浜町川日本酒マラソン
今回の暗渠酒マラソンは、”浜町川日本酒マラソン”です。
浜町川に関する情報は、「泣く子も黙る浜町川」「泣く子も黙る浜町川 昼間編」であらかた書いているため、今回は川跡で酒を飲んだ、という内容が主となりますw
暗渠酒マラソンの概要については、過去記事(龍閑川)参照のこと。
浜町川の起点をどことするか、というのは、時代によって異なってくるのですが、一番長くなってる時=神田川からってことにします。てなわけで、神田川の和泉橋に集合・・・おおっと、すでに缶ビールを飲んでフライングしているランナーが2名ほどいるではないですか。いい川ビールですね!わたしはウコンを飲んでウォーミングアップです。
和泉橋に立って浜町川の水門を眺めてから、スタート地点へ向かいます。
なお、今回の縛りは日本酒であり、あまりにビール日和なこの日に、メインランナーになりたがる人はおらんだろう、と思っていたら、L氏が挙手してくださいました!L氏はその心づもりで、一杯目のビールを和泉橋で飲み干していた模様です。
さてさて、スタート地点です。
ここは柳原河岸。向こうの古い建物のこちら側にある出入口を見ながら、舟運があった頃に思いを馳せます。・・・ああ、それ、一人で来たときには考えなかったことだなあ。
もうひとつ、自分では気づかなかった発見。H氏いわく、この白い地面は橋跡ではないかというもの。たしかに、歩道の模様がこの部分だけ異なっており、まあるく盛り上がっています。
ちょうど、柳原橋があった場所です。
そうか、柳原橋跡は、残っているんだ・・・!すごいー!
ここ、都電の電停もあったということです。
写真のうち水色の四角が、現在浜町川跡として辿れるスペースですが、浜町川の川幅はもっともっと広かったといわれます。柳原橋跡との比較でみると、残りの左側のスペース(ビル1こ分)も浜町川であったことが推測できます。
つづいて、大和橋を渡って、
隙間を下ります。ここからはしばらく、ビルの間の一本道。
うぅ・・・夜でも大丈夫なカメラのはずなのに、ぼやけている。今回、ファインダーもろくに見ず、適当に撮ってただけなので、川跡の写真がひどいのばっかりww(なのでいろいろ省略します・・・)
ちなみに、この位置は浜町川の人生の中でも新しい部分です。開削された当初(江戸初期)は、流路は東日本橋3-2あたりまでしかなく、その後江戸期のうちに龍閑川合流地点まで、そして明治に神田川まで延長されます。
龍閑川との合流地点の前、岩井橋付近に藍染川(神田駅付近から始まる、神田の藍染川)があり、史料上の埋立時期を比較すると、藍染川と浜町川も交差している時期が僅かにあるはずなのですが、それが見て取れる情報がありません。なので、そこはサクッと通り過ぎて、
ちょうど、その龍閑川との合流地点のところに一つ目の給水ポイントがありました、昭和横丁。アウトドア席に座ります。待ってましたビーーール!
メインランナーL氏、なんと熱燗を頼んでいます。マジか。そして心優しきM氏が冷酒で伴走しています。わたしは無慈悲にビール。ごめんね!
奥に見えますのは鶏の唐揚げの残骸です。今は無き橋本会館の跡地を眺めながら、鶏唐や、ニンニクの天ぷらやモツ煮をつつきました。
さ、サクッと飲んでは去るのが暗渠マラソンのポイントです。
夜の浜町川をどんどん下ります。
こんな雰囲気の場所なんですが、なぜか、ところどころで人が座り込んで喋ったりしています・・・某氏の名コメント「浜町川は人が多い」。なんだろうオフィス街だからなのかな、夜に人が増える暗渠なんて珍しい気がしますよ。
川沿いに上品なイタリアン、賑やかな韓国料理、餃子のお店など、給水できそうなお店は数軒あるのですが、それぞれスルーして、
2つ目の給水所は、ここにします。きらく。
実は1杯目のサワーとビールが安いので狙ってた店なんですが、そんでわたしは狙い通りサワーを飲んだのですが、・・・L氏がまたも熱燗を、M氏が冷酒を頼んでいます・・・ww
そして2軒連続で、熱燗はすぐ来るけど冷やは遅く来るという不思議。
ポテトサラダの天ぷら。
ちくわにポテサラがイン。この「きらく」にはなかなか気になる独創メニューがあり、また飲みに来てみたいな、と思いました。
そしてトイレでこの店の住所を見て、やっと気づいたのですが、ここは東日本橋3-2。・・・浜町川が最初に開削された時の上流端だった場所なんです!
奇しくも1軒目も2軒目も、浜町川の歴史的境目で飲んだことになるわけです。たんなる偶然だったんですが、なんかうれしいぞ!
鯛とオクラのわさび和え、珍味三種などをサクッと食べて、再び浜町川へ。
その先、遅れて参加のM氏とかなりスムーズに合流できました。お互いに現在位置を知らせるでもなく、「川を下る/上るから」という言葉だけで出会えるってスゴイな~w
夜の問屋橋商店街を味わいます。こちら側はしんとしていますが、
反対側にはこのような海鮮立ち飲み屋があり(昼間の写真で失礼します)、かなり気になってました。店内、かなり賑わっており期待が高まったものの、人数制限があるようで「5人までだから」と断られてしまいました(6人だった・・・号泣)。
仕方がないので給水ポイント探しつつ下ります。浜町川から離れないというのが本来のルール(つっても自分で決めたやつだけど)なのですが、竃河岸だけは行かせて欲しいとお願いします。なぜかというと、
前回の記事のとき、”久松橋のあたりから竃河岸が始まっていた”という記述を見て、消防署の裏から始まるように書いていました(この地図で青線を引いているものの一本北の太い通り)。が、それよりも一本ずれているということが時層地図等により判明し、しかもその道が細道だったので、胸がきゅんきゅんしていたのです。
竃河岸に入ります(写真撮り忘れ)。飲み屋さんが数軒あって、給水し放題!と嬉しくなります。
竃河岸の段差だけはなぜか撮ってました・・・。
竃河岸沿いの飲み屋さんも給水ポイントとして許可します(竃河岸=浜町川の入堀なので広義には浜町川・・・)!ってことで、入ったのがごっつぉう。位置的には、元吉原の廓内です。
串天盛り合わせ。なんか、見た目に風流ですね~。今度はL氏、冷酒にしているようです。
・・・って、また揚げ物か!気づくと揚げ物を頼んでいませんか、この人たち。
竃河岸の後半はこのように極細道となっていて、非常にたのしかったです。
歌舞伎町の辺りにある、裏路地に似てる。
最後の一ブロックだけ入れなくなって、人形町通りとの合流点に回ってみるとこういう感じ。
もとは、ここから左に折れ、吉原の周囲をぐるり囲って、浜町川に戻る入堀だったのでした。元吉原が火事で焼けてしまい、浅草に移転となったさい、その入堀は埋められてしまいました。けれど、この向こうにあった蛎殻銀座のおかげで、竃河岸だけが水路としての寿命を延ばすことができたといわれています。今も、その名残がこんな風にたしかめられます。
ついでに人形町をぐるっと歩いて川に戻ります。いい感じの建物が多い!
酒つながりってことで酒屋さんをパシャリ。それから、この右側の路地を入ると、ワイン飲み放題の店もあります。
これこれ。暗渠沿いで梯子酒だなんて酔狂なことをしている一行に、おあつらえむきの店かもしれない。しかし残念なことに、ここは流路じゃないんですよ・・・だから寄るわけにはいかなかった・・・嗚呼実に残念です!
我々には浜町川を最後まで歩くという目標があります。浜町川に戻ります。
夜の緑道。
一人で歩くとちょっと怖い夜の緑道も、数人いるから、なんだか安心な気がする。
で、箱崎川と合流してゴール!と相成りました。
夜の箱崎ジャンクションは、昼間よりも「ゴウン、ゴウン」と音が響いてくる感じがしました。これ見て、川跡のときよりも興奮してる人も・・・
で、箱崎川支流跡もちょっと見て、
人形町に戻って打ち上げ飲みをしました。
なぜか袋小路の話で盛り上がるなど。それぞれ、ぎりぎり終電に間に合うように帰ったようですが、終電を逃して更に神田川を歩いたというS氏・・・お疲れさまでしたホント。他のみなさまも、最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!
※しかすけさん(←上記S氏のことですw)が、マラソン時に撮られた写真をUPしてくださいました。うーん、すてきな写真がいっぱい!!ぜひご覧あれ→”散策家しかすけブログ:浜町川日本酒マラソン” (しかも夜歩き続編もあるようですw)
暗渠酒マラソンシリーズ、焼酎、ビール、日本酒、という流れでやってまいりました。次はウィスキーかホッピーか、はたまたマッコリか?どの川、ってまだ決めていませんが、おそらく突発的に開催すると思うので、参加お待ちしてまーす。
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コメント
うえーん、、
参加したかったよう、、、
(T_T)
投稿: 大佐 | 2012年7月 1日 (日) 21時29分
>大佐
(;3;)
廓を囲む水路といい、近くに桜鍋屋さんがあることといい、新吉原との共通点ってあるなーとか思ったり。またの機会に是非参加を!
投稿: nama | 2012年7月 1日 (日) 21時45分
namaさんはじめ皆さま、あらためてお疲れ様でしたー。
自分は全然詳しくない地域だったこともあり、とても勉強になりました。
何より人と歩く機会が少ない身なので純粋に楽しかったです。
次の機会も是非参加させていただきたいです。今後ともよろしくです。
投稿: しかすけ | 2012年7月 1日 (日) 21時54分
>しかすけさん
お疲れさまでした!
楽しんでいただけて何よりです。ほかの人の視点や、発見、知識などが加わるのも面白いものですよね。
しかすけさんからも随分いろいろなことを教わりました。やっぱりあのメモのコピーもらっとけばよかった!
次回、いつかもどこかも決めてませんが、開催するときには是非是非~。
投稿: nama | 2012年7月 1日 (日) 22時14分
おつかれさまでした。
いい季節・いい時間に一緒に歩くことができてとても楽しかったです。
特にスタートの頃のあの空の色や街の色が印象的でした。(<酔ってなかったから記憶が鮮明なだけ?)
あ、それと最後の重層橋裏地帯、見上げていると頭がくらくらしました(<酔ってただけ?)
みなさん、どうもありがとうございました!
投稿: lotus62 | 2012年7月 2日 (月) 17時23分
>lotus62さん
メインランナーおつかれさまでしたw
うん、良い色でしたねぇ。
あと、浜町川の最後のほう(首都高の下)でlotusさんが喜ぶかと思いきや、川が終わってからのほうが興奮してましたよねww 川跡×橋裏よりも、橋裏いっぱいのほうがツボだったわけですね・・・いやー人それぞれですな・・・
投稿: nama | 2012年7月 3日 (火) 12時54分