、ここのはアパート住民にのみ向けられている・・・良いな、住民さん。

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んで、そろそろ井荻駅です。暗渠は緑道から駅前の商店街的タイル仕様になり、そして写真奥にチラと見える環八によりぶった切られています・・・井草川、いろんなもので分断されちゃってるんですねぇ。

さて、次の行程はいよいよ最終地点までなのですが、それが「井荻から井荻まで歩く(戻ってきちゃうので)」みたいな変なタイトルになっちゃうので、同タイトルのまま続けます。

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井草川水源から上井草まで歩く②

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井草川暗渠さんぽ、”雨に泣き濡れて編”に入ります。

ここは前回あれこれ言っていた「西山家周辺の高台」から下を見ているところで、後方が工業高校の敷地になります。

この先にも流路があるらしいのですが、雨が強くなってきたので、とりあえずカメラをしまいます。

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で、そこを下って左側にちゃぁんと杉並名物、金太郎車止めを見つけたのですが、とりあえず、支流の果てまで行くことにします。

右の写真の車止めのところで、流路を見失いました。

ええと、言い訳をしますと、この日の天気予報はくもりのち雨だったんです。午前中の降水確率は30とかそんなもんだった気がします。

Igusa25 降水”確率”っていうけれど、30だとなんとなく”小雨しか降らない”という気がするもんで、そして午前中で帰るつもりだったんで、→傘は持っていかない、という選択になるわけです。

つづき。さきほどの車止めから戻っていくルートです。時間的には巻き戻す形になるので、地面の濡れ具合がだんだん減っていくという変な絵ですが、お許しください。

そしてもうひとつ言い訳の補足。なぜそんな微妙な予報なのに、丸腰で私は来たのか?

これは山形県人スピリッツと関係します。雪国の人は、雪の時には傘をさしません。だって必要ないから(雪は払えば落ちますから)。私はそれと同じ感じで、多少の雨には傘をさしません。

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以前、「山形県民がもっとも傘を無駄に買わない、それは天気予報をこまめに見ているからだ」というニュースがあって、私はたいそう不服でした。私は天気予報云々じゃなくて、雨が降っても傘をささないから、無駄に買わないんだよ~! 注:ちなみに、これが山形県人スピリッツなのかどうかはわかりません、個人の意見ですw

と、いうわけでですね、これは「あえての」傘無しさんぽなのです。

はい、支流の上をどんどん戻ります。

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蓋暗渠になっている地点はここだけだったかな。橋の遺構があるようなんですが、ゴミ捨て場になっちゃっていますwああ、なんだか勿体ない・・・。

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どんどん戻ります。道路をはさんで、階段があります。

そういえば、果ての地点の先は住宅だったのでそれ以上進みませんでしたが、のちほど地図で確認したら(地図が濡れちゃうのでリアルタイム確認ができませんでした、まぁすでにシワシワなんだけどw)、そのもうちょっと先に緑地があったので、もしかしたら先があったかもしれない・・・。

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で、始点がここです。

ここをまっすぐ伸ばすと、その先には井草川緑道があるのです。実際には、かくかく曲がっているようなのですが、痕跡があまりなくてわかりづらいです。

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上の金太郎さんから振り向いたところ。ふつうの車道です。

この写真の奥に見えるのが、農芸高の敷地です。いっぱい植物が植えられています。

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その農芸高の敷地の横に、また金太郎さんがいます。

もはやデジカメをしまうことすら面倒くさくなって、普通に持って撮り出しましたw 雨がたまにやんでくれるのが救い。

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1ブロックの角をちょっとだけかすめるようなごく短い通路でしたが、 そこを抜けるとこうなって、

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農芸高の農場って書いてあるけれど、校舎らしきものがある横を通る暗渠になります。しかしここらへん、学校オンパレードですね。工業高校、農芸高校、三谷小学校、井草中学校。

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そして公園に出ます。

ここは三谷公園、井草川緑道の始点になっているところです。三谷公園はさきほどの工業高校の真向かいにあります。

左手前にフェンスが見えますが、ここはなんと馬術場。馬に乗ってる若者(たぶん農芸高の生徒?)がいました。うわー、かっこええ~~。

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で、緑道がはじまったので沿って歩きます。

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少し進むと右側に支流発見!

入り口は住宅がならんでいましたが、奥の角をかくっと曲がると、

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さきほどの馬術場の脇に出ました~。へぇ~。

なんかちょっぴり田舎っぽい感じがして、好きかも。この支流。

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そしてこの支流の先にはこのような、とってつけたような公園がありました。

もしかして湧水でもあったのかいな?と、後から湧水ポイントをチェックしましたが、そうでもないみたいでした。

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道灌橋を渡ります。

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すぐ左手に切られてしまった古木がありました。

きっと井草川を長く見守ってきたのだろうな~。

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三谷小の少し手前に、このようなちょっとこじゃれたベンチがあります。

もう少し先にもう一回このような場所が出てくるんですが、渋い顔して小説でもめくりたくなるようなベンチですね。

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うぇー、「山形人たるもの」とか言ってらんないほどの、パンチのある降りになってきてしまいました。丸腰の限界か・・・

うーん、しかしよく私、風邪引かないな。私は滅多に風邪を引きません。うつりにくいし、インフルエンザすらそうです。このときも、そうとうびしょ濡れでしたけど、家に帰ったらぴんぴんしていました・・・。

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やっぱり中断することにしました。だって、視界が悪いし、いちいち木で雨宿りしながら小降りにならないか伺うのってそれだけでもう楽しくない~~。傘&レインブーツで来てれば別です(ちょっと楽しい)けど、傘も視界が悪くなるしな~。

もう帰る!と思って上井草駅に向かう途中、緑道の左手に謎の階段と植物でふさがれた小道が。なんだろな~?いやいや、もう帰る!つづきはまた後日にします。

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井草川水源から上井草まで歩く①

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北海道に遊びに行ってきたのですが、その間、私は”ずーっと運転手”という酷な役割でして、暗渠のたぐいが 全 く 見つけられませんでした。やっぱり、暗渠は歩きが一番見つけやすいですね。アタリマエカ。

さて、暗渠さんぽ、杉並2本目は井草川です。なぜ、井草川を持ってきたかというと、小沢川および松庵川の知識が品薄だった数週間前、「桃園川の次は、井草川か笹塚川にしよう」と決め打ちしていたためですw。

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私との縁の深さから言えば、おそらく小沢&松庵川の方が上なのですが・・・現時点でもこの2本については情報が足りないこともあって、まず有言実行的に井草川へ。

荻窪駅からバスで井草八幡宮まで行きます。歩くにはちょっと遠いので・・・。う~ん、なんか懐かしい、この参道。チャリやバイクなんかでよく通り過ぎましたw

で、水源を目指し、早稲田通りに入ります。って、ここが早稲田通り始点なんですね。こういう、通りの始点ってなんか嬉しくないですか? 私は嬉しいです~~

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ここが井草川の水源があった、切り通し公園です。いまは水は枯れていますが・・・しかし物凄い傾斜ですね(カメラは傾けずに普通に撮ってるんですよ~)。”滝のように流れていた”のにも頷けます。きっと、すごく良い景色だったのではないでしょうか。

それと、この場所、善福寺公園とめちゃくちゃ近いです。井草川下調べ中に、「近っ!」と声をあげたほど。

井草川は、ここの湧水のほか、周囲の細流を集めていくようなので、いつも以上に左右を見渡しながら歩くことにします。

ちなみに井草の由来は、最初に見かけた記述は「イグサがたくさん生えていたから」というものでしたが、テキスト”神田川再発見”には、「ここへ逃げた三浦氏一族が井口氏を名乗って草分けの開拓を行ったから」という由来も書いてあります。うーん、後者のほうが納得しづらいものがありますが・・・こういう感じの略語って昔からあったんか?

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さて、切り通し公園の中腹から、(上流から向かって)左に早速暗渠らしき道があります。

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この日は”神田川再発見”記載の川跡を地図にうつして持ってきていたのですが、それには載っていないけれどアヤシイ道が下にも!

ここは、切り通し公園の真下にあたるところから伸びている道で、あの激しい傾斜から考えると、こっちに流路があるほうがむしろ自然に思えます。

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なので、とりあえず、その真下の道を進んでみると・・・先に車止めが見えます。やっぱり暗渠じゃん!

この道の先、正面のブロックには杉並工業高校があります。この高校の辺りはかつて湿地帯だったそうです。古地図では、高校の敷地中央をぶった切るように本流が流れています。敷地には入れないので、周囲を歩いてみたら、高校をぐるっと囲むように暗渠があるようでした。

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中腹部から出ているほうの道に戻ります。こちらも、車止めが点々とあり、ちゃんと暗渠です。

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住宅の合間を縫うようにして進んでいくと、杉並工業高校前のちょっと広い道路に出ます。

画像、向かって左手前に出口があり、神田川~のテキストでは一番奥を右に曲がるようにつながってゆくのですが・・・う~ん、これはかなり疑問。だって、明らかに上り坂です。神田川~のテキスト、流路沿いに歩けない場合に迂回するさんぽみちを示している場合もあるみたいだから、ここもそういうことなのかな・・・?

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この、グラウンド脇にも流路があるみたいなんですが、いかんせん入れない・・・。左側の駐車場の柵越しにだいぶジロジロしていたら、不審者オーラが出かかりました。ここの入り口も上述のような緩やかな坂の入りかけなので、ほんとにあったのかなぁ?とも思うし。

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疑問も残るけれど、とりあえず先ほどの、切り通し公園真下ルートに移ります。この塀の左側が高校です。

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なぜか、家々の壁(というか土台そのものも)が、段々に高くなっていきます。一番後ろにある家、高すぎだろ!雪国か!

道は、いかにも暗渠っぽい湿り具合。

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そして次第に狭くなります。左側、高校の壁がずずずいっと続いています。

うわー、狭い、狭いよう。緑が生い茂りすぎて、いろんな虫が居る・・・。蜂、ハエ、クモ、毛虫はもともと好きじゃないのでこういうときビクビクしますが、ここで大きなアゲハ蝶がゆら~ん、ゆら~んと近づいてきて、初めて「蝶、コワ!」と思いました。うーん、怖いっていうか、なんかふてぶてしいのでこちらが退いちゃうんです。こういった、狭くて植物の多い暗渠って、人よりも虫のほうが先住民、エライ、みたいな気がします・・・。

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そしてどんどん道が狭くなり、どんどん植物が増えてこの車止めのところで暗渠らしさが消えます。後方は、もっと広い道路と民家です。

仕方ない、迂回して別な暗渠に向かうか~。

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いちど表通りに出て、工業高校をふたたび目指します。

こうやって道を変えると、例によって迷うんじゃないかと不安になるんですが、ここで私がやっとひとつの気づきを得ます。・・・谷を目指せばいいんじゃん・・・。この単純かつ明快な目指し方でよいのなら、もう地図なんて怖くない かもしれない!

西荻時代、この周辺には友人とか、友人の友人とか、先輩の友人とか、いろんな人がぽつぽつ住んでいて、自転車でたまに巡ったものです。その頃は、こういった坂道がただ苦痛で、「チャリきつ!!」と思うだけだったのに、今はこの坂道が、むしろありがたい。方位磁針のごとくありがたい・・・。

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さて、今度は高校の逆サイです。この坂道の上のほうに、さきほど私が「疑わしい」と言っていた道の突き当りがあります。(改めて読み直してみるとやっぱり違うみたいです、西山家というこの辺りの名家の横を通る目的なだけみたい。。)

画像手前左に、緑色の車止めがあります。

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ここも入ってみましょう。地図でこの位置を確認すると、高校のプールの前のところへと続いているかのようです。プールの排水も兼ねる水路なんでしょうか。

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これも先にまた車止めが見えます。

井草川暗渠さんぽ、まだ開始まもないのに、支流だらけ!支流まつり!ワックワクしてくるんですが・・・ここらで雨が降ってくるという(傘無し!!)・・・

というわけで、②以降は地面がどんどん濡れていく、かわいそうな感じの絵づらです、乞うご期待w

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