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ふとみれば花街、谷端川境井田支流(仮)

ラムネ工場が川のほとりによくあるので、追っていた時期がありました(いや、今も追っているんですが)
花街も、同様。
そして、池袋には、三業地(=花街)と清涼飲料の会社が近接して在る場所があることを知り、ある日いそいそと行ってきたのでした。

ブログが書けない時期もあり、しばらく時間がたち、さてそろそろ記事化しようかと、地図を片手に写真を整理しはじめた、そのとき。
三業地のすぐそばに、もう暗渠としか思えない細い道が通っている・・・!!マイ地図にはこの道が載っていないので、現地では完全に見落としていました。そして、地形図を見てみると、きれいな谷戸がそこにあるではありませんか。
・・・これは、再訪して記事を練り直さなければ。

念のためストリートビューで確認すると、その暗渠の目と鼻の先で道路新設中のようで、街は至るところ歯抜け状態。もしかして、あの暗渠ももうぜんぶ道路に吸収されちゃったかな?ああ、もっと早く気付けばよかったな。少しだけでも、残っているかな・・・?
そんな気持ちで、本日さんぽに行ってまいりました。

Sakamap

さて、その場所とは・・・、水色の丸に囲まれた川跡です。「山手線」と書かれた場所が池袋駅です。住所は、池袋3丁目あたり。(グーグルアースと東京地形図より。lotusさん感謝!)

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池袋を西口から出て、劇場通りを北上します。初訪時は、池袋三業通りから折れましたが、今回はその手前で曲がります。

池袋の街って、ひどく造成された感と、とにかく人が多い感があって、普段はあまり近寄りません。ところが、今回のさんぽで、あらたな側面を見ることができました。たとえば、

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こんな風景や、

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こんな風景や(上に乗っているのはどういう状態なんだろう?)、

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こんな風景(鉄製だけど物干し?壁をぶち抜くほど重要なものだったはずなのに、ほっとかれてる感満載なのは何故?)。
・・・愛らしい。

さて、暗渠に近寄っていくとしましょう。新しくできつつある道路は、これです。

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嗚呼・・・、こんなに工事が進んでいるなら、今日見たいものは、もう原形をとどめていないかもしれない・・・と、思いもしたのですが、

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すぐそばにこんなふうにベコっと低くなっている場所があって、

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そこには川跡が待っていました!!
地形としてはこの手前側にゆるやかな谷頭のようなものがあり、そこに池でもあったかのような風情がありました。・・・ただ、水源については文献がひとつも見当たりません。後述しますがこの川自体、川として地図に姿を見せるのはただ一度のみです。
冒頭の段彩図のようにきれいな谷があるにもかかわらず、直接的な文献がほとんどなく、とてもマボロシ度の高い暗渠だと思います。

さあ、探検スタート!

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ずいぶんと大きいマンホールがはめ込まれています。辛うじて蓋が開けられるくらいに路肩が削られています。

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しかし・・・、ここ、狭い!!狭くて、たのしい!!
思わずしゃがんで、猫目線。

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ゆるくカーブしたりします。
ちょろちょろと、さらさらと、名もなき川がここに流れていたはずです。

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こんどは、路肩を削らずにマンホールがぎりっぎり!ぎりっぎり開けられます。しかし、以降、「これ絶対開けられないじゃん」というマンホールが続出します(分量の都合で割愛)。

暗渠上流部の探索中ですが、ワンブロックきたので、三業通りへ話を変えたいと思います。(今回、暗渠←→三業通りと話を切り替えるので、どうかおつきあいくださいませ。)
今来た道の少しだけ東に三業通りが並走しています。その入り口に、大きな染物屋さんがあったので、初訪時はこの道に川があったのではないかと(谷地形ではないんだけれども。むしろ願望で。)思ったほどでした。
いえ、染物屋さん以上の暗渠サインとして、わたしをこの地にいざなった主役は、この方でした。

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紅矢食品工業株式会社。酒を割る系の飲料をつくっている会社のようです。それ以上、わからなかったのです・・・これまで、ラムネ工場を追うときは、清涼飲料の組合(多くが地ラムネ工場)からリンクをたどっていけばだいたいなんとかなったのですが、この会社はネット上に情報がほとんどありません。しかし、本記事ではラムネ工場とほぼ同じものとみなしたいと思います。

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そして、このラムネ工場さんが面しているのが、池袋三業通り。飲み屋さんがい~っぱい見えます。昼間なので、ほとんど開いていませんが。夜はどんな感じなんだろうな~?
ただ、三業通りというわりに、料亭などがあまり見当たりません。

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ブッww
朝から歌えて飲めることを強調する飲食店ww(ただし2回とも開いてませんでした。)
でも、こういう店が池袋の西口に降り立った時から、目につくのなんの。「24時間営業」「夜を待たずに飲める」といった文句がしばしば見られる街、池袋・・・魅力的です。ふらぁっと、そっちに寄りたくなってしまいますw

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あぶないあぶない、そろそろ暗渠に戻りましょう。
工事のため歯抜けになっている場所に、辛うじて残っている駐車場と、辛うじて少しだけ残っている、壁。その横をすぅ~っと掠めていく川跡。

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ああ、すごい。なんてすごいんだろう。工事に負けずに、暗渠がしっかりと残っている。
右岸には大谷石の護岸のようなものまで残っている。なんといとおしい・・・。

・・・数年後か、来年か、わからないけれど、そのうちここには新しい道路ができて、ぴかぴかのアスファルトになるのだろうけど、もしかしたら川のところだけでも残っているのかもしれないのかな・・・?

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あれ、ペットを入れる籠のようなものが。(ロープに焦点合っちゃってますね;)

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あれ、誰かんちの布団が・・・。誰だ、ここ私物化してるのww
あたらしい道路を待つこの一帯は、結構長いこと放置されているのか、歯抜けのフェンスの中で草がぼうぼうと伸び、そこで鳩が自由に餌を食べていたりして、少しばかりノンビリした感じがしました。

・・・再び三業通りの方に話を戻しましょう。
「豊島区史」によれば、大正から昭和初期にかけて、池袋駅の東側に数十軒できた待合兼小料理屋は、やがて大塚三業地に吸収されたそうです。けれど、残る大部分は地元の反対もあり、西側の、現在の三業通りへと移転し、二業地の許可を受け、やがて三業地になったそうです。

Sak19

見番があったといわれるブロック近くには、料亭らしき店が何軒もありました。
三業通りに面しているお店は気軽な飲み屋さんが多いのですが、一本西側の裏(つまり暗渠側)にまわると、とたんにしっとりとしたお店がぽつぽつとあるのでした。

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かつて、そうだったであろう場所。

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今も、そうであろう場所。(このお店は”優良店”と書いてありましたが店の名前がわかりませんでした。いったい、どんな人がどんな風に使うのだろう?)

「東京花街・粋な街」によれば、現在池袋三業地で営業を続けている店は2軒だけとのことですが、歩き回っていると、もっと多くの名残を見つけられます。

それにしても、この付近はあまり”昼間に飯を食らう店”がありません。あれこれ練り歩いて、一軒だけ開いていたので初訪問時に入ったのが”山源”。

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焼魚定食、750円でござい。
アジの塩焼き、ごはん、お味噌汁、漬物。小鉢が凄い・・・マグロとホタテの刺身、かぼちゃの煮物、冷奴。ええ、刺身が小鉢!うれしいなー、これ!
おいしいし、良かったのですが、このとき自分が座っていたのがカウンター。狭い店内の真後ろに、野球のユニフォーム着たおじさん数人と、その奥さんと子どもと、おじいちゃんおばあちゃんの数家族の団体(しかも常連)客がいて、なんというか、ここ居てイインデスカわたし・・・という気持ちで食べてました。いや、旨かったのよ?

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暗渠に戻りましょう。図書館の脇を過ぎると、またさらに狭くなっているように感じます。

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思わず、また猫目線です。
家のつっかえ棒(新)が気になります。

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家のつっかえ(旧)。・・・もしかしてかつては川がもっと幅広くて、家がせり出していたりしたんでしょうか?

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道路を挟むと、そこには積まれた木材と暗渠猫が。
てっきり材木屋さんだと思っていたら、これは栄湯というお風呂屋さんだったんですね。マイ地図に載っていない銭湯だったので、やや面くらいました。四角くて茶色いえんとつがにょっきり!

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栄湯のさき、右岸の高台(軽めの)には、御嶽神社がありました。その境内に入ってみると、遊具スペースがあって、キリンがこわい・・・その後ろに控えるロバ2匹も、のっし、のっしとこっちに無表情で近づいてきそうでこわいw

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御嶽北公園のゾウもこわすぎるwww

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三業通りの床屋さんでは鳩が飼われていて、これはかわいいです。

Sak30

さあて、暗渠はそろそろ河口が近いです。ラストの直線。
実はこの付近、左右に牧場にありました。この場所から1ブロックほど手前の左岸に鈴木牧場が、この場所のほぼ右手に和田牧場があったみたいです(「ミルク色の残像」より)。

豊島区はかなり牧場の多かった地区ですが、そのなかでもこの近辺ではこの2軒のみで、それが両方ともこの川沿いでした(井戸により水を賄う牧場もあったということなので、すべてが川沿いではないはずだけれど)。少なくともこの2軒は、この川の水を牧場の運営に使用していたことでしょう。

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ずっとアスファルトの地面だったのに、最後になって初めて、蓋がけの痕跡のようなものに出会いました。

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いよいよ谷端川に合流します。
最後・・・、ん?

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なんかちょっと橋っぽいものが?
そして、その手前にちょっとした穴が。この穴から中が見えないかと思ったけれど、見えませんでした;

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谷端川緑道にいた猫と遊んで、そして、駅へと戻ります。

あたらしく出来る道路には、下水道も新設するようでした。
ヒューム管やら、合流部の桝っぽいものやら。
すぐ横にも、あんなにすてきな下水道が通っているのにな、なんて思いながらも、下水道の部品にはちょっと見惚れます。

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帰りに豊島区立郷土資料館で買った、「歴史をたずねて 豊島区の文化財」の池袋村を拝借。書き込んだ水色の線が、今回の流路です。
河口部分がかつての地名を「境井田」、流路に対して左側が「大上」、右側が「下上」、そのあたりの字が「上」といいます。下上ってどうなんだ・・・。こうくると、ここは「境井田支流(仮)」としかつけようがない気がします。
流れ込む谷端川の少しだけ東に、クィッと曲った支流のようなものがあって気になりますが、おそらくはこれも境井田支流(仮)の下流部です。境井田支流(仮)が水路として描かれている唯一の地図、明治初期の古地図では、流末は二股となっていて、その片方がこのカギ状の流れに相当するようでした。

江戸時代の池袋村の絵図(「豊島郡の村絵図」より)を見ると、御嶽神社が描いてあり、境内の西にある道に橋が架けられています。位置的には境井田支流(仮)のための橋と考えてもいいかと思います。この小川が、どんな風に人々と関わっていたかはよくわかりませんでしたが、昔からある自然河川なのでしょう。牧場、銭湯、花街、ラムネ工場、染物屋と、暗渠沿いで自分が好きなものをほとんど含んでおり、そして非常に狭いという、私的にはすばらしい暗渠でした。
・・・今回は、上流から下流に話をもっていきつつ、東の三業通りの話を挟む形式にしましたが、実際にさんぽをする場合は、暗渠を下って、三業通りを通って戻ってくるとたのしいと思います。

帰ってきたからわかったことは、ここ、去年猫またぎさんが記事にされているということと、ふろっぐねすとさんにも載っていたらしいこと。猫またぎさんが撮っていた写真と、自分が使おうと思っていた写真が面白いくらいに被っていました。なので、被りが少ないように編集しなおしましたw
偶然にも同じ、境井田支流(仮)と名付けられていました。

さて。再訪時にももちろんご飯は食べています。池袋、西口と言えば中華街w
以前タモリ倶楽部で見た、知音中国食品の、スーパーマーケットの傍らにあるイートインコーナーで中華でもしゃれこむか、と思ったら閉店していました。
なので、わりと近くにあった知音食堂でランチ&酒。

Sak36

麻婆レンコン。うまい。

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担担麺、これがまた独特。
ゴマ要因を「ピーナツ」がひとりで担い、辛要因を山椒よりも唐辛子がほとんどを担い。けっこう辛いんです。麺は家系みたいな太めの麺。ニンニク、しょうが、ニラなどが効いてとても良い匂いとうま味があるので、辛いんだけど、食べちゃう。そんな麺でした。

最後に、中華食材店があったので、花巻や冷凍春巻を買って帰りました。
ラムネ工場を追って始まったこの旅は、たくさんのお土産をくれて、池袋が大好きになるすばらしい旅でありました。

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コメント

「写真がカブりまくり」という前触れだったので、その心構えでおりましたのに、別の場所みたいに全然違う写真じゃないですかw
三業地という別な視点も入って、深みが全然違う!
同じなのは、途中で1回、最後に1回、猫に会ったことくらいでしょうか。

この暗渠、すごくいいのに訪問者が少なかったので、お仲間が増えて良かったです。

投稿: 猫またぎ | 2012年3月 5日 (月) 19時08分

>猫またぎさん

いやいや、最初使おうと思ってた写真から変更したんですよww
もともと三業地メインで記事にしようとしたネタですからねぇ・・・横にこの暗渠があって本当にうれしかったです。適当に歩いていてココ見つけたら、さぞかしうれしいでしょうね~。

猫、ここら辺けっこう居ましたよね。猫またぎさんが撮ってたハチワレちゃんに似た子も居ましたよ。本人だったりして。

投稿: nama | 2012年3月 6日 (火) 17時18分

記事が魅力的だったので触発されて行ってまいりました。狭いですねー。その狭い暗渠の横に銭湯、たまりません。こうしてみると池袋の繁華街は台地の頂上にあり、その周りに住宅地、谷戸筋は昔は牧場、今は町工場地帯というのがよく分かりますね。
リンクの猫またぎさんの記事も見落とした場所の復習にもってこいでした。
しかしここは暗渠アプリ(by lotus62さん)が銭湯とクリーニング店と病院くらいしかなく、他は並行する三業通りに集中しているのが気になりました。というか山腹を走る三業通りのポジションが謎めいています。また行きたくなってまいりました!

投稿: 大石俊六 | 2012年3月25日 (日) 09時43分

>大石俊六さん

こんにちは~。おお、池袋まで行かれたんですか!狭いですよね~、たまらないですよね~w
そうなんです、位置関係については仰る通りで。ラムネ工場が三業通り沿いでしたし、川は近いんだけども、うーんここか、みたいな微妙な位置なんですよねぇ。今回は近くにあったってことでまとめちゃいましたけど、もっと調べたら面白そうな気はしてます。また行かれて、なにか気づきがあったらぜひ教えてくださいねw

投稿: nama | 2012年3月25日 (日) 17時12分

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