3-2 特集:暗渠カフェ

暗渠沿いにあるカフェ

暗渠めし la Salle サル・キッチン

東中野近くの、神田川のあげ堀のはずの、とある流れ。
なぜか昔も今もこの流れは好かれているように思います。あげ堀ながら名前が付けられていたり、ひとびとが集ったり。写真に、よく(?)撮られていたり。

小淀川の下流部であるとする人もいますが、わたしはこの流れは「神田川桐ケ谷支流(仮)」と、勝手に呼ぶことにしています。

きょうは、その桐ケ谷支流(仮)沿いにある、暗渠めしのおはなし。

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最初にここを歩いたとき、もっとも印象的だったのはやはりこの階段でした。

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暗渠じたいもとても、狭くて、鄙びていて、よかったのです。

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それから、サル・キッチンのたたずまい。桐ケ谷支流(仮)沿いにポコンと建っていて、「てづくりシフォンケーキとかありそう」な、午後にだけ開いてるカフェ、みたいな印象でした。

いつかここでケーキを食べたいなと思いつつ、やがて、それが勘違いで、ここはコースのみのフレンチレストランであることを知ります。

                         ***

最初にサル・キッチンにきたときのことは、忘れることができません。
それは、その年にしては猛烈な台風の日でした。ひどい暴風雨で、翌週行った植物園では、こんなに木が折れまくったのははじめてだ、などと、職員さんから聞きました。桐ケ谷で食べると決めていた当日の朝、あまりに強い雨風に、訪問を逡巡したほどでした。

午後になると雨が弱まってきて、でも風がびゅうびゅうと吹いていて・・・そんななか、いつものように桐ケ谷支流(仮)の暗渠をあるいて、わたしたちはサル・キッチンに行ったのです。

その日は、わたしの誕生日だったから。
決めたことを覆すのも、好きではなかったし。

きっと誰もお客さんいないだろうね、なんて言いながら。でも着いたら、隣のテーブルには老夫婦と若夫婦という家族連れがいらしてて、ちょっとびっくりしたりして。

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食べすすめるうち、その老夫婦のだんなさんも、誕生日なのだとわかりました。「あ、そちらも誕生日(なのでこんな台風の中フレンチを食べに来ているというわけ)なのですね~(微笑)」なんて、ワインを傾けあって。
帰るころには、風もだいぶおさまり、あたたかな気持ちで歩くことができました。

                        ***

また行きたいなと思っていました。
なので、また、行ってきました。やっぱり秋に。

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東中野で降り、神田川が削った斜面を下ります。

東中野からサル・キッチンへのアプローチは、きっと何通りかあるでしょう。でもやっぱり歩きたいのは、

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ここ。

桐ケ谷支流(仮)のはじまり。

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ぐるぐる巻きの電灯、健在。

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この擁壁も好き。

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暗渠に面した入口。こんなふうな狭くてステキな暗渠に「面している」お店って、なかなかないんです。
小ぢんまりとした、民家を改装したその広さも、桐ケ谷支流(仮)にフィットする良い塩梅。内装は手づくり感があって、あたたかい。接客もあたたかい。

料理は素材が活きる、質実剛健なかんじ。

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この日もっとも気に入った一皿。
皮が感動的なほどにサクッ(その1秒後にじゅわっ!)と焼かれたノドグロ、その下に茄子のペースト。フレンチで茄子とは・・・!と脱帽。

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栗のケーキでお祝い。

この日は天気も悪くなくて、帰りみち、ウーロウロしました。

近くには桐ケ谷橋の欄干が残っています。以前も、仕事帰りのよるに、桐ケ谷橋がこのへんにある、という半端な情報をもってぐるぐる探したけれど、見つからない、ということがありました(その迷っていた場所は主にサル・キッチンの真後ろの公園でしたw)。

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とつぜん、置いてあるのです。この桐ケ谷支流(仮)に架かっていたに違いないもの。
暗渠であることの証明です。・・・暗渠沿いじゃないところに置いてあるのが、ちょっとだけ残念。

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桐ケ谷支流(仮)のランドマーク的コインランドリーは、こんなふうに豹変していました。
少し前に通ったときは、工事中のようになっていたので、なくなってしまったのだと思った。コインランドリーとして残っているだけ、よいことなのかな・・・?

ひょっこり、島のようになっているところがかわいらしい。

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神田川桐ケ谷支流(仮)をさかのぼってゆけば、いつしか桃園川からの分岐点。そのままさかのぼれば、小淀川。後ろに行けば、神田川。小淀川を歩き続けても、神田川。

いかようにも暗渠をたどり続けられる、帰りみち。

”暗渠めし”、きょうはちょっと、いつもと違う感じだったかもしれません。・・・こんな日も、あります。

<関連記事>
サル・キッチンに触れた記事→ 「小淀川を追え!2」 コインランドリーの以前の姿が載っています
神田川桐ケ谷支流と日本閣の誕生秘話→ 「日本閣と、逃げ出した鯉のはなし

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Momo Garten ~最強の暗渠カフェ~

久しぶりにちゃんとした「カフェ」記事です。今まで、暗渠カフェカテゴリを使ってさんざん飲み屋さんを紹介していたわけですが・・・w

3月の、ある日。
桃園川をてくてくと歩いていました。

堀越学園のあたりでふと、こんな風景に出会いました。

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・・・なんか作ってる。

この感じは、おそらく古民家カフェ!
なんてこった、桃園川に面している(手前の植込みが桃園川緑道)!むぉ~、た、たのしみだぁ・・・

などと興奮していたら、このカフェが出来上がった情報も飛び込んできました。

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その名は、 Momo Garten。 =桃園。

もう、早く行きたくて行きたくて。たしか、このあたりだったはず~。と、中野五差路~住宅街を通る道からアプローチします。
すると、ひっそりひっそり、わからないくらいにひっそりとこの看板がありました。あったあったあった!とハシャギながら家の玄関に向かう道みたいなところを歩きます。

いざ、入店!

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家にお邪魔するみたいなこのかんじ。わくわく。
玄関もそのまま残されていて・・・

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天気が良かったので、テラスへ直行します。

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テラスには、生い茂る植物に水槽。いきいきキラキラ。
前掲のサイトでは、

ウッドデッキには、現在地中に暗渠(あんきょ)となっている桃園川をイメージ、古い石の流し台を利用した水槽をいくつか配置し、金魚やメダカ、水生植物が生息するミニ・ビオトープになっていて、この環境を活かした演奏会や講演会、ワークショップなども検討している。

と説明されています。
このテラスは桃園川をイメージしているのか・・・!!

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元からあった木を、大事にしている様子。
オリーブ、バジル、セリなど、食べられる植物が多いのもたいへん好み。

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外灯もぬかりなくシャレオツです。
ひとつ、ひとつ、すべてのものがシャレオツです。

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さて、まずは縁側気分でビールを飲むとしましょう。

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モモガルテンで、ヒューガルデン。

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チーズ盛り合わせ。

5月なのに既に暑かったですが、暑い日はテラス席にはパラソルが出されるみたいです(我々にはギリギリ出されず)。
ビール飲んで、ひといきついて。・・・あちぃ。お客さんがまだ少なめだったので、席を移動させてもらって、ごはんは中で食べることにしました。

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ランチはカレー1種、パスタ2種から選べました。
きのこのパスタ、サラダつき。
なんだか誰かのおうちでいただいているような感覚。

開放的なキッチンの前に、自家製ピクルスの瓶や手製らしき菓子が、これまたシャレオツに並びます。ワイン飲むにも良さそう。

食事のメニューには”4~5月”と書かれていたので、今後メニューは変わっていくのでしょう。期待!

内装も素晴らしかったのでした。

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こんなふうに大胆にお花が活けてあったり、トイレのごみ箱まで素敵だったり。
古民家時代の部品が適度に残されつつの調和。見ているだけで時間が過ぎてゆきます。

再び、前掲のサイトによれば、

中西さん(ここをつくった方)は「ぼろぼろの土壁、隙間のあいた板壁、さびた鉄、はげたペンキなど建物の良さをそのまま生かしながら、家具類も昭和を感じさせるものをそろえた。これからも断続的に改築を続けるので、永遠に完成しない」と話す。

いまも十分すてきな空間ですが、メニューのみならず内装もどんどん変化し続けるみたい。

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窓の近くの席から、テラス越しに桃園川を見るもヨシ。

テラスでは野菜が売られていたので、カブを買いました。

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もとはこういう二軒長屋だったそうです。
この脇の桃園川緑道を何度通ったかわからない・・・のに、この長屋のことは記憶にありませんでした。偶然撮っていたりはしないか、あとで以前の写真を掘り起こしてみようと思います。

・・・で、このカフェ、

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なんと桃園川から入れるのです。

これ、ものすごくうれしいこと。
待ち合わせにも、「桃園川下って来たら左岸にあるよ」だけで通じちゃうわけです。
この日待ち合わせたU氏も、桃園川を下ってこの入り口から入ってきてました。良いな!(逆に、自分が入ってきた大久保通り側の入り口はたいへんわかりづらいですw)

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散歩の途中に、ふらりと入るもヨシ。

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ココにあります。Momo Garten、大好きな場所になりました。
今現在、自分にとっては最強の暗渠カフェです。

暗渠さんぽついでのカフェ、カフェのついでの暗渠さんぽ。
これでまたひとつ、桃園川さんぽの楽しみが増えました。
 

※タイトルをダサめにすることによって、Momo Gartenのシャレオツ感を倍増させる作戦。

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暗渠めし 現代版三味線橋のひと休み

今年最初の暗渠記事はやはり桃園川にしたいので、桃園川沿いの飲み屋さんをご紹介します。

東京「暗渠」散歩では、”本流沿いには珍しく店が見えるので、現代版の三味線橋のひと休みに使ってもいいかもしれない。”とのみ、触れているところ。

その店の名は、

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三味線橋の上流側右岸にあります。
三味線橋の由来について桃園川緑道では、近くの家で弾く三味線の音が聞こえ、それを合図に歩行者がひと休みした、という説が書かれていますが、ほかに、ここで三味線弾きの座頭が川に落ちて溺れかけた、なんていう説もあります。

数ある桃園川に架かる橋のうち、比較的注目される橋であり、初期(実に恥ずかしい)の桃園川記事でも三味線橋について触れてはいるのですが、このお店についてはスルーしていました(もちろん興味はしんしんだったのですが)。

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両隣も飲み屋さんだったはずですが、閉店してしまったようです。

人通りが多いわけでもなく、駅から近いわけでもない場所。店舗が生き残っているのは、ありがたいことなのかもしれません。でも、どんな店なのか、外からは窺えません。・・・うーむ。
勇気を出して、入ります。
夏の、それなりに暑い日でした。もしそんなに美味しくなかったら、ビールと焼鳥くらいにして、すぐ帰ってくればいいさ・・・

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中には、常連らしきおばさまがカウンターに2人。

最初の飲み物は躊躇せず、「えっと、瓶ビールください!」。
つきだし・・・豚肉と筍、いんげん、こんにゃくなどが入った煮物。
これが、上品で美しくて、そしておいしい!
これは良い店かも!

この喜び方、そういえば同じく中野にある三輪と似ているのですが、ここ、やまとはこのクオリティを70代のおじさんが一人で繰り出しているところが、さらにスゴイ。

ビールをひと飲みし、ふぅっと店内を眺めると、まず気になるのは金魚の多さ・・・でした。広くはない店内に、水槽が3つくらいドーン。しかも、おのおのでかくて立派。
谷田川沿いの「つくも」にもえらいたくさんの金魚が居ましたね。。

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暗渠の畔にあるこのお店で、淡水魚が泳いでいるというのは、ご縁を感じなくもないんですが、こんな立派な和金(?)は川っぽくない気がするんですよねえ。

もっと、ハヤとかさ、・・・やや、奥におられますのはどじょうさんじゃないですか!

桃園川に、どじょうは居たでしょうか。ざっと文献を見てみても、天神川でどじょうを取った、というものくらいしかエピソードは出てきません。けれど、かつて桃園川沿いには田んぼがあったので、きっとあちこちに泳いでいたでしょう。取って食べていた人もきっといたでしょう。と、思うんです。

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桃園川の旧流路近くの魚屋さんで、こんな感じにどじょうを売るときがあります。
ぴょるぴょる動くのがかわいらしくて、何度でも眺めてしまいます。どじょうさん、おまえの先祖は、ここを泳いでいたかい?

・・・どじょうといえば、駒形どぜう

以前、北沢川のザリガニのことに触れたとき、コメント欄にて桃園川のどじょう→どじょうつかみ取り→駒形どぜう、と連想がつながっていったことがあります。丁度駒形どぜうで食べてきた直後で、お店で産地を聞いたところ「ずっと前から湯布院産だ」というお答えだったのでした。数十年前までは東京の川で採れたものを、なんてお答えを期待していたので、意外だったことをよく覚えています(そしてそのように聞いてみたんですが、その店員さんはわからないご様子でした)。

先日、たまたま駒形どぜうの社史を見つけました。
それによると、駒形どぜう(越後屋)の開祖、助七が埼玉からやってきて店を開いたのは、1801年のこと。現在位置から少し隅田川寄りだったそうです。当初は「丼めし屋」であり、初期のメニューは不明(しかしこの「丼めし屋」なる言い回しのなんと美味そうなこと!)。ただし、鯨、味噌、酒を仕入れていたことは記録に残っています。つまり、どぜうがあったかどうかは、わからない。

越後屋は次第に繁盛してゆき、現在の位置に店を移しました。そのころには「どぜう汁」「どぜう鍋」があったといいます。しかも、「葛西、小松川近辺のどぜう」を仕入れていた、とのこと!ヤッタネ地産地消!

なお、このときに「どぜう」暖簾が生まれており、そのエピソードは有名だと思います。しかし「どぜう」と書いてもらうまでのやりとりは、どうやらけっこう揉めていたようなのです。以下、社史より転載すると、

(越後屋初代の助七と、有名な看板書き撞木屋仙吉とのやりとり)
仙吉「鰌を”どぜう”と書くのは誤りだ。正しくは”どじやう”である。誤字を書くのは一生の名折れになる。」
助七「いや、”どじやう”では4文字になって縁起が悪い。芝居の外題など、みな3、5、7の奇数だ。」
仙吉「私はただの看板書きじゃない。正しい文字しか書けない。」
助七「そういうが、私は金を払う客だ。客の言うとおり書くがよろしい。」

貫録で押し切る助七。もし、ここで助七が少しでもひるんでいたら、わたしたちは「どぜう」という言葉には巡り会えなかったかもしれません。

話は飛んで。
戦後、どぜうは極端に入手し難くなります。その理由は複数あり、
1.農薬の普及
2.水路のコンクリート化
3.どぜうが売れなくなり業者が減少→仕入れ値が高価になり小売りが減少
4.工業や自動車などの油によりどぜうが油臭くなった
5.水田の減少
6.農家の人が採らなくなった
等々・・・。
どぜうがないので、越後屋は店を休まざるを得ないことさえあったそうです。その後、養殖や台湾産のルートを探るなど、色々な試みがなされました。5代目のスケッチには、岡山産、三河産、埼玉産、九州産などのどぜうが描かれています。

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そして、ある時点から(少なくとも社史の書かれた昭和55年以降)現在に至るまでは、湯布院産(おそらく養殖の)が安定して供給されている、ということなのでしょう。

もうひとつ。
川に棲むどぜうは、梅雨時に産卵のために川上へ移動するのだそうです。梅雨のころに善福寺川で目を凝らしたくなるような情報です。
また、川でも池でも、栄養が多いほどメスが多くなり、少ないほどオスの割合が多くなるのだそうです。つまりオス・メスの比率は環境で変わる、ということ。どぜうの蒲焼は、オスに限る(肉厚なので)そうですから、蒲焼用のどぜうは田んぼにはあんまりいないかもしれないんですね。

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駒形のどぜう鍋(正しくはこれはどぜうさき鍋)。ちなみにわたしは、”姿”が苦手なので、柳川のほうが好きなんです。あと、ネギを多めに食べます・・・良いどぜうっ喰いにはなれませんねえ、きっと。

                         ***

閑話休題。

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やまとで、焼き鳥も頼んでみました。他にも食べたけれど、迂闊にも忘れてしまいました。家庭的で、丁寧で、おいしい。常連さんもいるけれど、居づらくない。お酒をたのんで、実に良い気分で飲みすすめました。

あ、どじょう料理はたぶん無かったと思います・・・

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チビチビ飲んでいると、常連さんが外気を入れようとしたのか、5分ほど扉を開けてました。

うおー自分の席からも桃園川が見える!出血大サービス!・・蚊が入ってこないか、気が気でなかったですがw

いろいろ、大満足してお店を去ります。

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帰りは、夜の桃園川を通って帰ることができます。上流にも下流にも、いかようにも。

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今回の位置関係です。
橋を挟んで下流側にある、こんにゃく等をつくっているカネナカ食品の佇まいも好きです。

居酒屋やまと、希少な桃園川直結店。その立地のみならず、味良し、雰囲気良し、でございました。桃園川夜歩きの、ひと休みにいかがでしょ?あわてな~い、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

<参考文献>
「思い出 桃交会」
「なかのを歩く」
渡辺繁三「社史 駒形どぜう創業180年記念」

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暗渠めし 東京競馬場西門前食堂群

既に大手の書店では販売しているようなので、告知します。
11月26日発売予定の”地形を楽しむ東京「暗渠」散歩”(本田創編著、洋泉社)の一部を執筆させていただきました。
暗渠に興味を持ちはじめた頃、「暗渠」という語で検索してみてもそんな書籍は見つかることはなく・・・あの手この手で探し、少しずつ暗渠のことが書いてあるものを集めてきました。今こうやって暗渠の本に自分も関わらせていただけたことは、かなり感無量です。関係者の皆様に心より感謝しつつ・・・東京のさまざまなエリアをカバーしている良本だと思いますので(わたしは例によって自分の思い入れのあるちょこっとしか書いていませんが;;)、お買い求めいただけたらうれしいです。

                       ***

と言いつつ、全然暗渠本とは関係のない内容で開始。今回はギャンブルめしの素晴らしさについて、とくとお伝えしたいと思っております。

前記事では、お祭りなのにアルコールが一切無い、という不思議な場に出くわしてしまいました。なので、なぜかおにぎりを二人で三つも頬張り、酒ではなく野菜の鍋を啜り、コロッケをビール抜きで食べ・・・。そして東武線から武蔵野線に乗り換えて、「貨物線だねぇ」「”浦和”が多すぎだねえ」なんてぶつくさ言いながら、ガタンゴトン終着駅までやってきたのでした。

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そして、府中本町から歩いてくると、そこに広がるものは・・・!

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うおー・・・。

実は、わりと最近、東京競馬場にギャンブルめしを味わいにきたのですが、以前とは打って変わった空間になっていたことに、ちょっと落胆して帰ってきたのでした。
周辺にある飲み屋で知っていたのは「加藤屋」くらいでした。でもそこもまあ、それほど引力があるわけでもなかった(外見的に)。でも、なんとなく諦めきれなくてボヤっと検索していたら、こういうサイトがヒットしたのです・・・。
ただ、こういう古いものって、現地に行ってみるともう無い(道路やマンションになっている)、とか、建て替えられた、とか、そういうパターンも想定しておかないと、かなり参っちゃうのです。なので、とにかく最後まで半信半疑で向かいました。だから、なおさら、感動・・・あったよ、あった・・・オケラ街道・・・

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うおおー、この、屋根の上に書いてあるメニュー!昭和!
昭和の東京などで、「中華そば30円」と書かれた看板が目を引く商店街の写真がよくありますけど、それとなんら変わらない雰囲気なのです。浅草あたりではまだまだ現役かもしれないけれど、いまやあちこちで消滅してしまった雰囲気。

さあさあ、お店は何軒も並んでいます。どこに入る・・・?

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・・・ここで、わたしたちはあるものに気づいてしまいました。

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「千鳥」の下!・・・これ、暗渠じゃね?うん、これ暗渠だよねたぶん。

後ろを振り返ってみると、

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あああ、もうこれ間違いなく暗渠だよね。そしてこのフェンスの向こうは開渠なんじゃないだろうか。

ここにあるってことは、府中用水だということ。以前、アトリエ77(川の絵本のお店)に来たときに、これの一本北を走る水路を見ていました。コンクリ蓋暗渠でやってきた府中用水が、開渠となって競馬場にまっすぐ向かっていくという、ドラマチックなものでした。

眩暈がするほど、網の目状に張り巡らされた府中用水。これは市川用水と呼ばれる、府中用水の主流路のひとつのようです。ちょうどこの付近は橋場というようでした(府中街道に渡した橋に関係?)。

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立小便厳禁ですかそうですか・・・。開渠むき出しの頃は、トイレだと思う人もいらしたのでしょうか。
恋焦がれてやって来た飲み屋街で、思いもよらなかった水路と出会う。酔いが回らないうちに、下流も追ってみます。

すると、千鳥さんのところで店の下に潜った暗渠は、

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このように、飲み屋さん数軒の下をくぐって流れているのでした。

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まだまだ店の下。店蓋、ってことか・・・。

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さらに下流にいくと、こうやってややカーブして競馬場に入っていきました。あとはもう追えません(でも、競馬場に入っていく・出てくる水路はいつかは網羅したいです)。
トイレが真後ろにあります。後述のお店たちにはトイレがないので、このトイレは西門飲みには必須の場所。

ん。待てよ。飲み屋さんの真下を通っている・・ということは・・・?
お店を覘いてみます。そろーり。

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うおおお!!店内にコンクリ蓋暗渠が見えている・・・!!すご・・・目がまんまるになります。
もうまずはこの「みなみや」で飲むこと決定。

店に入ると、店員さんが「いらっしゃーい、どうぞ、奥のテレビの近くに座ってね~」と言ってくださるんですが、いえいえわたしたちの目当てはレース観戦ではないのです。と、可能な限り入口側に座りました。

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ポテサラとモツ煮、ビール。

あれ、美味い!このポテサラ、ベーシックに美味い富士食堂ほどではないけどなかなかのクオリティ)。モツもやわらかくて美味しかったらしいです。

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・・・で、コンクリ蓋暗渠を見ながらビールをちびり。

チラッ。

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つづいて、銀ムツの煮つけと熱燗も。
うぁぁぁぁ煮つけ美味いいいいいい!!味付けも絶妙にちょうどいい。この、菜っ葉がまた・・・煮汁をじゅうぶんに絡ませて口に運べば、もうハフーンです。

ここ、日替わりのお魚メニューがけっこう充実しているようでした。この日は、ほかにもアコウダイの塩焼きやサバ味噌があって迷いました。

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その、魚のならぶケースを見るふりをしながら。

チラッチラッ。

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メニューの配色も素敵でした。
しかしここ、揚げ物が一切ないんです。

こういうとこ来て、揚げ物を食べないってのはどうも調子が出ません。
ってなわけで、暗渠上からは外れてしまいますが、品数の豊富そうな「かめや」さんに移動してみました。

「かめや」は、今の「みなみや」の建物がものすごく頑強に思えてくるような、トタンとベニヤ板と、廃材のような柱でできたお店で。椅子もきっと手作りだと思います・・・それがまた、かなり良いんです。。

こんどは揚げ物から選びます。

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アージーフーラーイー。
アジが立った!アジが立った!

いやー、盛り付けがうつくしい。背後に見えているお新香盛り合わせも、料亭のようなうつくしさで登場しました。
で、これもまた味のクオリティも高いんです。ただ、お値段もまあまあ。アジフライは700円でした。マグロ刺なんて1800円で、これは勝ったとき用のメニューなのだろうな。

最初はお客さんは2人しかいなかったのですが、徐々に増え始めました。そろそろ最終レース、といった時間帯。
何人かのお客さんが、「おかえりなさーい!」と声掛けをされていました(わたしたちは「いらっしゃい」)。

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わははは、赤ワインがあるwなぜここにwww って、もう赤ワインって言いたいだけで頼んでしまいました。そんな、いろんなことのバランスがおもしろいお店でした。

気づけば、周囲はほぼ満席になりつつあり。6人くらいの団体さんが、万馬券祝いの「かんぱーい!!!」を盛大にやっていました。万馬券祝いで他のテーブルにマグロ刺を配ってくれたりしないかしら・・・とちょっと待ってみましたが、そんな現象は起きませんでした。

ああ・・・すごい非日常だなあ。週末だけ出現する、この空間。

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・・・で、そろそろ帰ろうかという頃。外の景色が一変していました。

最終レースの時間帯に合わせてオープンエア席が出来るのです。各店、ここで本気を出し始めるようで、焼き鳥の煙が昼間の数倍増しくらいになってます。
人がどんどん店に吸い込まれ、最初「みなみや」で座ることのできなかった蓋暗渠の真上席にも、この時間なら座れるみたい。

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あまりに良い眺めなので、ぐ~っと見入ってしまいました。

で、こういう方向で、あの人たちの足もとを府中用水が流れてんだよな。という視点ももちろん忘れずに。

帰ることが出来なくなってしまい、今度は中華そばのある「南里」さんの外席にどっかり。モロキュウ、熱燗。そして〆の中華そば。

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目の前に暗渠があるんだよなー、なんて思ってほくそ笑みながら、ずるずる~。

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・・・チラッ。

                        ***

Huchu

今回見た水路を濃いブルーの点線で示しました。ほかの水路は水色で。周囲はこのように、府中用水ラッシュのようです。

いかがでしたでしょうか。以前書いた江戸川競艇場前のめし屋さんも、なぜか素朴な姿の暗渠上にあり、そして非常に美味でした。今回も・・・これって不思議な共通点。自然と、次なるギャンブル美味暗渠めしの存在を期待してしまいます。

次回からは、暗渠本で書ききれなかった情報を補う趣旨の記事が続くと思います。が、ときどき、一服の清涼剤のように暗渠めし記事などを挟みつつ行く予定です。どうぞ、よろしくお願いします。

<参考文献>
菅原健二「川の地図辞典 多摩東部編」
くにたち郷土文化館・府中用水土地改良区「府中用水」

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暗渠めし 富士食堂

江戸川のボートレース場に行ってきたんですよ。
ええ。川とボートレースと飲食を楽しむために。

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アッキーナは居ませんでしたが、こんな人が居ました。

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そして、強風のためボートレースは中止でした。
そういえば、モンキーターンを読んでいた弟が、「一番おすすめの競艇場は、江戸川。なぜなら他と違って自然河川の中にあるから。風が吹くとしょっちゅう中止になるところが、風情があっていい。」みたいなことを言ってたのを思い出しました。

それが今日なわけですね。こんなに遠くまで来たのに!
・・・他のレースを少しやりましたが、勝てないし川は見れないし場内の店も無いに等しいので早めに切り上げました。

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外へ出ます。
駐車場のところにこのような広告がありましたが、該当する店は在りませんでした。

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おおおっと、道を挟んで向こうに、すてきな場外食堂があるじゃないですか。
このオレンジの店(その名も大川原商店)もいいし、

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おとなりの富士食堂もいい。
明らかにボートレース客を対象とした店であり、それ以外のお客さんはいなさそうな・・・。先ほどの負け戦の反省をしながら呑むとしましょう。

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さんざん迷いましたが、最終的にはこの矢印に導かれるように富士食堂へと入っていきました。

古びてはいるけれど、掃除がゆきとどき、とても良い雰囲気。屋外の席があったので、迷わず座りました。この日は暑かったけれど、屋外席はおでんや焼鳥が目の前で調理されるので、肌寒い日に丁度良さそう。熱燗でね。

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この冷蔵庫の中に、いろんな小皿が入ってるんです。
たまらないんです。じろじろ見に行ったりして。

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ポテサラ、モツ煮、レモンサワー。

あっ、このポテサラうまい!芋が適度にねっとりとしていて、ベーシックな構成なんだけど、それゆえに他店よりも美味さが際立つ。おやっさん、うまいよこれ!

超アタリだ、この店・・・

この、コースターが布製の手作りっぽい感じで、丁寧に洗濯してあります。よく見ると、テラス席の端には美容室みたいに洗われた布巾たちがピシッと干してあって、気持ちの良いこと。おいおい、このお店、ほんとイイぞ・・・。

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ハムカツ。

もちろんサクサクの揚げたて。
そして、ソース・醤油の他に辛子とマヨネーズという選択肢を与えてくれるのがまた良いじゃないですか。

そして、レタスの千切り×カイワレっていう付け合せがまた、さりげなくこの店の株を上げています。

なんだーここ堪らん!ふつーに呑みに来たい!・・・と、思ったら、ボートレース場に合わせた営業形態なので、18時には閉まっちゃうのだそうです。

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さて。今までお見せした写真で、既に気になっている方もいらっしゃるかもしれません、もしかしたら。

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今居たテラス席、なぜかフェンスに囲まれているのです。
お店を出ると、こういう仕切りがあって、よりいっそう違和感が増します。

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その先、車通りと歩道の脇にフェンス、そしてフェンスと家々の間にこの道、です。

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フェンスはここで終わり、その先は歩道に接続しそうです。
古地図等の記載具合はわかりませんが、これはもう暗渠でしょう。

ということは、富士食堂のテラス席は暗渠上で飲める席ということになり、

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大川原商店のこの中にもおでんで飲める席らしきものがあるんですが、ここなんか妙に密閉されているから、暗渠の中に居るみたいな気持ちになるかもしれませんね!

ふぅ、だいぶ興奮してきました。
では、反対側はどうか・・・というと、新しい住宅、それから駐車場となっていて、あまり形跡がありません。それでも駐車場の端まで来ると、

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バス乗り場のところにドーーーン! 

橋?

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うぉぉー水も流れている模様。

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今辿った一本だけではなく、付近には水路跡らしきものがウネウネウネウネ、たくさんありました。

ともあれ、江戸川の富士食堂はかなり総合力の高い暗渠めし屋であると思います。いざ、再訪!

※勿論、そば、うどんなどお食事もできます。

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暗渠めし 溝の口”玉井”

溝の口駅前の一角。
闇市の名残のある商店街の中を、二ヶ領用水の分水が走っています。

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んで、その分水の上で、飲めるお店もあったりします。

かとりや”という焼鳥屋さんに行こうとしたんですが、この日はお休み。
溝の口といったらかとりやだ、と、lotus62氏が言うのですが、行っても満員だったり、お休みだったりで、わたしゃまだ食べたことがありませんの。

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でもかとりやさんの他にも、暗渠上に席のある飲み屋さんがあります。
いま写っているのは、焼肉屋さん”二の鉄”。七輪が見えますね。あれ、いまウェブ見たらここ安いなー。

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この日立ち寄ったのは、隣の”玉井”。
店内席、外の椅子席(=暗渠上の席)、外の立ち飲み席(席?)とありますが、立ち飲みだと一杯目の飲み物がなんと100円。へへへへへ。

・・・ほんとは暗渠席が良かったのですけど、混んでて、ね。

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やきとり。
なんだか新しくできたお店のような雰囲気なんですが、実は昭和42年からやってる大衆酒場なのだそうです。ただ、本店は別な場所で、この玉井の系列店が溝の口には何軒も展開しているようです(さっきの二の鉄もそうみたい)。

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おでん。鶏がらスープ使用らしいけど、思ったより濃い色。
最初の3品は50円です。暑いけど、なんでか頼んじゃう。

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そして暗渠席からは電車も見えるという。

さっきの二の鉄と、この玉井の暗渠席は一見つながっているんですが、どこかに境界線があるようで、玉井に来たお客さんが二の鉄の暗渠席に座ろうとして次々断られていました。二の鉄だと、暗渠の上で電車見ながらお肉焼けるんだね~それもいいな。

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あ~、いい気持ち。

お、古い電柱。電話番号がいいですねぇ。
庵魚堂さんによると、水路の上はむかしはもっとカオスだったとか。

今もまだまだ楽しいこのエリア。さくっと1、2杯、今晩あたり如何?

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暗渠沿いカフェ その5 ”三迺舎(さんのや)”

前回の暗渠カフェ記事ではカフェっぽくないものを書いてしまいまして、ちゃんとカフェっぽい店をお願いします的な声をいただきました。
そこで、今回はもっと喫茶寄りの店をご紹介いたします。・・・といっても、カフェの定義って「コーヒーが飲める店」のようなんですね。だから、今回は”和カフェだからいいんじゃないか”と思って紹介しようとしていたわけですが、抹茶があってもコーヒーがなかったら”和カフェ”じゃ無いんだろうな・・・ってか和カフェってなんなんだろう、そんな感じに頭がぐるぐるしてきました。

今回は、最近、に行っていた浜町川沿いから一軒。

Sannoya


場所はココ、浜町川は小川橋のすぐ上流です。
浜町川の川幅にあたる部分を厳密に把握はしていないのですが、お店の位置は、浜町川の川べりか、もしくは、川の上という位置に当たると思います。

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ここです。”さんのや”という和菓子屋さん。
その、和菓子の店舗の右側に、「氷」と書かれた布がはためき、コカコーラの宣伝のついた看板が置いてあります。そこには、イートインスペースがあって、午後の2~3時頃に開くようです。

ふつうに歩いているだけでも、軽く汗をかくくらいの気候だったこの日、この「氷」は実に魅力的でありました。

うすぐらい店内に入ります。・・・メニューが多いわけではないのですが、若干迷って、クリームソーダを頼みました。

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おお・・・なんてベッピンなクリームソーダなのでしょう。

くびれ、細身のからだ。まばゆいミドリ色。肌理の細かい白い泡・・・。

わきのシュワシュワを食べたり、アイスクリームをちょっと食べたりと遊びながら、ゆっくりとソーダを飲みました。

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窓の向こうはちいさな公園になっていて、子どもたちの遊ぶ声がよく聴こえました。
この窓の向こうに、昔は在った浜町川の流れを想像して楽しんだり・・・。かき氷も食べてみたいものです。

ところで、浜町川のことを千代田区側では”岩井川”とも呼んでいたらしい、という記述を見かけました。岩井橋に岩井河岸、岩井町(←の由来は岩井家)があったので由来はそこでしょうけれど、書き落としていたのでここで追記します。
・・・で、岩井川に関して調べているうちに、大和橋(浜町川の上流から2番目に架かる橋)にあったガレージの内部を撮った写真があったので大興奮!!山手線が渡る橋・くぐる橋というサイトで、この記事の一番下のところです。どうやら、浜町川跡をそのまま使っているようで、両側に護岸の石垣が残っているではないですか・・・。いつ通っても閉まっているあのガレージ。潜入できるものならしてみたい、という野望が出てきてしまいましたよ・・・。

さて、クリームソーダから話がずれましたが、今後も、川跡が見える場所で飲んだり食べたりしていきたいと思います。お茶もしていきますが、もっと”カフェ”に掠らないような店舗をご紹介することもあるかもしれず、そんなときはどうぞお許しくださいませ。嗚呼、”暗渠めし”というカテゴリ名にすればよかったよ・・・W

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暗渠沿いカフェ? その4”Outback Steakhouse”

ハテナがついてるように、”暗渠カフェ”のカテゴライズがおかしくなってきてますが。
当初は”暗渠を眺めながら珈琲でも飲める店”のはずだったんですが。なんだか、暗渠沿いにある食べ物屋さん、みたいになってきてますが・・・ごほんごほん

まぁ、行きましょう。今回は、宇田川沿いです。

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富士そば前の、盛り上がった歩道。宇田川暗渠です。こんな風に、席から暗渠が丸見えなお店があります。

それは、渋谷のアウトバックステーキハウス

ステーキっていうより、その日はハンバーグが猛烈に食べたいと思う日なのでした。肉!肉食いてぇ!しかもアメリカンなやつ!行こうぜアウトバック!

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きたぁ。香ばしさとか荒々しさとか、好み~!
ビールぐびぐび~。

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ハンバーガーも、きたぁ。
赤ワインがぶがぶ~。
それにしても、付け合せのマッシュポテト、すんごい大きくないですか・・・。バンズのサイズがおかしく見えてくるこの感じ、アメリカで味わった気がしますよ・・・。

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きた瞬間、いちばん「わぁっ!」ってなったのが、この、ブルーミン・オニオンという名の丸ごとオニオンフライ。でかい、でかい、でかい・・・。
途中まで幸せに食べましたが、後からかなりきついことに。

二人で行ったのですが食べきれず、残りは持ち帰らせてもらいました。そして翌朝も半分くらい残っているブルーミン・オニオンを食べるはめになったのですが、それもなかなかきついものがありました(もう随分前の出来事なのに、あの感覚は今もよく覚えてますw)。

暗渠を目の前に、あんだけお腹が苦しくなった記憶も珍しいです。。。

この、アウトバックの2階の窓際席に座れば、夜だってばっちりこの眺めです。

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でも実は、向かいの”富士そば”のほうが、もっと暗渠ばっちりだっていうw
この富士そばで、かつ丼で一杯などやってみるのも、いい暗渠酒かもしれませんね

後日追記:この記事に関して、富士そばにはアルコールは置いていないのでは、という話になりましたが、どうやら渋谷店ではアルコールを置き始めたようです。グッジョブ!

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桃園川グルメエリア

あけまして、おめでとうございます。
新年1発目の記事には、やっぱり桃園川を持ってきたくって。かねてよりしまっておいた、小ネタ記事でご挨拶に代えたいと思います。

桃園川を歩いていると、本流であれ支流であれ、食べ物屋さんに遭遇することはあまりありません。どうしても川からちょっと逸れて何か食べることになるのですが、その「ちょっと逸れて」も、川が目視できないくらいの距離であることもしばしばです。

ところが、川からそれほど離れずに、しかも秀逸なお店が2軒もあるエリアがあります。

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そのお店とは・・・
一軒目は、「伊賀」です。
すでに、味噌maxさんがこのお店の威力について良質なレポをされています。

いや~・・・ここ、前を通ると確実に気になっちゃうと思います。だって、だって、・・・ハンバグ!!

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おそるおそる入って、ハンバグ頼みます。店内には伊賀方面のなにかが貼ってあり、だから伊賀なのか?と、ちょっともやっとしたことを覚えています(前すぎて詳細が思い出せない;;)。

ハンバグ定食。これがうまい!!ハンバグはやわらかく、ソースがこれまた好みの味。目玉焼きの焼き加減絶妙。スパゲティもうまい!ご飯がすすみます。コスパがとても良いです。

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これはハムカツ。
さっくさっくです、揚げたてですよ奥様!!

この2品を食べただけですが、むむぅ・・・このオヤジ、デキルな。きっと料理のセンスが良い人だな!そんなことを思いました。

他にもいろんなメニューがあって、どれもうまいんじゃなかろか。外観も中の雰囲気も実に良いし。たまに行ってはいろいろ試したい店です。

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外観はこう。
宮園荘、という古びたアパート?の1階にあります。この地は確かに以前は宮園でした。2階への入り口は、ここが宮園だった頃でストップしているかのようでした。

「きたなシュラン」も来たみたいです・・・どうも、素敵だと思って入る店、きたなシュランと被る確率高いです。

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店から外に出て、ふっと左に目をやると、道路のところに桃園川のモッコリが見えます。

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桃園川本流の中でも、「宮園橋」の欄干がそのまま残っているという名所の一つ。

そんな良い場所のすぐ近くに、伊賀はあります。

他にも、桃園川の旧本流の「かうしんばし」、西町天神支流、牧場跡開渠など、桃園川関係のワクワクが詰まっているエリアでもあります。

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もう一軒は、伊賀のはす向かいにあります。「イルプリモ」というイタリア料理店。(この写真は以前の記事の使いまわしですが・・・)
よしながふみが「愛がなくても食っていけます」で絶賛している、濃厚イタリアン。この写真はボンゴレですが、これだってねっとり美味しい!ほか、蟹やエビのトマトクリームのパスタ、リゾット。ジェノベーゼ系。なんでもおいしいです。ランチがちょっとお得で、ワインでも飲んじゃったらとってもしあわせです。

この、中野~高円寺においてもわたしが良店と思っている2軒が揃っている、桃園川グルメエリア。暗渠さんぽのついでに、ぜひお勧めしたい場所です。

今年も、こんなふうに色々食べつつ、暗渠を歩いていきたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願いします。今年がみなさまにとっても、少しでも良い年でありますように!

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暗渠沿いカフェ その3”海南鶏飯食堂”

暗渠沿いカフェ、第3弾。

九州の鶏飯じゃなくって、シンガポールチキンライス、です。

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最近の某事件の報道により、わたしのなかで「こわい街」という印象が強くなってしまった街、六本木。もともとわたしの活動圏からは外れる街、六本木。
その街中を、吉野川という風雅な名の川が流れていたことを、「あるく渋谷川入門」(おすすめ本にリンクがあります)で知りました。
HONDAさんが六本木ヒルズ~麻布十番の流れとして書かれていますが、結びついていなかった・・・。また、lotus62さんが、吉野川を辿ろうと試みていたようです。

ここは、TSUTAYAの裏のみち。むこうから下って来ると、

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六本木高校の敷地がえらい崖になっています。写真におさまりきらないくらいの・・・。ほんとうにものすごい崖。

グラウンド脇には、こんな排水管が出ていたり、

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湧水めいたものが出ていたり、と、暗渠的にはあやしさ満点の崖なんです。

しかし、「あるく渋谷川入門」によれば、吉野川は、この一本東のみち、芋洗坂を流れていたとのこと。なるほど川で芋を洗っていたわけですか。芋洗坂という名称は、R-1のときに初めて知りました(つまり芸人さんの名が先)よ・・・。

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とはいえ、このみごとな崖から、水が湧いて、それが吉野川の水に加わっていたような気がしてなりません。

いまの道路にだって、ほら。この側溝の下に、湧水が紛れ込んでいないかなぁとか、ついつい思ってしまいます。

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というわけで、暗渠かどうかがはっきりしないわけですが・・・、暗渠風味のみちが見える位置にある、海南鶏飯食堂、でゴハンをたべました。

ここにテラス席があるのですよ、めっちゃ道路の脇に。景観的には、かなり上等の暗渠カフェです!

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この後仕事があったので、昼ビールはがまんして、中国茶とチキンライス。
自分で炊飯器をつかって作る(鳥胸肉とそれを煮たスープ、ショウガ・ニンニクで炊き込む)こともありますが、それはそれでとても美味しいんだけど、やっぱジャポニカとインディカは違うので、インディカのものを食べたくなる時があります。
ちなみにシンガポールには行ってるのに、現地で食べたことはない(まだ幼くて食に開花してなかった)という自分的にはくやしすぎる過去があります。

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”吉野川の支流だったらいいな”さんに向かって、あーん。湧水とせせらぎを妄想、妄想です。
うーん、うまうま。ここ、チキンライスも美味しいけど、カレーもかなり美味しかったです。

・・・結局、ここはどうなっていたのか・・・。HONDAさんの記事によれば、ここら辺には湧水池がわんさかあった時代もあるとのこと。ピッタリこの場所には、あるような、ないような。明治の古地図では、この少しだけ南に1流(がま池からのもの?)あるようですが、やはりここには流れナシ。それ以上は調べていないのですが、うーん、気になってきました・・・w

Aoi

それから、この近くの渋谷川支流にも、ちょっと気になる暗渠バーがあります。・・・”青いひみつきち”。秘密基地ですってよ奥様!しかもこの隣の隣にあるのは、あの狭すぎる暗渠、”がま池からの流れ”(HONDAさんの記事にリンク)。良い場所ですねえ。
ただし、わたしが暗渠カフェで扱いたいのは”暗渠沿い””暗渠が見えるカフェ”なので、秘密基地は残念ながら外れてしまいます。でも、やっぱりちょっと行ってみたい・・・。

なお、あるく渋谷川入門の著者、梶山さんによるweb”あるく渋谷川”には、”その後の「あるく渋谷川入門」”なるトピックスがあって、それも面白く読ませていただいてます。・・・最初に庵魚堂さんからこの本の情報をいただいてから、少し書いたことと被りますが、梶山さんのこの渋谷川への愛情に、そういう方に、その活動に、とてもあこがれます。ケロキ師をはじめ、桃園川を愛する先輩方はすでに結構いらっしゃるわけですが、わたしもそういうひとをめざしていきたいなぁ・・・と、思います。

それから。暗渠カフェ、杉並に無いなどとぼやいていましたが、イケそうなお店を発見しました。はやくレポした~いです。

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