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西荻窪ひみつ暗渠 松庵川のおもいで

松庵川の情報は、とても少ないです。HONDAさんが「幻の川」と表現するように、とても少ないです。書いてあるものといえば、「杉並の川と橋」、それから杉並区郷土史会会報、それから少しの古地図。

ただし、現地には痕跡がある(しかもとてもおもしろい)ので、歩くことをたのしみながら、あれこれ想像を膨らませまくる、そんな風に見てきた川でした。

今回、ちょっと情報が増えたので、該当する場所にだけ行ってみることにしました。

西荻窪で降り、南方向へと歩きます。

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暗渠の前に・・・、長崎亭跡地。
長崎亭のちゃんぽん、香ばしい風味で美味しかったのにな。去年も、食べに来たのにな。閉店してしまったそうです。

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松庵川の、今回の目的地以外はパトロール気分で眺めます。

上流部、健在です。

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線路の方向からやってくる支流も健在ですね。

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お!家があったはずの場所が駐車場になっています。もちろん入ってゆき・・・
タナボタで見られた開渠がこれです。

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後ろを見ると、井戸の残骸もありました。
向こうに向かって、ゆっくり動き出す空母のような。

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西荻と言えば、M学苑。誰しも一度は、電車の中の広告を「なぜ、これ?」と思いながら見つめたことがあるでしょう、M学苑。その、M学苑の建物の脇を覘いた写真がこれ。
M学苑の真後ろを、松庵川は通ります。

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以前からある駐車場の、奥の開渠もパトロール。

あれ、赤い鉄板蓋がある。一部は暗渠だったのか~、ここも。
わはは、座椅子蓋もありますねw

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開渠はそよかぜ通りへと流れこみ、暗渠となります。

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天狗湯の横にあるコインランドリー前に、こんな蛇口がありました。
どうやら地下水を提供してくださるようなのですが、貰う量はほどほどにしないといけないのですね。・・・そんなに大量に持ってく人がいたのですねぇ、きっと。

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天然石・半身浴コーナー、ミルク風呂、W噴出立ちシャワー、歩行コーナー、アロマテラピースチームバス・・・天狗湯、よくみるとけっこうすごい。

そして、そのすぐ先に、高井戸第四小学校があります。今回の目的地は、ここ。
高井戸第四小学校は、松庵川ととても縁のある学校です。その昔、学校の敷地は低くなっていて、松庵川が雨天時にあふれると水が溜まっていたそうです。畑にも出来ず、ゴミ捨て場のようになっていたところ、盛土をして学校にしたそうです。

近所の方の話によると、むかしは松庵川にも鯉、鮒、ざりがになどがたくさんいて、子どもたちもよく遊んでいたそうです。菖蒲が咲いたり、ホタルが飛んでいる光景もここにあった、と。

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見たかったものは、これです。校庭にある丸い池。これ、松庵川暗渠に使用されているコンクリート管なのだそうです。
後述しますが、氾濫時の松庵川にはなかなかすさまじいものがあったようで、近隣の方々はだいぶお困りだったようです。昭和46年についに、3億円かけて暗渠化がなされたとき、高井戸第四小学校では余った下水管をもらって、この池にしたのだそうです。
・・・直径二メートル以上はあろうかという、なかなか大きい管。松庵川の歴史の一部は、こんなところに眠っているのでした。

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そこから流れ出した水が、短い川のようになっています。きれいだったころの松庵川のイメージなのでしょうか?
なんと流末は松庵川暗渠に注ぐのです。

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手前に井戸がありました。地下水を汲み上げ、これをさきほどの流れに回しているようです。

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松庵川、という名は、杉並郷土史会会報において田中士郎氏が書いたもの(「観音川と松庵川」)が初出と思われます。ほか、呼び方としては「大宮下水溝」「大宮前下水」などがみられます。
いっぽう、西荻南~南荻窪~宮前~松庵あたりに住むひとびとにとっては、ここは大正のころは「悪水堀」だったり、昭和では「宮前ドブ」だったり、たんなる「ドブ」だったりという呼ばれ方であったようです。

「雨といえば、高四名物”悪水ぼり”のはんらんー」なんていう記述もありました。たらいに乗って学校に来る子もいたそうです。善福寺川が増水して逆流すると、ナマズが押し上げられてここまできた話。正門前の橋が流され、近所が床上まで浸水する話。近所の金魚屋さん(もしかして、ここかな?)から金魚が流れ出し、ドブに住み着いた話・・・
氾濫がひどい時には、近所の人は高井戸第四小学校に避難しに来て、伊勢湾台風のときには130名近くの人々が2週間も避難していたそうです。かつてはその水が溜まっていた低い場所を、盛って学校にして、こんどは行き場を失った水で困って、学校に助けられるという流れが少し皮肉なように感じますが。。。今じゃもう水はあふれないし、小学校は避難所としての機能を残し、地元の人を守っています。

昭和51年に、暗渠の上にいまのような植え込みが作られ、高井戸第四小学校のみんなで名前を考え、「そよ風通り」となったといいます。・・・そよ風通り・・・。ドブに困らされたこの地域の方々の思いが、詰まっているような気がします。

今回、見たかったのはここまでだったので、西荻の駅に戻るとします。

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カエル設計、という気になっているバーを偶然見つけました。
カエルグッズがいっぱいで、たのしそう。

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で、雑貨屋巡りでもしようと、ふらふら歩いていて、ふと横を見ると、あれ?あんなところに谷がある。高井戸四小のやや西に、このような谷地形がうっすらとあって、支流の存在を思わせます。

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といっても、暗渠サインはまるでなく、よくわかりませんでした。谷は、ここをゆるゆる下って松庵川へ・・・。

謎の多い松庵川。こんなふうに、ちょっとずつちょっとずつ、秘密を解き明かしていく感じがまた、おもしろいと感じました。

さあ、お昼ごはんにしましょう。

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以前、美容師のSさんという方にお勧めしてもらった、女子大通りの彩虹です。その方曰く、「どれも丁寧に作ってあって、何を食べてもおいしい」とのことでした。

鶏の唐揚げ薬味ソース。ネギのほかにパセリの入ったソースで、さわやかにおいしい。もちろん唐揚げもおいしい。

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あと、ゴマ辛みそ麺セット(910円、焼売2個とミニ炒飯つき)の、炒飯が特に美味しかったです。上に乗っているのが、グリンピースではなく枝豆なんです!なんかうれしい!そしてチャーシューがいっぱい入っていて、ラードの風味がたっぷり。

丁寧につくって下さる分、待つ時間も長めなのですが、じゅうぶんその甲斐のあるお店!でした。

<参考文献>
杉並郷土史会会報第127号
杉並郷土史会会報第131号
荻窪小学校創立30周年記念誌「おぎくぼ」
高井戸第四小学校創立40周年記念誌「わたしたちの高4小」

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コメント

こんばんは。
以前西荻暗渠の記事で第二喜志の湯についての書き込みをした者です。また遊びに来させていただきました!

この記事を読んでいて改めて西荻は水に満ちていたんだなと気付かされました。住んでいた頃は恥ずかしながら善福寺川くらいしか知らなかったもので…。
大宮前公園あたりの道路の謎の道には違和感を感じてましたが暗渠だったんですか。
逆に今は暗渠とは無縁の湧水がたくさん流れる西武池袋線の東久留米に住んでいます。

探索といえば私も父と幼い時西荻から阿佐ヶ谷の高架線を歩いて中央線の地上線時代の名残を探したことがありました。数年前まで西荻の高架下には枕木の柵や架柱の一部がありましたが今ではほとんどありません。

高四と天狗湯懐かしいです。ちなみに私高四出身です。井戸で遊んだり池の周りで走り回った思い出が甦ります。昔は校門付近に大きな桜の木がありまして春にはとても綺麗でした。
第二喜志の湯の蛙蛇口ですが、口からは出ず単なる置き物で、後ろからお湯が流れる形でした。置き物は親蛙の背中に子蛙が乗っかっているかわいらしい物です。
http://homepage3.nifty.com/frog/kamata/kamata.html
上記サイトの写真が近いです。
以前住んでいた家の庭には雨の日に蛙が度々顔を出してて父と眺めたことがありましたね。ひたすらじーっと雨に打たれていて滝に打たれて修行している僧みたいでした。多い時は3匹くらいいたかな?しかし雨の上がった翌日は、道路を横断しようとした蛙達の無残な姿があって父と悲しむこともしばしば…。何故横断しようとするのでしょうね。

炒飯おいしそうです。枝豆入りというのが良いですね。是非立ち寄りたいです。

長文乱文になってしまいすみません。

投稿: 元高四っ子 | 2012年3月23日 (金) 14時30分

コメントがダブってしまいました。申し訳ありません。
どちらか削除していただけませんか?

投稿: 元高四っ子 | 2012年3月23日 (金) 14時33分

>元高四っ子さま

また遊びに来ていただき、どうもありがとうございます!コメント、1つ削除しておきました~。

なんと、高四のご出身でいらっしゃいましたか!嗚呼、この池も井戸もご存じなんですね~。松庵川ととてもお近くだったんですね。

わたしも、西荻に住んでいたことが少しだけあるのですが、その頃は同じく善福寺川しか知りませんでした。松庵川沿いには、違和感のある道がところどころありますよね。
今は東久留米でいらっしゃるんですね。黒目川など、行ってみたいと思う場所がいっぱいあります。

地上線探索面白いですね。中央線は高架になってからしか知りませんが、名残がありましたか。・・・数年前というと、わたしが住んでいた頃にもその名残はあったかもしれないのですね。知りませんでした。

蛙の蛇口拝見しました。これはかわいい・・・。東京に来て、アマガエルに殆ど出会わなくて残念ですが、暗渠沿いでのそのそ歩くヒキガエルには出会ったことがあります。蛇口の蛙、ちょっと似ています。

炒飯もおいしかったですし、他にもいろいろ美味しそうでした。親子二代(少なくとも)にわたって営まれている街の中華屋さんです。ぜひ行かれてみてください。

ではでは~。

投稿: nama | 2012年3月23日 (金) 17時54分

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