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未来の暗渠さんぽ

6月。それは下水道系見学の季節です。
が、今年はいろいろと時間がなくって2箇所しか行けませんでした。しかも、その2つが実は至近距離でして。

6月。なんていう切り出し方をした割に、もう7月も後半戦なわけでして。今回はそれらをいっぺんに記事にしちゃおうと思います。

どこに、行ってきたかといいますと。

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八丁堀です。
桜川という別称も持つ江戸の掘割のひとつ。

八丁堀(桜川)の埋め跡にできた、桜川公園にあった案内板によれば、

・江戸時代初期に京橋川の下流から隅田川へと開削された水路
・通船が目的
・明治16年に桜川と改称 
・昭和35年~41年には中ノ橋(真ん中)~稲荷橋(河口)以外の上流部が埋め立てられ、昭和44年に完全に埋め立てられた

というのが概要のようです。さてどちらの名で呼ぶか・・・今回は、桜という言葉を冠したものが多いので、「桜川」と呼んでいくことにしましょう。

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桜川跡の隣に、桜正宗の文字があるということ・・・。何かの縁なのでしょうか?

Kare

ちなみに桜正宗の向い側にはカレー屋さんがあります。アイマン

・・・ん?わたしが食べに行ったときは「アイマン」じゃありませんでしたが。
ここ、カレー味のチャーハンの上にカレーがかけられた、カレーチャーハン(詳しくはリンク先参照w)が食べられるお店なのです。店の名前が変わっても、カレーチャーハンは健在のようです。

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さあ、2つの下水道系見学のうち、最初にご紹介するものは。アイマン脇を東側へ向かいます。

桜川公園を抜けて、

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桜川屋上公園も抜けます。

こんなところに、屋上公園があるなんて。
下を通って行ってもいいわけですが、あえて屋上に上がっていきます。地下も好きだけれど、屋上も大好きなのです。

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ここが屋上公園です。
緑が結構あって、フェイク池やフェイク川まであるのですが・・・残念なことに周辺の建物がもっと高いので、屋上感ゼロというかなしさ。

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かなしいな~っと思いながら屋上公園を抜けると、そこには亀島川が見えました。川面が見えただけで、かなしさ解消です。
前述の桜川の話でいくと、稲荷橋のあたりですかね、ここは。

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亀島川を見ながら階段を下りていくと・・・、ああ、そうか、荒川自然公園みたいに、施設の上にある公園だったのか、ここは。いまいたところの下が、目的地である桜橋第二ポンプ所なのでした。
桜橋は、桜川に架かっていた橋のひとつです。しかし、この位置からはやや離れており、”桜橋ポンプ所”のほうの近くに、桜橋はありました。

さ、桜橋第二ポンプ所の見学へ。

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ポンプ所の見学記事って、何個も書いているとバリエーションがなくなるっていうか・・・停電時のためのガスタービン(航空機仕様)と、ポンプを見せてくださるのが定番のようです。

これは、ガスタービン。

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で、雨水ポンプ。

そういえばいままで見学したものはほとんどが雨水のみだった気がしますが、ここ桜橋第二ポンプ所は、汚水も扱っているのが特徴です。

京橋系の雨水と汚水、それから茅場町系の雨水と汚水、とあって、京橋系は小さいポンプ、茅場町系は大きいポンプなのだそうです。雨水は大雨時のみ稼働しますが、汚水は常時稼働しています。ちなみに、汚水は芝浦水再生センターへもってゆかれます。

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奥が大きい方の雨水ポンプ。茅場町系。

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桜橋第二ポンプ所は、桜川の埋め跡にドスーンと建っているのでした。さっき見たポンプ所からの亀島川の眺めには、河口の名残が残っているのだなあ・・・。と、あとから地図を見て気づきます。

桜川のかたちに、亀島川が広がっていますね。

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見学後は粗品をいただきます。
今回は、エコバック、スポンジ、カッティングボード、レシピブックのほか、大成建設さんのメモ帳、ふせん、クリアファイルも貰いました。下水道局さん、大成建設さん、ありがとうございました!

                         ***

間髪入れず、2箇所目へ。

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八丁堀、ふたたび。

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こんどは、桜橋ポンプ所の向かいにある工事現場が目的地です。

Sakurakawaima

桜橋ポンプ所とさきほどの桜橋第二ポンプ所の位置関係は、こうです。
どちらも桜川跡。

でも、今回は桜橋ポンプ所にきたのではなく、現在建設中の、下水道管をつくる模様を見に来たのです。諸々の条件から、ポンプ所の向かいに工事のスタート地点となる立坑がつくられたのでした。

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今度の工事現場には、なんと明治期の現在位置とか、

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昭和38年の航空写真での現在位置とか、

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goo地図でも見れない、昭和38年のこの場所の写真まで掲示してありました。

これはすごいかも!
いままで、この類の見学ではこのような資料が示されたことはないばかりか、川跡の話をしてもほぼスルーだっただけに・・・。早くも興奮してまいります。

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中に入れば、セグメントが山積みで、これまた興奮です。

この横で、工事の説明を聞きました。
アサイチで行ったので、ご近所の意識高そうな方々が、結構たくさんいらっしゃいました。場所のせいなのか、土曜だったからなのかよくわからないけれど、とにかくこれまでの見学で最多でした。偶々相方と一緒に行けたわけですが、他にも趣味が近いのではないかと思われる方もいたりして・・・(なので今回は心強いw)

ここでつくられている下水道管は雨水用の貯留管であり、「築地幹線」という名前です。
雨が降りすぎた時に周辺の雨水を入れて、隅田川へ流すもの。桜橋ポンプ所が起点で、ゆるやかに汐留方向に向かいます。
なぜ、この工事が必要なのかというと、環状2号線ができることにより汐留ポンプ所が廃止(環2の下になるから)されるため、その機能を分散させる必要があるからだそうです。そのため、周辺には第二溜池幹線やら、勝どき幹線やら、分散機能をほかにもいろいろ作っているようでした。

では、築地幹線を見にしゅっぱーつ!

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エレベーター(結構りっぱな方)で、地下40~50mのところまで下りてゆきます。

ガクゥン、ゴゴゴ・・・

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地下に到着。

上を見上げても、ようやっと光がちょこっと見えるくらい。
あめふりだったので、雨粒も滴ります。地下水の湿り気もあります。

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では、シールドマシンが作ってくれた、穴の中に入ります。

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国会議事堂前の駅に行くと、いつもこの光景を思い出しますが・・・。もれなくこの場でも国会議事堂前駅のことを思い出しましたw

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いまは横穴を掘り、セグメントを貼り貼りしています。
これが済んだら、点検の人が歩けるようなコンクリの足場を両脇に作り、その後めでたく貯留管デビューするというわけ。

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工事が完了したら、さきほど入ってきた立坑はこういう階段室となり、上にマンホールが2つつけられるのだそうです。

ただし、そのマンホールには特殊な表記はせず、他のマンホール同様の、ノーマル「東京下水道」マンホールになるのだそうです。
そんなこと聞いちゃうと、我々が普段目にしているノーマルマンホールの中にも、下が特殊なことになっているやつがあるのかもしれない・・・とかワクワクしてしまいます。

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今回の粗品。
下水道局のエコバック、緑色や黄色もデビューしたようですね(これまではオール水色)。ほか、使用済軍手、ボールペン、油とり紙、洗い物用ハケ、ウエットティッシュ、ごみ袋、オリンピック招致シール。なぜかミニ懐中電灯(これ、すごくうれしいw)。それから、鹿島建設さんのタオル。下水道局さん、鹿島建設さん、ありがとうございました!

見学にいくと植物がもらえることもあって。。。今回はゴーヤが貰えるかもしれないと思って家でゴーヤを育てるのをストップしてたんですが、植物はもらえませんでした。

                         ***

・・・で。

これからできる築地幹線を見ていたとき、そういえばこの上を歩くってのも、よいんじゃないかな?ってフト思ったのです。

Ginzamap_2

築地幹線は、こんなふうに通る予定です。この場所の地下深くを。何よりも深く。
ここを、歩いてみたい。

そんなわけで、みたび、中央区へ。こんどは汐留から遡るかたちで、築地幹線(予定)さんぽを始めます。汐留ポンプ所~桜橋ポンプ所、というルートです。

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ある夜。
新橋から汐留ポンプ所に向かって行ったら、環状2号線の工事現場を通りました。これがあの、マッカーサー道路のつづきなんだなあ。

Mirai2


高速がパッツリと切られていました。

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・・・到着。

Mirai4


もうすぐなくなってしまう、汐留ポンプ所です。まだ、ぽつぽつと灯がついています。

よし、築地幹線(予定)さんぽ、スタート!
ポンプ所から、銀座郵便局の横の道をぐにーっと歩きます。

さんぽに付き合ってくれている相方が、フト「あ、そういえばここはデリカが近いね。」とぽつり。
「!!!!?」

デリカ・・・帝里加!!あこがれのデリカ!!
突然の沸点越え。ずっと行きたかった場所ですもの・・・。開始早々、これはえらい場所に寄ることになってしまいました。

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さて、デリカとは。

道端に現れる中華屋さんの看板。これがデリカの入口です。
近寄ってみます。

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どーん。

レバニラ、って、ラップに書いてあります。
これは・・・。このお盆を出す意味があるのか?・・・首をかしげながら入口へと回ると、

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地下駐車場に降りていく階段にしか見えません。
(というか、地下駐車場への階段なのです。)

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地下駐車場に入る扉にしか見えません。
(というか、地下駐車場に入る扉なのです。)

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で、どう見ても地下駐車場なんですが、

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その中に、あるんです。

駐車場の中にぽつねんと在るんです。
中に入ってみると、近所のサラリーマンで大盛り上がり!壁のかたちはいびつながら、想像よりもずっとちゃんとした内装(というか普通の中華屋さん)で、着席するとここが地下駐車場であることなんて忘れてしまいそうです。

まず、帝里加ルールとして、お酒を置いていないので酒を飲みたいなら各自持ち込むことになります。かつてここに入ろうとし、酒が無いために断念したという相方が教えてくれたので、缶ビールをちゃあんと携えて入店。

席に着くと、店員さんがごく自然な動作で、我々の前に空のビールグラスを置いていきます。みなさん、自前の酒をこのグラスに注いでいます。
ようし。プシッと開けて、トトトト・・・

んで、メニューを見れば安価で美味しそうな本格中華がずらり。迷い迷い、3品ほどたのみました。
最初は写真を撮っていたのですが、壁に貼られた紙にちいさく、「写真撮らないで」と書いてあったのを見てしまったため、ブログに帝里加の写真を載せるのは止めることにします。

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はい、ぼかしてみました。

この、ホタテの豆鼓炒めが絶品でした。ホタテはプリプリしてるし。築地が近いから・・・?味付けも良し。ほかにも美味しそうなのがあったし、鍋も安かったし、もっと色々食べにきたいな~。

閉店時間寸前だったので、そそくさと食べます。

帝里加。ディープな中華屋として有名だとは思いますが、なんとここ、築地幹線の上にあるのです。今回のさんぽのルート、まったく外さずに寄れるお店なんですよ!すばらしすぎ。

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地上に出てみるとこんな感じ。
銀座局の前の道です。

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さて、ちょっとだけ酔って、良い気分で・・・
すぐに、北東に曲がります。

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現役の料亭の脇を通っていきます。
日によっては、この場所に黒塗りの車がダァッとならぶこともあるそうで。

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大江戸線の上を通過すると(築地幹線は大江戸線の「下」を通るのですが)、また両側にぽつぽつと料亭が。
料亭と新聞社、広告会社などが入り乱れるふしぎなエリア。

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築地幹線は、歌舞伎座の脇も通ります。
ちょうどここで、日比谷線の下も潜るというわけ。

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なにやら橋が見えてきました。
築地川の跡です。いまはすっかり道路になってしまったけれど。

ここも、築地幹線は潜っていきます。

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昭和38年の、このあたりの写真(gooさんありがとうございます)。

銀座には川が一杯あったのです・・・。この写真上の水路は少なくともすべて埋められ、そして、その川底よりもずっとずっと深いところに、新たな水路が埋設されようとしている。

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あ。
マンホールの工事に出くわしました。おつかれさまです!

ちょうどマンホール蓋をしめるところで、金属の棒のカンカンカンカン・・・!という音がしました。築地幹線より、もっと浅い位置にある下水管でしょうね。

この下をも潜って、

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消防地蔵の角でカクカクっと2度曲がり、

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桜橋ポンプ所向かいの立坑に到着です。

ここが今日のさんぽのゴール地点。下水管的にはスタート地点。

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工事現場に表示されていた案内を見てみると、いまシールドマシンが居るのはここらへんなのだそうです。

って、あれ、銀座局のところ・・・

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ああ、そういえばこういうのを見た!
関連する工事かしら、と思って、一応写真を撮ったのだった。

ということは・・・この位置はほぼ帝里加の位置ということ。

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つまり、我々がこのようなホタテをもぐもぐしているとき、まさにその下でシールドマシンが蠢いていた、というわけですね・・・!

ふぉぉぉぉ・・・。
(と、わたしよりも相方の方がコレについては感動しているようでしたw)

そして、工事現場の掲示物にうっとりと見入っている我々に、現場のおじちゃんがとっくに電源を切っていたモニタをつけてくださるという嬉しいことが。不眠不休でがんばるマシンのことを思いながら、缶チューハイをぐびぐびしました。おじちゃん、ありがとうございました!

掘削自体は、どうやらもうそろそろ終わるか、終わったかという時期のようです。その後も、築地幹線デビューまでには残る行程があるようですが。

築地幹線自体は、ほとんどが直線で構成された、あるていど幅広の道の下を通っています。そんなに、面白い道ではないかもしれない。
だけれど、中央区の、かつてたくさんの水路があった場所、その地下深く深くに”これからできる”暗渠のことを想像しながら歩く夜道は、なかなかたのしかったです。

これが、”未来の暗渠”さんぽ。です。

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コメント

おお、築地幹線はそこを通るのですか。
実は前から江戸前島の東端が気になっていて。定説の三十間堀川だと西すぎる、築地川だと東すぎる感じがしてたんですが、なんか、ちょうどよいところを掘ってますね(笑)。
どうやってルートを決めたのか、大変気になります~。

こちらは地形の表面から過去の痕跡を探して復元しているわけですが、その足元で、実は、地下深く、過去の川が人工的に復活している、なんてことになっていたら、楽しいですね。

投稿: sumizome_sakura | 2013年7月20日 (土) 03時21分

>sumizome_sakuraさん

こんにちは。ただのドボク記事だったのに、一気に深まるコメントをありがとうございます!w
ルートの決め方については、見学時に聞くことができたかもしれませんが、、、後の祭りなので、いまできる推測をしてみると、

・始点と終点は固定(各ポンプ所)
・その間を結ぶ、道路の下
・かつ、築地川小雨水渠など大きめの雨水管を避ける
・という条件でルートを決め、地質を検討

これくらいしか思いつきませんが、そうするとこの場合、殆ど絞られてしまうものの、汐留ポンプ所から北東方向に出ていくルートもあり得て、そちらのほうがカーブが少なくて済む気がします。
カーブに用いる幅の狭いセグメントは(幅広セグメントよりも)お値段がだいぶ高いらしいので、あえてカーブを増やしている現ルートは、そこを通さざるを得ない、つまり何かしら地質の影響を受けている、という推測も可能です。

って、これはかなり都合のいいように話をつなげていますので、実際は全然違うかもしれませんけどww
でももし、そういった大昔の土地の影響があったりなんかしたら、本当にロマンティックですね。この話、いつかもっと探ってみたいです!素敵なコメントを、どうもありがとうございました。

投稿: nama | 2013年7月22日 (月) 19時18分

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