ガーブ川を辿れた、と思ったら
今回は沖縄の暗渠のことを。
といっても昨年辿った、ガーブ川です。またも出張でではあるけれど、再度那覇に行く機会を得たので、ここぞとばかりにガーブ川へ行ってまいりました。特に資料はないので、辿ったということの速報的記録ですが、おつきあいくださいまし。
辿った、と書きましたがそれは誤りで、前回は途中から間違えて支流を追っていたのでした。
前回の記事から拝借。yahooさんありがとうございます。
なので、今回は赤丸のところと、それから未訪の河口部分を辿ってガーブ川をコンプしたい、というわけです。
赤丸のところから開渠が始まるけれど、あやしげな等高線はもっと東までつづいているようです。なので、ひとまず付近でもっとも高そうなところに登り、そこから下りていくと、
なんとなく谷頭っぽい感じの場所が見えてきます。やっぱり思ったよりずいぶん奥から始まっている様子。
この道を進むと、
予想もしない急崖。
こんなに下りちゃって、いいの?
何やら、管。
底に下りてみると、そこには、
思わず「横浜か!」と、つぶやいてしまうような風景が広がっていました(実際つぶやきました、小声でね)。
だってこれは、横浜とか川崎とかにたくさんある谷頭の風景じゃないか。わりとウロウロしたけれど、沖縄でこういう住宅地はまだ見たことがなかったのだもの。
ココにもあるのねえ、こういう崖。
地図を見ると、いかにも谷戸、とわかります。
ところがその住宅地は同じ調子で続くのではなくって、これまた唐突にこんな階段が出現。
で、、、
公園が広がっていました。
スリバチ公園が!
脇から続く、このアプローチも意味深。
そのむかし、ここは池だったでしょうか。
すくなくとも、滔々と水は湧いていたのではないでしょうか。
ひとり、感動し立ち尽くしながら、さきほどの住宅地の谷頭とここと、瓢箪のような2つの水場を想像していました。
この公園の輪郭が描く曲線と傾斜に、水の流れを感じながら、さてわたしも下っていくとします。
公園の出口。
でもここから、少しの間川跡らしき空間は家の間に隠れます。
次に出逢うのは、回り込んだ先の、この空き地。
・・・実に衝撃的。衝撃的すぎる再会でした・・・
だってこんなに曲がりくねっているんですよ。
と思ったらまたすぐ、道路に埋もれて暫くわからなくなりますが。
しばらく暗渠を見失いながらあるきます。・・・トカシキ食堂、かなり良い!!
(現役のようです。食べに来たいなあ。)
トカシキ食堂を過ぎると、唐突に開渠が顔を出します。冒頭の地図の、開渠のはじまりがこれ。
暗渠の出口にあったものは、キレイな水でした。あの崖やスリバチで湧いたものでしょうか。水たちはこの地面の下を流れてきていたのでした。
それより下流は、前回の記事で追っているので割愛。いやぁしかし・・・良いものを見た。
そうそう、前回、国際通りよりも下流部も追っていなかったのでした。幅広の道路になっていたのでイイや、と思っての省略でしたが、今回は折角なので河口まで行くとしましょう。
日曜日だったので、国際通りが歩行者天国になっていました。けれど、暑すぎるからか、あまり闊歩する人はおらず・・・
その通りの上で、子どもたちがシャボン玉遊びに興じていました。ちょうど、ガーブ川の上をシャボン玉が流れてゆき・・・なんだかとっても良い光景で、暑さを忘れてしばし佇みました。
下ってみると、道端には川を模したような空間があります。
中はこんなことになっていましたw
あとは、幅広の道路からこのように左折して駐輪場になって、暗渠はおわり。
開渠となって、久茂地川に向かっていきます。
久茂地川には階段があり、下りることを阻まれていなかったので、試しに最下段まで行ってみました(泥で滑るので注意)。すると、大量のフナムシのほかに、蠢くものたちが・・・逃げられちゃいましたが、ムツゴロウ様の魚がいっぱい居たようでした。それから、カニも、ボラも。
さて、一応本流は辿り終えましたが、前回も気になっていた学校脇から延びる支流、というのがあります。そちらも行っておくとしましょう。
と、言いたかったのですが、上流端はたぶんこの先です。疲労と時間切れにより、先っちょまでいけませんでした・・・まぁ、いつもの自分なら無理やり行っていたのかもしれませんが、なんというか沖縄時間的になっていて。
この支流は、道路を渡ったところから突如開渠になります。
そして曲りながら家の間を抜けてきたと思ったら、
いびつな暗渠に変わってわたしの心を鷲掴み。
そこ、そこの隙間。
さらにその下流は、上に旅館が載った旅館蓋。
開渠に変化。
横のトタンがたまらない。
橋跡。「新」だけが読めます。
そしてチラチラ隙間をのぞかせながら、ほぼ暗渠でガーブ川本流へと合流していくのでした。
だいたいこんな感じです。樋川支流と仮名を付けておきましょう。
ふぅー、ガーブ川は支流もすごい!
さて、ゴハン(翌日だけど)。
仕事をすませ、残り時間を逆算しながら過ごし方を考えます・・・沖縄料理って結構近所でも食べられてしまうので、ここでしか食べられないような何かが良いな・・・
というわけで、ハンバーガーショップJEFに行くことにしました。
すると、行く途中の道の傍らにて。
うわあぁぁあああぁああ。
うひょぉぉ・・・
うわ、木製ハシゴ式開渠?(ただし枯れてる)
なんだこれ??
そしてコンクリ柵のハシゴ式開渠となって下っていくようでした。
もう、ものすごい変なテンションになってしまいました。でも、ゴハンも食べたい。でも、これも辿りたい。うー、とりあえずゴハンを大急ぎで食べよう。
これこれ。JEFのぬーやるバーガー(ポークランチョンミートとゴーヤを卵でとじたものが具)、それからゴーヤリング。
いろいろと素朴で良かったです。
で、この店舗に向かう段になってやっと、気づいたのです。さっきの暗渠もガーブ川に流れ込む支流だということに!
この店舗は、ガーブ川本流の水上につくられた商店街が目と鼻の先。なので、さっさと食べて、支流の付け根に向かいます。
河口はたぶんここらへん。暗渠サインは乏しい。
ところが店の裏側にきたら、クッキリと。
横断んんん。
その先がすごかった。
蓋上のカオス。
開渠がはさまる。
な、南国蓋。
何蓋なんだ・・・
ひー・・・
ここまで、一歩につき一枚撮ってるかんじです。
ふぅむ・・・良いなあココ。
そして暫く家々の間に埋もれ、遡れなくなって、再び出会えるのがさきほどのココでした。
まだ続きます。行けるところまで遡ってみましょう。
あっ早速隠れちゃった。
ここから上流もしばらく辿れなくなります。
なかなか、暗渠が見られる場所に入っていけません。やっと入れたと思ったらこんな感じで。ココ、崖下だったので上流端かもなあ、と思っています。
これ以上は時間がないこと、それから暑すぎたことにより、断念しました。断念と言っても、「まぁ、いいかぁ」というようなおおらかな気持ちで去れる、というのが、前日と共通する感覚でした。
よくわからない点もあったけれど、ガーブ川支流はあの低地のどこかを流れていたことでしょう。また縁があれば、きっと辿りに来ることができるでしょう・・・
この支流は牧志で合流してくるので、牧志支流(仮)としておきます。
さて。ガーブ川。本流を辿りきれたと思ったら、今度は2つの優良な支流が出現し、その2つとも、上流端の詰めがなされないまま終わってしまいました。けれど詰められなくても、まぁそれはそれで、と終わりに出来る感覚を残しつつ。
また、来れるかな沖縄。来たら、また更なる良い暗渠に出逢えるかもしれないな・・・なかなか終わりきらない、沖縄の旅でした。
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