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2012年9月

暗渠めし 富士食堂

江戸川のボートレース場に行ってきたんですよ。
ええ。川とボートレースと飲食を楽しむために。

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アッキーナは居ませんでしたが、こんな人が居ました。

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そして、強風のためボートレースは中止でした。
そういえば、モンキーターンを読んでいた弟が、「一番おすすめの競艇場は、江戸川。なぜなら他と違って自然河川の中にあるから。風が吹くとしょっちゅう中止になるところが、風情があっていい。」みたいなことを言ってたのを思い出しました。

それが今日なわけですね。こんなに遠くまで来たのに!
・・・他のレースを少しやりましたが、勝てないし川は見れないし場内の店も無いに等しいので早めに切り上げました。

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外へ出ます。
駐車場のところにこのような広告がありましたが、該当する店は在りませんでした。

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おおおっと、道を挟んで向こうに、すてきな場外食堂があるじゃないですか。
このオレンジの店(その名も大川原商店)もいいし、

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おとなりの富士食堂もいい。
明らかにボートレース客を対象とした店であり、それ以外のお客さんはいなさそうな・・・。先ほどの負け戦の反省をしながら呑むとしましょう。

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さんざん迷いましたが、最終的にはこの矢印に導かれるように富士食堂へと入っていきました。

古びてはいるけれど、掃除がゆきとどき、とても良い雰囲気。屋外の席があったので、迷わず座りました。この日は暑かったけれど、屋外席はおでんや焼鳥が目の前で調理されるので、肌寒い日に丁度良さそう。熱燗でね。

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この冷蔵庫の中に、いろんな小皿が入ってるんです。
たまらないんです。じろじろ見に行ったりして。

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ポテサラ、モツ煮、レモンサワー。

あっ、このポテサラうまい!芋が適度にねっとりとしていて、ベーシックな構成なんだけど、それゆえに他店よりも美味さが際立つ。おやっさん、うまいよこれ!

超アタリだ、この店・・・

この、コースターが布製の手作りっぽい感じで、丁寧に洗濯してあります。よく見ると、テラス席の端には美容室みたいに洗われた布巾たちがピシッと干してあって、気持ちの良いこと。おいおい、このお店、ほんとイイぞ・・・。

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ハムカツ。

もちろんサクサクの揚げたて。
そして、ソース・醤油の他に辛子とマヨネーズという選択肢を与えてくれるのがまた良いじゃないですか。

そして、レタスの千切り×カイワレっていう付け合せがまた、さりげなくこの店の株を上げています。

なんだーここ堪らん!ふつーに呑みに来たい!・・・と、思ったら、ボートレース場に合わせた営業形態なので、18時には閉まっちゃうのだそうです。

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さて。今までお見せした写真で、既に気になっている方もいらっしゃるかもしれません、もしかしたら。

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今居たテラス席、なぜかフェンスに囲まれているのです。
お店を出ると、こういう仕切りがあって、よりいっそう違和感が増します。

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その先、車通りと歩道の脇にフェンス、そしてフェンスと家々の間にこの道、です。

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フェンスはここで終わり、その先は歩道に接続しそうです。
古地図等の記載具合はわかりませんが、これはもう暗渠でしょう。

ということは、富士食堂のテラス席は暗渠上で飲める席ということになり、

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大川原商店のこの中にもおでんで飲める席らしきものがあるんですが、ここなんか妙に密閉されているから、暗渠の中に居るみたいな気持ちになるかもしれませんね!

ふぅ、だいぶ興奮してきました。
では、反対側はどうか・・・というと、新しい住宅、それから駐車場となっていて、あまり形跡がありません。それでも駐車場の端まで来ると、

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バス乗り場のところにドーーーン! 

橋?

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うぉぉー水も流れている模様。

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今辿った一本だけではなく、付近には水路跡らしきものがウネウネウネウネ、たくさんありました。

ともあれ、江戸川の富士食堂はかなり総合力の高い暗渠めし屋であると思います。いざ、再訪!

※勿論、そば、うどんなどお食事もできます。

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バスからながむ、釜寺支流(仮)

バスはたのし。
環七を通る渋谷行のバスに乗っていると、フッと窪みと暗渠みちのようなものが見えることがあって、気になっていました。

位置的にはうさぎねこさんリバーサイドさんが書いてらした「釜寺支流(仮)」ではないかとと思いつつ、でも、ほんとに「フッ」と通り過ぎるので、目の悪いわたしには本当に暗渠なのかどうかわからないまま。

ある日、代田橋からトコトコ歩いて来てみました。

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環七から見下ろしたこの眺め・・・。
早く、この向こう側に、行ってみたくなりませんか!

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上流端へ。神田川から分かれる流れのようです。

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おそらく始点はここ。旧遊び場46番、現和泉緑地の少し下流で、「べんてん橋公園」がチラと見えます。この「べんてん」は、南方にある和泉の弁天池と弁天社に因むものでしょうかね。

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広めの道だけれど、横に見える段差が水路感出してきます。
昭和40年代の地図では、北から交差してくる水路のようなものも見られます。

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少し行くと、古めの家が数軒並んでいて、解体待ちのようでした。マンションでも建てられるのでしょうか、なりゆきはよくわかりません。

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もっとも下流側の家の玄関のドアに、置手紙がかけられていました。
直筆の、おそらく40代くらいの女性のものではないかと思われる、しっかりとした字で、清掃業者さんへのお礼が書いてありました。毎日ありがとうございます、直接お礼は言えないけれど、と・・・
この手紙の主はどんな気持ちでこれを書いたのか、いま何処で何をしているのか、歩きながらも考えてしまいます。

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遊び場73番の斜向かいには、こんな風に北から合流してくる水路っぽい道もありました。

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そのさき、蛇行が激しくなります。この曲りぶり・・・ここは神田川の旧流路だったでしょうか。

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その先、ちょっと気になる場所。まるで水車場のような島のような場所をのこして、左に行く道と右へ行く道があります。

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といっても、左に行く道は、数軒の民家へのアプローチになっている程度です。あまり用途が無い道、そしてみごとな崖下です。
さて、右と左、どっちが流路だったのでしょうか?

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答えは昭和38年のgooの航空写真にありました。釜寺支流(仮)は、立派なハシゴ式開渠として写っています。崖下には既に家が数軒建っています。崖下の細道がどうなっているかはよく見えませんが、本流は右の道のようです(しかも思ったより右側を流れています)。
このような違和感の残る場所は概して何かあるので、以前は沼であったとか、きっと何かあるはずなのですが・・・。

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立派な崖が続きます。

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興奮の連続です・・・奥にアレが見えてきましたよ!

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コンクリ蓋の部、開始です。

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きちんと整列してます。
両脇の柵や花壇といい、

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この背筋をピッと伸ばした車止めといい、なんだかキッチリとしています。

それにしてもこの車止め、長い・・・。

どんくらい長いかっていうと、

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こんくらい長い。
・・・縦に撮ってはみたものの、崖の長さが強調される結果となってしまいました。


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あら、その先はちょっと乱れます。お化粧前?

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環七との交差地点がここです。
冒頭の写真を、反対側から撮ったもの。

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あまりおススメはできないけど、環七からツギハギ階段を下りてこられます。

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環七を渡ると、崖はまだ続くけれど、暗渠感はめっきり乏しくなります。

ちなみに今まで見上げてきたこの崖の上は、通称「峯台地」というようです。やや北にあったとされる峰弁天湯は、この台地の名と関係するのでしょうか。

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通称釜寺、東運寺。この少し下流で神田川と合流するようです。ここら辺の道は前掲の航空写真の頃から既に真っ直ぐすぎるので、早々に改修されたのかもしれません。

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今回の行程です。峯台地のキワを通っている、神田川の分流でした。

さて、ごはん。冒頭の写真のすぐ横に実に昭和ですてきなお店が並んでいるのです。中華屋さんは閉まっていたので、お隣の大衆食堂に入ろうとしました。

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井月。渋いですねぃ。
定食類が色々あるうえ、カウンター上のおかず小皿をいろいろ選べるようで、たまりません。・・・しかし、このときは連れがビールを飲むと決めていたようで、残念、このお店にはアルコールがないのです・・・断腸の思いでこの雰囲気の良い店を後にしました。

こんどは一人のときに再訪。

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サバの塩焼き定食。お味噌汁はシジミにして。
白飯、味噌汁、焼魚、大根おろし、おしんこ、ミニ冷奴がトン、トン、トン、トンとやってきて、最後に目玉焼きが登場しました。ご飯足りるかな、っていうタイプの嬉しい気持ちになります。

さらに、おばさまがサービスで、目の前のトレーに盛られた出来立ての筍の煮物を下さったのです(ぼさぼさの髪に化粧もせず、愛想も良くなく黙々と飯を喰らうわたしに対して)!「これ、おいしいよ~」って。ウンウン、それ、おいしそうだなって思ってました!そしてホントにおいしいですぅ~!

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それからそれから、テーブルに置かれたコレ。この手作り感とか、雰囲気とか・・・井月にはしみいる優しさがありました。

さきほど食べログをみたら、「閉店」マークがついていました(それ以外は情報なし)。何かの間違いだといいんですが。

さて、釜寺支流(仮)にも再訪します。

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すると、こんな謎の空間がありました。シュロ?ソテツの下に小さな鳥居。

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ちょっと意味が分かりません・・・すごい手作り感。これは、この木を祀っているってことなんでしょうか、それとも立体的立小便禁止マークなんでしょうか?誰か知ってたら教えてくださいww

<後日追記>
Twitterで寄せていただいたご意見がおもしろかったので追記します。

・ロマン→小人さん用鳥居
・小便禁止(ヒト用または犬用)
・不当投棄のごみよけ
・湧水点の名残
・小さな招ぎ代
・この鳥居をくぐると東伏見駅に着く/ワープ地点

ご意見下さったみなさま、ありがとうございました!

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東京ラムネ工場、中野柴又編

まだまだ暑いですね。ブログをしばらくお休みしちゃいましたが、それでもまだまだ、やっぱり暑い。

暑いときたら、東京ラムネ工場2012。今回は2本ご紹介したいと思います。

1本目。
トーインさん(東京飲料)がすごいものを出してくれました。その名も・・・

Momocider

桃園サイダー!!

といっても、瓶の形が中野発ラムネ屋さんのサイダーに、そこはかとなく似ています。ラベル張り替えただけなんじゃないのぅ?なんて言いながら飲んでみたら、あ、ちゃんと違う。これは桃味!桃園だけに。うーん、うれしい。

味噌maxさんに教えてもらった情報でした。感謝です。

でもこれ、なぜか中野駅南口のファミマ限定発売なんです。そのファミマに行けば山積みされていましたが(最近は奥の飲料ゾーンのみ)、・・・なぜ他の”桃園”地区で買えないのか・・・??ちなみに東京飲料のウェブサイトにも載っていません(それにしても”中野発腐ラムネ”ってすごいなw)。

ついでにいうと、去年中野マルイの店頭でトーインのラムネを買いましたが、

Toin

現在はマルイ一階に、このようにかわいらし~く地サイダーたちが売られています。ちなみにマルイは前述のファミマの隣です。むしろ同じ敷地なんじゃないかと思うくらいの位置関係で、ここでトーインが集中的に出店しているのは何か理由があるんでしょうか。いや、他でも売ってほしいってだけなんですけどw

いずれにせよ、桃園川の近くで買えます。きっと桃園川さんぽのすてきなおともになることでしょう。

2本目。

ある日、これまた地ラムネを探しに柴又へ行ってきました。
新柴又の駅で降ります。近くにある江戸川区と葛飾区の区界がとても気になる形(水路っぽい)をしているので(yahooさんいつもありがとうございます)、

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まず最初に区界に向かいました。といっても、暑いので一部に限定し、赤丸のところだけ。

このへん、凹凸がないので探すのが難しいです・・・。

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たんなる家の隙間(狭い)から追いはじめ、うーんこりゃ違うかなあ、と思い始めたところで出会った区界の一部がこれ。

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入るのが躊躇われたので、コの字ウォークします。
暗渠のようなものは、こういうふうに出てきて、あとは道をカクカク曲ったりして、ふたたび狭い住宅の隙間になったりして、

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江戸川へ抜けていきました。

用水路だったのでしょうか。それとも水路は一部だけだったでしょうか・・・?

Kuzakai2

gooの航空写真で見ると、青丸地点から分岐し、うねうねと北上していく水路があるようでした(非常に見づらいけど)。それは区界とほぼ一致するようです。
これは前掲の地図では赤丸に囲まれた中の左下、”親水さくらかいどう”との接点を指しています。
佐倉街道の北側には立派なハシゴ式開渠があったのですね。

さて、いよいよ本命、ラムネ工場に近づきます。

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東京で地ラムネ工場を探すとき、会社がウェブサイトを作っていない場合も多く、情報が少なめなので現地に行くまで会社が現存するのかもわからずに、しばしドキドキします。

今回は北総線の高架下にラムネのケースがあるのを見つけ、ひとまず安堵しました。ちゃんと柴又ラムネ、って書いてあります。わーい、きっと工場は近くにあるぞ!

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該当するブロックにたどり着くと、カクカクとした水路敷様の路地。

でもそこは行き止まりで、ちょっとの間迷子になりましたが、

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あったーー!

ぶじ見つけることが出来ました。

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大越飲料商会

柴又ラムネをつくっているところです。素朴な入口。とりあえず今は作業はしておられないようです。

入口でうろうろしていたら、ちょうど職員の方が出て行こうとされました。ご挨拶し、さっき見た高架下は倉庫で、冬の間は洗った瓶をあそこで保管していることなどを聞きました。なんと、中も見せていただけました。渋くくすんだサイダー色の、思ったほど大きくはない機械(こういう機械はとても好みです)があり、残念ながら動いてはいませんでしたが、作業時の話も聞いたりしてイメージを膨らませながら見させていただきました。

「じゃあ、帝釈天でラムネ飲んできます!」と去ろうとしたら、「帝釈天ではもう売ってないかもしれない」とのこと。その方は、卸先は知らないのではっきりとはいえないけれど、条例で出店が禁止されるようになってしまったので、以前のようには売っていないだろうとのことでした。そして、「ここで飲ませてあげるよ」と!
チャリンチャリン、とお金を払って、すぐ脇の冷蔵庫から出したラムネをプシッ!と開けてもらって・・・

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ごくごく。シュワ~~。

しかも、工場の中で飲ませていただきました。
これ、最高に美味しかったなあ。つめたいつめたい、できたてラムネ。

色々とありがとうございました、大越飲料の方!!感謝です。

帰り際、「どこから来たの?」「杉並です」「なんだ、近いじゃない。そんなの(地図)持ってるから、もっと遠くから来たのかと思ったわよー」・・・それで不憫に思って飲ませてくださったのでしょうか?お気遣いありがとうございましたw

それから、ラムネ工場と水路との関係を、大石俊六さんが排水と法律などから考察されてますので、ご覧あれ。ドブ川雑記帳:水質汚濁防止法

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さて、帝釈天も見に行きます。ラムネ屋さんのあるブロックは両側を暗渠に挟まれています。みたところ真っ直ぐな用水路があったようです。

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地図でも遊歩道になっており、暗渠らしさが絶えずある道でした。

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太すぎる歩道になったり、

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くねっとした遊歩道になったり(地図ではただの真っ直ぐな道みたいに見えたんですが)。

ちなみに、この写真の右下にズームすると、

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おおう・・・、橋の遺構がこんなことになってます。

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ちなみに、南からこういう真っ直ぐな用水路的なものが2本やってきます。
清々しいな、なんか。

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・・・あ、またあった。

どうやらこの川の橋はこういう状態で保存されるのがデフォなんでしょうか。
出土橋は打ち捨てられてるのかと思った・・・

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さあ駅に近づいてきたので、周囲がちょっと賑やかになってきます。
あ、こんどは親柱がある!!

親柱にズームすると、

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いぬまばし跡って書いてあるよ・・・。「跡」って必要だったのかなあ・・・。

ちなみに、この水路の先を猫またぎさんが辿っていらっしゃいました(柴又周辺の暗渠をたどる①)。上流には細くて未整備な上物もあるみたいですね。名前はわからないながら、全部追ったら面白そうな水路です。

まあ、思ったよりも跡があったし、堪能したので帝釈天に寄って帰ろうとします。

が、

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こんなのが目に飛び込んでくるので、帝釈天は反対方向だけど行かざるを得ません。

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狭くてまっすぐ。

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商店街を2つほど通り抜けます。

しゃなりしゃなり。背筋の真っ直ぐ伸びた、細身の女性のような暗渠でした。

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さあて駅方面に戻ろうとすると、こんな良いテラス席があるので、これまた立ち寄らずにはおれません。

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オリジナルの焼きそば(ネギと豚がのってる)に、ネギだこに、ビール!当然外席!
くはー、うんめーw

ねぎだこハウス北島、というお店のようです。

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ちなみに、今の店と柴又駅前の焼きそばやさん(写真左端)との間で、そーーーーーとーーー迷いました。

ついでに、まだ開店してませんが、”酒場 春”には柴又ラムネがあるようです。柴又ハイボールもね。

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今回の行程です。昭和38年の航空写真を見ると、ほかにも水路だらけ、ハシゴ式開渠だらけのエリアです。とても一日じゃ巡りきれない。

東京ラムネ工場シリーズ、現役ラムネ工場は残り少しになってきました。ひととおり行ってみてから、まとめたいと思います。

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