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どぶがわ

という単語が書いてある背表紙を、見つけてしまったのです。

最近はめっきり徘徊する頻度が落ちた、マンガ棚にて。
11月に出ていたらしい・・・気が付かなかったなあ。

これは、買わざるを得ない。たとえどんなクオリティだろうと、買わざるを得ない。
だって どぶがわ だもの。

そんな、使命感みたいなものを胸に、わたしは「どぶがわ」を手に取ってレジへと向かいました。

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「谷底の 臭気漂う この川沿いに     私の楽園はある」

・・・とても複雑な読後感。

切なさ、哀しみ。憧憬。ささやかなつながり。
ひとを大切にするということ。
孤独とつきあうということ。
生と死。

わたしが暗渠に感じてきたさまざまなものたちが、やわやわと押し寄せてくるようでした。

これは(開渠でありながら)暗渠のものがたりだ、と、わたしは思います。
作者は、暗渠のことを、とてもよくわかっている(登場する工場名なんかも!)ひとなのではないか、と思います。

感動して涙をだくだく流す、というのとはまた違う。けれど、数時間後に、ひと粒だけ涙が流れました。・・・あれは、なんの涙だったのだろう?

そういえば、石積みや橋の架け方が、山形五堰にも似ているなあ。
読むたびごとに、異なる感覚が心に残る。良き出会いを、ありがとうございます。

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