谷田川巣鴨支流(仮)と「あの橋」
![]() 【送料無料】東京「暗渠」散歩 [ 本田創 ] |
東京「暗渠」散歩、発売となりました。すでにお買い求め頂いたみなさま、どうもありがとうございます。
きっと他の著者さんもそうではないかと思っているのですが、自分の場合は担当した3暗渠とも、文字数の都合でかなりの情報を割愛せざるを得ませんでした。本文に入らない情報をキャプションに押し込めたら、それも削ることになってしまったり。。
そもそも、文中では全く触れていない支流もあります。内容的にはささやかだけど、自分としては発見だったりおもしろかったりしたものが、もっとたくさんあるのです。そういった割愛分を暫くブログにて綴っていきますので、併せて楽しんで頂ければ幸いです。
まずは、当ブログでの登場回数が少ない谷田川から。
巣鴨からやってくるので巣鴨支流(仮)ととりあえず呼ばせていただき、それと「あの橋」をご紹介します。・・・「あの肉」みたいな言い方ですけども。
藍染川桜酒マラソンをした際、HONDAさんがちょろりと言ったひとこと。「北からももう一本あるんですよ」・・・逆川のあたりかと思いましたが、もっと西に、それらしき谷がありました。北区と豊島区のちょうど区界となっています。
こんな感じ(yahooさんありがとうございます)。・・・ありそうですよね。
地図を見て「ここらへんから始まりそう」などと適当極まりない予測をし、でも念のためもう少し端からスタートしよう、と思いました。それが、区界と都電荒川線のぶつかる位置でした。
都電に乗り、新庚申塚で降車。
・・・しかし予想に反して、その谷は電車からも既に見えているのでした。暗渠者どうしが乗っていたなら、車内で顔を見合わせ頷くレベルです。
しかも、この界隈では実に珍しい、蓋が。
ここが上流端と思しきところ。しかし池らしいカタチは残っていません。もう少し北にお寺が固まっている場所があり気になりますが、地形的にはそこから来ているかは微妙です。では、この水路の始まりは何なのか・・・排水なのか、湧水があったのか、文献はいまのところ見つかっていません。
微妙ですが、敷石ではないと思います。思いたい、という願いも込めて。
コンクリ蓋が出てくるのは、あとにもさきにも、ここだけ。
さあ、下っていきましょう。
お岩通りを横切ると、
じつに暗渠らしい狭い道が続きます。
両岸が高い。苔むしている。
人の出入りは割とあって、洗濯物を干すひと、近所の方同士のごあいさつ、そんな生活感のある暗渠です。
横の茂みに猫が隠れていたり。
いい雰囲気。そういえば、区界にしてはボサボサ感が少ないような気がします。
ツギハギ護岸にミニ階段。
ミニナナメ階段。
洗い場でもあったのでしょうか・・・?
お、クリーニング屋さんだ。
細道の奥まったところにあり、近所にお店もないのにクリーニング屋さんだけがあって、だいじな暗渠サインという感じです。
道は少々太くなります。武蔵野中・高の脇を通ります。
左岸がどんどん高くなっていく感じ。
左岸の道を見上げれば、向こうには丘(高校~西ヶ原みんなの公園)。そしてその先に石神井川がつくった谷があるので、この丘を少し上っただけで空が大きく見えます。
中流部あたりから、傍流があったような雰囲気と、2流をつなぐ水路跡のようなものが出現します。田圃だったのかな。
下流では、かくっと折れて、
左岸がいよいよ高くなって、そして大きな道路に出て、この先は行方不明。どうにか流れて、谷田川と合流するはずなのですが、合流点の名残はありません。
後日追記:
この支流、谷戸ラブさんが取り上げてらっしゃいました。「染井あたりの続き」。独特の口調でうつしだされる、暗渠沿いのおもしろいものたち!
地形と併せてみてみると、こうです(google earthさんありがとうございます)。
巣鴨支流(仮)は、点線で示しました。一応長池も丸で囲みました。
この陰影図を見ると、他にも窪んでいるところがあるのが気になります。近辺には湧水池がいくつもあったことがしばしば描写されますが、その位置はかならずしも一致しないのでここでは自信なさげに書いておくとしましょう。
たとえば、
江戸期には、いま立っているあたりに池があり、この道を小川が下っていくようでした。
池跡は現在住宅地でありわかりづらく、小川も暗渠度の低い道で。うろうろしていると、その小川沿いには遺跡のようなトマソンのようなものがありました。
もうすこし、ぐるぐると窪地を探して歩いてみます。
慈眼寺前に出てきました。
・・・何気なく歩いていると、
ん・・・?
こ、これは・・・?
「し」しか読めません(泣)!!誰ぞ、これ読めるお方はおらぬか~~。
で、この位置でこれを見ると、いやでも「あの橋」の親柱なのではないか、と思ってしまうわけです。
不染橋のね!
以前谷戸ラブさんが書かれ、通っていたはずなのにあっさり見逃していた自分を反省した、この橋。
藍染川(谷田川)と関連はしているのだろうけれども、文献上はまだ手掛かりのない、この橋。
1つめの石と不染橋親柱との位置関係は、こうです。
ワンペア。
こんなに遠く離れていても、傾き加減が一緒なところが、微笑ましくありません?w
しかし奥の親柱は完全に車止めであり、この日も通りすがりの自転車が「ガッ!」とぶつかっていってしまい、気が気ではありませんでした。・・・おねがい、「自転車ガッ」だけはやめてあげて・・・
水路として描かれることはないのだけど、慈眼寺近辺の、この道も怪しいんですよねえ。暗渠感があるんです。ここは豊島青果市場のやや北に位置するのですが、青果市場裏手斜面にも湧水があったということなので、ここはその水が流れていたかもしれません。あるいは、右手に見える墓地ごと、湿地帯だったかもしれません。
慈眼寺本堂の場所も江戸時代は湧水池だったようです。
住宅地にあった池を左、慈眼寺の位置を右に、水色の丸で示しました。ほかにも長池の右上あたりに湧水池と言われるものがまだあります。谷田川の源流部は、こんな風に湧水点が入り乱れていたのでした。
さて。ここらへんで、一杯といったら、やきとん高木でしょう。巣鴨の方に戻るけど。
実に硬派な飲み屋さんであります。頑固おやじのような入口(でもバイトさんは若い女性)。いぶし銀の店内。やきとん、モツ煮をはじめ、古き良きツマミ類。わたしはモツ煮の”モツ以外”を食べるため、モツのみのモツ煮がくると惨敗するのですが、ここはそうでした。イヨッ、硬派!
異彩を放つものとして、焼酎の牛乳割があります。焼酎はまるで水道水みたいな顔をして、コップでやってきます。牛乳は見ての通り。これをホッピーのごとく混ぜて飲むのです。ウコンハイを飲んでいるときのような、体にやさしい気持ちに・・・なっていたかどうか、あまり覚えていません。
うまいかまずいか、それはあなた次第。
さて、数回は谷田川をのんびり下っていきたいと思います。
<参考文献>
江戸東京重ね地図(CD-ROM)
「滝野川 第4号」
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コメント
暗渠本、堪能しております!
この暗渠筋は傍流の平行感とか、散歩冥利に尽きますね。http://yatolove.exblog.jp/15441315武蔵野学園の谷、ほぼ同じアングルだと思います!敷石もこれより上流はフェイドアウトする手前の思わせぶりで、印象的ですよね。
牛乳が瓶で添えられて供されるのも、より体をいたわってくれそうですね。ほっこりします。
投稿: 谷戸ラブ | 2012年11月28日 (水) 09時23分
>谷戸ラブさん
ありがとうございます。藍染川ファンからすると物足りないのではないかといささか不安なのですが、ご容赦くださいまし。。
あー!この記事覚えてます(おもに猫をw)!が、春の時点では巣鴨支流には行っていなかったので、頭の中で結びついていませんでした(これは夏に行きました。。)。ここだったんですねぇ。あとで本文中に、谷戸ラブさんの記事をリンクしておこうと思います。
そう、普段は下へ下へと興味が行くのですが、あの武蔵野学園の脇の坂は、どうも上に目が行きますね。あの開けた感じはとてもよかったです。いやぁ、同じように眺めて同じように写真撮ってたわけですね~~(照)。
投稿: nama | 2012年11月28日 (水) 12時54分
『東京「暗渠」散歩』、昨夜届いて今日読み始めました。
やはり真っ先に目が行くのは桃園川ですが、マイナーな細流が取り上げられていて嬉しくなりました。
投稿: 翠月庵 | 2012年11月29日 (木) 23時15分
>翠月庵さん
こんにちは。お買い上げありがとうございます!
桃園川の感想も、ありがとうございました。桃園川についても、本に書ききれないあらたな発見がいくつかあったので、のちほど小ネタみたいにちょっとずつ出していこうと思います。
投稿: nama | 2012年11月30日 (金) 14時03分
すみませんすみません、前回コメントさせていただいた時のリンク先がへんちくりんになってしまっていて・・(汗)、
おまけに追記までしていただき、恐縮です。お手数お掛けしました。ありがとうございます。
自転車ガッ、心配ですね。前に、車に当てられてかなり欠損してしまった橋供養塔を見た事があります。
投稿: 谷戸ラブ | 2012年11月30日 (金) 20時46分
>谷戸ラブさん
いえいえ、最初メール通知で(メールから飛んで)見たときには、ちゃんとご指定の記事に飛べたので、それを貼ったのですよ~。だいじょぶです。
おお・・・橋供養塔の供養塔欲しくなってきますねそれは・・・;
投稿: nama | 2012年11月30日 (金) 22時51分