ゲゲゲの湧水 前編
復活したつもりが、また休止状態になってしまいました。今年はどうも、そんな感じですみません。そろそろ、またぼちぼち、記事を書いていこうと思います。
さて先日、深大寺の湧水などをめぐるツアーに参加してきました。そんなわけで今日は暗渠よりも湧水のほうが多い記事になると思いますが、さわやかに再開、ってことでw
集合はつつじヶ丘。
つつじヶ丘となると、手持ちの地図には載っていないゾーンとなり、途端にアウェー感がグガッと増します。
そしたらちょうど、駅前で観光マップを配ってくれてました!わーい!
これ、去年調布を歩いたときにはなかったものなので、ゲゲゲブームの勢いで、きっと最近出来たばっかりってことなのでしょうね~。うれしいです。
集合時間まで1時間ほどあるので、ご飯を食べます。
いい感じの食堂、「一休」を見つけました!
つつじが「丘」の、「富士見」街、にある定食屋さんです。むかしは、さぞ景色の良いところだったんでしょうね。
一休の定食、いろいろ迷いましたが、焼きサバにしました。前日寝る直前に読んだ、酒のほそ道で、宗達がさんざん美味しそうなサバを食べていたからだと思われますw
ごはんはがっつり。酢の物もついて750円。満足なお昼ご飯となりました。ガテン系のお兄さんたちがいっぱい来ては(つつじヶ丘の駅は只今新築中)、モツ煮定食にご飯大盛りを食べていくようなところでした。
そんな感じで元気をもらって・・・、いざ、ツアー開始。
まず、入間川(いるま、ではなく、いりま。imakenpressさんが探求されていました)を渡り、国分寺崖線に沿って歩いてきます。
すごい階段がいっぱい。
テクテクあるき、崖をのぼり、実篤公園へ入ります。
実篤公園にはいると今度はわりと急な下り坂で、降りると池が見えてきます。
これが湧水池、”上の池”で、感嘆ものでした。写真奥の、囲いがないところがおそらく湧いているところだと思われます。
池の水はぴたりと止まっているように見えますが、みごとな透明度で、水底のザリガニも労せず見つけられます。
さらにおどろいたのは、池で飼われている魚が、に、ニジマスのようなもの!!
鯉でも鮠でもないんですね、マスなんですね・・・なんてすてきな。
水路にニジマスなどを見つけるとすぐに美味しそうと思ってしまうわたしですが、もし自宅の庭園の飼いニジマスだったなら・・・うーん、それは食えない気がする・・・悶々
道を挟んでもうひとつの”下の池”のある庭へと移動します。
武者小路実篤は子どもの頃から、水のあるところに住みたいと思っていたとのことです。もともと好きなひとでしたが、もっと好きになりました。
ちなみに、この隣にある実篤記念館に行くと貴重な実篤マンホールが見られるそうなのですが、この日は記念館には寄りませんでした。
さて、さきほどの湧水池の水はどうなるのかというと。
実篤記念館の前の、この道路を奥から手前に向かって暗渠として流れ、手前にちらりと見える植え込みのある違和感空間を渡って、
ここ、入間川に流れ込んでいます。
入間川実篤公園支流(仮)って仮に呼んでしまいます。
そうそう、入間川、なぜか最近えいはちさんも書かれてます。えいはちさんは丁度この上流(京王線の線路の北側)のへんな境界線について書いてますが、わたしも今回調布の地図を見てそれが気になってました。・・・最近、他の方のブログもとんと読んでいないもので、帰ってから「あ!」と思ったわけですが・・・
実篤公園からの支流は、こんな感じで吐口からダバダバーーーっと出ています。いや、ダラダラ―っと、かな。
きれいな水・・・のはずなんだけど、なんかよくわかんない感じになってますねw
それにしても入間川、ハシゴが鉄製?で、妙にくねってたかと思えば直角に曲がったりして、ちょっと変わり者の印象。
それから、ハシゴの位置が高いのか、妙な圧迫感を感じます・・・
さて、一行はバスに乗り、深大寺方面へイッキに向かいます。
深大寺給水塔。
通り道には、深大寺用水の暗渠っぽいものがありましたが、今回のツアーでは完全にスルーです。
2つ目の目的地はここ。都立農業高校神代農場!
湧水の本にはよく載っており、見学もできるのですが平日なので、いままで「憧れの地」だったところです。
今回は土曜日なんだけれど、特別にツアーごと入れてもらえるのでした。ッシャ!
高校の敷地は思いっきり谷戸です。この、地図はそのまんま谷戸なのです。
湧水池、わさび田、養鯉場、養鱒場・・・、看板を見ているだけだというのに、このワクワクすることといったら!
ツアーの方いわく、ここだけで4つの湧水点があるとのことでした。
しかし後から調布市湧水調査報告書を見てみると、調査はこの敷地のうち4か所で行われているけれど、それは全体の湧水量を測ることが難しいために4ポイントに絞っているだけのようです。また、”農場全体で湧水の染み出しや、染み込みがあると考えられる”と記述されています。こちらを参考にするならば、この地の湧水点は、無数・・・!ということに、なります。なんとまあ。
看板の脇から、もう深い谷です。
上手く撮れなかったけれど、ここが谷頭です。この谷は、道路のすぐ横から始まっていて、そして最初っから大きな湧水池があります。
この写真の奥、水門のようなものがありますが、はじめそこから湧いているかと思いましたが、後で資料を見ると、ここから水路を下流へと引っ張っているようです。
谷は両側を木々に囲われていて、肉眼でも谷底がよく見えなかったりします。それがまた、神聖な感じがして、高校に潜入しているということとあいまって・・・ふはぁー
続いて、こんな空間が見えます。旧ワサビ田のようです。
ちなみに、ここはかつて、軍の射撃練習場(青年、初心者向け)だった時代があるそうです。戦後払い下げられて、その後都立高校の敷地になったようですが、そういえば以前、岩手大学の敷地内で、やはり谷に初心者用の射撃練習場があったのを思い出しました。笄川にもそういう所があった筈だし・・・、安全性の面からなのでしょうか?(音はかえって反響しそうだけどなあ)
それにしても、自然環境を保全しているだけあって、むせかえるほどの「自然」です。
谷底に降り、徒歩で入れる上限まで来てみました。
ここは現・ワサビ田です。
清冽な水がどんどん流れていきます。
もちろん、底の石ころを数えられる、上級の透明感。
これは現・ワサビ田よりも上流側、左岸方向を写したもの。
なんてことない空き地に見えるかもしれませんが、これも池です。なんという膨大な量の湧水池・・・
この、注ぎ口から水がダバダバと溢れているのでした。
これもさらなる上流の、右岸方向です。
・・・ためいき。
さて、今度は下っていきます。
敷地の中央部には養魚場があります。
鯉が悠々。
水のうつくしさは言うまでもありません。
その、養魚場へ導水している暗渠の水路があり、そこを覗くと、こんな感じでした。
魚のいない場所も多かったです。植物もむしろ何も育ってはいなくて、高校の方が「今はな~んもないから、全然面白くないでしょ?」と言ってらしたのですが、いえいえ全然面白いです!全力で面白いです!!むしろ豊水期なんで最高っす!!
・・・この、何もいない池に、しとしと注ぐ、こんな流れを見ているだけで、唸っちゃうのです。
これらの湧水をあちこちに導く暗渠の、蓋がこんなに苔むしていました。
都内でこのような蓋があったら、きっと近寄りがたい雰囲気であることでしょう・・・が、ここは本当にさわやかで、無味無臭!(味は知らないけど)
・・・そんな風にあちこち堪能していたら、わたしの僅かに露出していたくるぶしに、虫さされが8個もできていました。
この、神代農場からの湧水は、マセ口(ませぐち)川となって、野川に注ぎます。マセ口川水源を、次回もまた少しご紹介して、そして深大寺の湧水たちへと移りたいと思います。
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コメント
何と、私も最近入間川に行ってきましたので、予期せず入間川ブームが起きていたのですね!
入間川は、全部たどると結構大変なことになってしまいますが。
2日かけて回ってきました。
投稿: 猫またぎ | 2011年11月 8日 (火) 18時41分
>猫またぎさん
猫またぎさんも入間川へ! やはり早朝から日没までいってらしたのでしょうか?w 記事が今から楽しみです。
それにしても、なぜいま入間川に何人も暗渠人が行くのかw、なんとも面白いですね~~。
投稿: nama | 2011年11月 9日 (水) 10時31分
おっ今は入間川がアツイんですか。そう聞くと私もふらふら~っと行きそうです。
透明な水はいいですねえ。しかもダバダバ。
それにしても実篤公園支流(仮)あたりの入間川はなんかこう「鉄骨でなんでも支えきるぞ!」という決意を感じますね。
投稿: 俊六 | 2011年11月12日 (土) 03時24分
>俊六さん
こんばんわー。なぜか入間川でしたねぇw のどかな景色も多いし、いまの季節っていうのも良いのかも知れません。
この鉄骨は最初圧迫感を感じましたが、そうか、支えるぞの決意ですか・・・w なるほど力強さを感じます。オラオラオラオラオラ!って言ってる気がしてきましたw
投稿: nama | 2011年11月13日 (日) 22時13分