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ガーブ川を辿・・・れたのだろうか

沖縄に行ってきました。・・・出張で。
悲しいことに現地情報を調べる時間が確保できなかったので、沖縄に詳しいHONDAさん(街に詳しいY田G郎みたいだな)に那覇市内のおススメ暗渠をうかがってみたところ、

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とのお答えをいただきました。

おお、なんと泊まるホテルから歩いて行ける距離じゃぁないですか。・・・現地での自由時間は限られています。他の方との約束もあります。でも、ガーブ(我部)川だけは行ってやるでぇ・・・そう思いながら時間はどんどん過ぎて最終日。

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同僚たちと牧志公設市場で食事をすることになりました。
天井が低く、古く、活気があり珍しい食材があちこちにあって、とても好みな雰囲気。

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1階はさまざまな食材売り場。2階で調理してもらって食べられます。1階から2階に上がるときの感じが、なんだかタイや韓国あたりの市場に似ている気がしました。
セミエビ、夜光貝、ヤシガニ、アオブダイなどを、明日から甲殻類アレルギーが始まるんじゃないかというほど食べ、お腹ぱんぱんになりました。

この牧志公設市場、実はガーブ川の上に建っています(厳密にはこの写真の場所ではないけれど)。市場内に開設60周年の新聞記事があり、抜粋するとこの市場は次のような歴史を持っているということでした。

1947年 闇市が自然発生
1948年 那覇市が現第一牧志公設市場の場所に闇市場の露店商人をあつめる
1950年 第一牧志公設市場開設
1958年 市議会で「ガーブ川水上店舗早急退去要請決議」満場一致で可決
1960年 ガーブ川商店街組合結成。氾濫の原因が水上店舗のつっかえがあるからではない由を陳情
1961年 ガーブ川改修工事スタート
1963年 水上店舗改築開始
1964年 改築完成
1965年 ガーブ川工事完成
(その後、第二牧志公設市場ができたり、第一牧志公設市場が不審火で消失したり)
1972年 現在の牧志公設市場が改築、完成

戦後の混乱期に市民の力で生まれたらしい、この市場。
敷地は湿地帯で、大雨のたびにガーブ川が氾濫し衛生的に問題になった・・・そりゃまあ、この場所で川が氾濫したらえらいことでしょうね・・・市場存続問題がおきたり、移転先でもめたり、火事で焼失したり。ガーブ川と牧志公設市場の歩んできた歴史は、なかなか混乱に満ちたもののようでした。

さて。そんな背景を頭に入れつつ、お腹ぱんぱんで正直休みたいと思いつつ、飛行機の時間まで独り行動をさせていただくことにして。暗渠探索モード、オン!上まで行って、一気に下ります。

2時間一本勝負!です。

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沖縄ガイドブックの那覇市内の地図に、ガーブ川をプロットしておいたので、まずはどんどん遡ります。上流端は地図からはわかりにくかったので、途中からは、勘で。

これがさすがに谷頭かな、と思うところまで行ってみます。

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たぶん、ここがどんづまり。
ここで水の浸み出しがあってもいいような場所です。

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振り返って。

さあ、ガーブ川の川下り、スタート!

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ほどなく雨水溝が出現します。

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ああ、もうすでにきれいな水が流れています。
ぃよっしゃ!

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道は、暗渠らし~く細くなります。

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支流が垂直に流れ込んできて。

湧水が見えます。じわじわと湧くのでしょう。

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その”じわじわ水”で、この足元の水は少しずつ増えているのでしょうか。

右岸に段差が確認できます。

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細い道は続きます。いや~、これは良い!

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大きな道路に出るところ。

しかし、その先、しばし痕跡が消えます。クリーニング屋さんなどもあるけれど、暗渠らしさはあまり感じない道になってしまい・・・その下に開渠があるのだけれど、どうも接点がわからない。

うう、あまり時間がないのに、流路が難しくなって迷ってしまいました。

うろうろ。

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実はこのあたりで、往路も迷っていたのでした(突然ガーブ川が消えたような気がして)。

ともかく低くて気になる方へと下っていくと、大きな段差のあるあやしいところがあり、

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ああああ。道路の下を清水がさらさら流れてる・・・。
この道が暗渠だったのか。

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ああああこっちが本流だったか・・・

※解説しよう。わたしが見ていた地図には、大体こういう感じで開渠が描いてあって、

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この「きりん歯科クリニック」のあたりにわたしは行きたかったわけです(googleさんありがとうございます)。

ガーブ川が「那覇病院通り」を渡るところまでは確認。その先、ちょっと大きな通りを渡ったら上流端が近いのだ、という認識でおりまして。

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ところが、なんということでしょう。
わたしは真っ直ぐ歩いて行ってしまい、多少迷いながらも、青点線部分の暗渠らしい道を見つけ、「よおっしゃ!」とガッツポーズをする。
しかしその下流の緑点線部分が地形的にはどうしてもつながらないので困惑する。
迷った挙句、なんとなく低い方へ行って、そして水色点線部分の路上でやっと過ちに気づいたというわけです。

思えば遠くへきたもんだ・・・
地図が読めない自覚はあったものの、今回は80°くらい間違えていたわけですね。残り時間を考えると、もう本流を遡る時間はありませんでした。1つ前の写真を少しだけ遡って、まだまだ幅の広い本流の開渠を見たときには憮然としましたよ・・・

そんなわけで、1本勝負なのに間違えちゃったわたくし。多少の失意を胸に、残るガーブ川を下りたいと思います。
いや!でもあの支流暗渠もすごい良かったぞ。いやいや。正直くやしい・・・。いやいや・・・。

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本流は右折し、

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S字を描くと、このさきで、

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開渠になります。

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開渠は少ししたらまた道路に潜り、

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歩道+植栽の位置が暗渠で、

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また開渠になります。ここからはしばらく開渠。

あの橋、すごいな・・・

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この橋は現役。

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図書館脇を抜け、両側が公園となる場所。いっきに南国ぽくなります。
水はそんなに汚く感じませんが、生活排水を汚さぬよう気を付けようという看板がありました。生活排水も入るのか・・・。

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公園を抜け、小学校と中学校の敷地の間へとすすみ、しばらく脇を歩けなくなります。

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小学校のあたり、左岸に支流を見かけました。

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すき間を覗くと、澄んだ水が流れていました。
これも遡りたいけど・・・

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時間がないので、最短で戻らなければなりません。
市場エリアへ。

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この市場の間を、

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ガーブ川は悠々流れているのでした。
趣のある橋たち。

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ここらへんになるとなんだか水の色があやしくなってきますが、魚は棲んでるようです。
勝島運河あたりの、こういう色の水の中をボラが泳いでいる光景を思い出しました。

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ふたたび暗渠。
そして衝撃の「ビル蓋」がドーン。

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裏もドーン。

そのビルの1階にはなんと、暗渠沖縄そば屋!

普段のわたしなら絶対に食べますねコレ。しかしさっきのヤシガニがお腹いっぱいすぎたこと、時間がなさすぎることで断念。むきー。

<後日追記>
那覇を再訪することができました(またも、仕事で)。
空港に降り立ち、まず最初に訪れたのはもちろんこの「いなか」。

Inaka

ソーキそばの普通もり、350円也。やすい!
暑かったけれど、外の席が空いていたので、あえて外で、下流の暗渠もときどき振り返りながら、たべました。汗はダーラダラ、でも、のんびり。

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下流側にも同じ建物がありました。双子ビル蓋。

以降は、暗渠の上にずっと建物がならんでいきます。上流から順に、「水上店舗第四街区」、「水上店舗第三街区」、「水上店舗第二街区」、「水上店舗第一街区」。名前も渋いし、すばらしきごっちゃり感。

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この場所の下がガーブ川です。

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建物内を見ると、暗渠のところが一段高くなっています。

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支流が合流したりもし。

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もっとくっきりと蓋がわかるのがこの場所。
ゆるやかにカーブ。

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くっきりと盛り上がったり。

・・・急ぎ足のわたしを横目に、猫がのんびりお昼寝。のどかな水上商店街でした。

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商店街が並んでいるけれど、真ん中のこの位置がガーブ川なのでした。そして久茂地川に注ぎます(この地名を見ると、くもじい!!ってなります)。

この下流も少しだけあるのですが、ここでタイムアップ。ホテルに戻らねばなりません・・・。

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突然夜の写真になりましたが、国際通りもこのようにV字になっていて、谷底を感じるのでした。
ガーブ川下り、ここまで!

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おまけ。

これまたHONDAさんにそそのかされて食べてしまった、夜中の独りステーキ@ジャッキーステーキハウス
むかし、クッキングパパで読んで以来、ずっと来たかった場所でもあります。前日に後輩も独りステーキをしにきたらしいw  夜中にこんなに食べて罪悪感が・・・出るかと思いきや、あっさり食べられてなんともいえない満足感が残りました。夜中ステーキ、たのしいわ~・・・癖になったらどうしましょ。

暗渠さんぽ、最も遠方はバークレー編ですが、これで北海道編と沖縄編も揃いました。
だがしかし。ガーブ川の本流の上流端と、小学校脇の支流の先、暗渠そば屋、そして下流。積み残しが出てしまいました。これらを辿るために、また沖縄に来なくちゃいけない。むぅぅ。でも、心のどこかで、そんな沖縄リベンジもいいじゃない・・・と思っていたりしますw

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コメント

衝撃のガーブ川記事!私も水上店舗のことが気になっていましたが遠いので行けず・・・
ビル蓋状態がよく分かる貴重な写真をありがとうございました。私はこの川の護岸とビル本体がどう接続されているのか気になって仕方ないのです。

投稿: 大石俊六 | 2013年6月15日 (土) 19時34分

>大石俊六さん

こんにちは。さすが俊六さん、その好奇心は沖縄にまで向かっていらしたのですね!自分は今回初めてガーブ川のことを知りました。「水上店舗第一街区」の響き、ツボでした・・・。
たしかに、ビルの基礎はどうなっているのやらですね。下流側の店舗は蓋の上に乗っかっているように見えましたが・・・考えてみればこのときはお店の人にインタビューできるまたとない機会だったわけですよね。上流部で道に迷って時間をロスしたことが改めて悔やまれてきました~・・・

投稿: nama | 2013年6月17日 (月) 10時08分

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