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サッカー通りはスリバチ通り?

いつだったか、しかすけさんが1つ30円くらいのコロッケを買ったというので、すごく食いついてしまったのです。
そして教えてもらったお店は、わりと職場の近くだったのです。とはいえ活動圏ではないので、しばらく行かれませんでした。

ある日、ついにコロッケを買いに行ったら、あれ? あそこに谷があるぞ?

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写真だとわかりづらいかもしれませんが、セブンイレブンあたりの交差点が谷底です。その角にあるイタリアンに何回か来ていたのに、なぜ気づいていなかったんだろうか。。

そして、その谷底交差点を曲がると、また。
今立っている場所は谷底のはずなのに、右手にまた同じような景色が見えるのです。

今度はあそこが谷底になってる・・・

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この通りは、文京区にある金花商店街、あらため、サッカー通りです。サッカーミュージアムがこの通り沿いにあることは知っていましたが、サッカー通りという名だとは。でも、すごくわかりやすい名前ですねw 個人的には金花のほうが情緒があって好きですが(金花は、商店街の在る旧町名、金助町と新花町から一文字ずつ取ったそう)・・・。

見えている谷底をまた目指します。

この坂は、「文京区の坂道」という資料によれば、傘谷(からかさだに・かさだに)坂という坂です。むかしは傘をつくる職人さんが住んでいたとのこと。
「坂」というと、一方向へ傾斜しているイメージですが、ここはこんな風に谷の上り・下りワンセットとなっており、ちょっと珍しい気がします。

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いちばん低いところへ下りて行くと、右を見ても上り坂。

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後ろを向いても上り坂。

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左を向いても上り坂!?

・・・え、当然、前を見ても上り坂だし、もしかしてここは緩やかな1級スリバチだったりするのでしょうか??
えー!すごい、こんなところに1級スリバチが?か、会長ぉぉぉ!

・・・一応、前方に同じくらい低い標高の場所があったので、その道も見に行きます。

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すると、そこでも、右を向いても上り坂!
えええ、こんな地形ってあり得る??

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ちなみに、このスリバチの谷底には目的地の肉屋さんがあるのでした(そういえば、しかすけさんもこコロッケの説明のときに「谷底にあります」と書かれていたんでしたww)。

コロッケ、待っててね、もうちょっとだけ待っててね。

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さて、一番低い地点の最後の道。左を見ると・・・、
ああ、こっちには水の出口がありました。なんだか、がっかりしたような、ほっとしたような。

司馬遼太郎の「街道をゆく 本郷界隈」に、傘谷坂についての記述がありました。

傘谷坂を南から入ると、坂が北に向かってくだっていることがわかる。左手の湯島幼稚園の門前を通りすぎてくだりおわると、こんどはのぼり坂になる。
頭上に、雨雲があった。雨脚がひどくなってきたので、軒下に入って雨宿りをした。雨はやみそうになく、目の前の谷(下って上る折れ目)が、みるみる水溜まりになった。

・・・まさにこの場所のこと。雨水が出口をすぐに見つけられなくて迷い、溜まっていく感じが描写されています。

後で地形を見てみると、

Yusimap

こんなふうになってたんですね!googleさんありがとうございます。

これはもう、立派な谷戸ですね。流れ込む先は、東の低地。古石神井川の支流だったでしょうか、それとも、この辺が海だったときの小さな入り江だったでしょうか、それともその後に流れ出した一本の短い川なのでしょうか。この短い暗渠に関する情報は、今のところ見つかっていません。今は流れる先が、迂回しつつも神田川しかないように見えるので、一応神田川支流の扱いで、金花支流(仮)と勝手に呼んじゃおうかなと思います。
後日追記:金花支流(仮)もいいけれど、傘谷からとって「傘谷支流(仮)」もいいかなと思い、コメント欄でのやり取りを経て「樹木谷支流(仮)」もアリだなと思うようになりました。
ちなみに、ブラタモリ(江戸の食)によれば、この谷の河口部にかつて田んぼがあり、神田の由来となったとのこと。

ちなみにgooの古地図、明治時代にはこの水路が部分的に載っています。

あ、・・・コロッケ。

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これこれ、これを買いに来たの。一徳精肉店の揚げ物。おっちゃんが、初見のわたしに向かって「天気が良くなって、良かったねぇ!明日もよろしくね~!!」と明るく話しかけてくれる、気さくでよい店でした。
コロッケ40円、メンチ80円、ハムカツ60円。(しかすけさんはたしかコロッケ3個買っていくらって話でしたね。)

コロッケは、じゃがいもと玉ねぎだけなのだけど、玉ねぎのシャリシャリ感が手作りっぽくてとてもすてき。メンチは、小ぶりだけどしっかりとおいしい。おやつにバクバク食べたい感じの味。ハムカツも、ほっとする味。満足いくコスパで、近所にあったらいいのになぁ、と強く思うようなお店でした。

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もう一軒、この通りには寄りたいお店があります。
けっこう有名店かもしれませんね、オザワ洋菓子店。ここの、”いちごシャンデ”がめちゃくちゃベッピンさんなのです。
クッキー、いちご、生クリームの上にチョコがかけてあって、その構成要素だけでもうかなりかわいい。見た目もキノコみたいで実にかわいい。こんなにかわいいお菓子があって、いいんだろうか。

・・・いままでずっと、”いちごシャンテ”て読んじゃってましたけど。間違ってたのね、自分。会話でも思いっきり”シャンテ”って言ってました・・・恥ずかしい。でも”シャンテ”のほうが雰囲気に近い感じがするんだけど。

ビールに合わせる揚げ物と、このかわいいお菓子を買い、満足して商店街を後にしました。

結果、出口はあったので1級スリバチではありませんでしたが、りっぱな2級スリバチであると思います。また、傘谷坂を下っているときの疑似スリバチ感が、なんともいえずたのしい地だと思います。
コロッケ目的で訪れたサッカーな街の、意外な発見でありました。

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1-8 さんぽ:その他の神田川支流」カテゴリの記事

コメント

紅葉川の長期連載、ごくろうさまでしたm(__)m。たくさん楽しませていただきました~。

うろ覚えなのですが、ここって、湯島の樹木谷(地獄谷)と呼ばれていたような。東京には、樹木谷(地獄谷)が三箇所あるのですが、どこも見事な二級スリバチです。麹町のは埋められて浅くなっていますが。

投稿: sumizome_sakura | 2012年3月28日 (水) 00時29分

>sumizome_sakuraさん

ありがとうございます!自分は明治以降が好きだからって、江戸の史料を見なさ過ぎていました。本を紹介下さりありがとうございました。

あ、惜しいです。樹木谷はもうちょっと南東みたいです。見事な2級スリバチでしたか。もしかしたらそっちは通ったこと無いかもです。
麹町の地獄谷は通りました。あそこ下流部は結構な谷なのに、途中から谷感が無くなっちゃいますよね・・・

投稿: nama | 2012年3月28日 (水) 22時38分

こちらの谷戸、短いながらマッチョな形で非常に面白いですね。やや神田川に平行している点も濃くて興味深いです。
からかさ谷と言うんですか。サッカーファンですので
ミュージアムには行った事有りですが、全く知りませんでした&長いこと区民でしたのに・・
いつも本当に勉強になります。

投稿: 谷戸ラブ | 2012年3月30日 (金) 17時54分

>谷戸ラブさん

マッチョですよねぇ。神田川の方に行くと見せかけて、東にいくところも思わせぶりで憎いですよねぇ。
サッカーファンでしたか!自分はマルティン・ヨルゲンセンとモンテディオ山形くらいしか応援していなかったのでミュージアムには行ったことがありませんでした。こんな場所が意外に面白い、って感じで穴場かも知れません、ここ。

投稿: nama | 2012年3月30日 (金) 22時37分

ああ、樹木谷は南東の方ですか。どこかで樹木谷坂が「樹木谷へ下りる坂」だとあったのを読んで、谷全体が樹木谷かと思っていました。雨水がうまく出られずさ迷う感じも、いかにもそれらしかったので(笑)。

お勤めの方もごくろうさまでしたm(__)m。

投稿: sumizome_sakura | 2012年3月31日 (土) 21時48分

>sumizome_sakuraさん

ありがとうございます。

あ、そうなのですか!もし樹木谷が樹木谷坂の下にある谷なのだとしたら、この川の下流部が樹木谷にあたるのかもしれません。とすると、先日のブラタモリで出ていた「清水坂」の清水が注ぐのも樹木谷ということになりそうです。
通して歩いていないので、傘谷と樹木谷がほんとに繋がっているか把握できてませんが、繋がっているとすると、この谷は樹木谷でもあるかもしれないですね。あやふやなままで失礼しました。・・・いつかまた検証しに行きたいと思います。

投稿: nama | 2012年4月 7日 (土) 22時54分

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