紅葉川をねちねちと歩く その8 本流~本塩町支流(仮)
紅葉川をどんどん下ります。
前回は、策の池から流れ出る支流を追いました。今回は、そこから本流を少し下って、右岸に出現する支流を遡りたいと思います。
荒木町を通り過ぎ、津の守坂通りを越えると、ちょっと前まで右側にあった切り立った崖はだいぶマイルドになり、住宅街の広めの道を進むことになります。
このようにゆるく蛇行する以外は目立って暗渠感はありません。
ところが、そのカーブの先にある桝箕稲荷神社はこのようにちょっと風変わりな建ち方。
神社の両脇に細い道があるのだけど、神社の前後には太い道が走っているから、なんだか神社だけがポツンと島になっていて、違和感がありまくりです。
「島」っぽさを思わせるものとして、神社の隣にじめっとした公園があります。そして、古地図を見てみると、この公園はむかし、池だったのでした。
ここは、紅葉川と池の辺。ずいぶん湿っぽいわけです。
ちなみにここに行くといつも、猫がいます。人慣れしていて、椅子に座ると隣に座ってくれるほど。茶色のまだら模様なので、わたしは「ゴマだれ」と呼んでいます。
さて本流をもう少し進みます。今まで、辿ってきた紅葉川本流は、ずっと「崖下を蛇行する車道」であり、それ以外のサインは殆どありませんでした。
ところが、ここにきて初めての、紅葉川本流の立ち入り不可区間が登場します(この写真の中央)。それも、暗渠感溢れるやつ!
この立ち入り禁止っぷり・・・。暗渠っぽい。わくわく!!
・・・こんなふうに、蛇行する歩ける道よりも、まっすぐな歩けない道のほうに、萌えてしまうわたくし。
本流は、全行程のうちここだけが、分断された区間のようでした。(そしてここが一番楽しかったw)
数メートル川下から、また歩ける道が続きます。
さあ、もう少し行くと、古地図上で水路が描かれている場所が現れるはず・・・
ところが、その支流と本流との合流地点と思しき場所が、よくわかりません。案の定道に迷って、ぐーるぐる。
比久尼坂、という坂が東へ延びる、このエリアが違和感アリなので、崖上へ登ってみることにします。
んー、あやしいすきま?
(と思って撮ったはずなんだけど前のことなので記憶が抜け落ちている・・・あとで現地に行ってみますw)
あやしいよな、あやしいよな、と思いながら歩いていると、出会いは、唐突に!
目の前に暗渠らしさをたっぷり纏った道が現れます。
こういう風景が突如ひらけたときの、毛穴がブワッと開く感じ・・・、たまらないです。
くねる、くねる。
アスファルトが、川の流れに見えてくる。
・・・ん?
???
ふと、暗渠沿いの塀の上に、こんなものがwww
どう見てもコンビニの巻き物www
罠か、罠なのかこれは。
しかも開けてないから、猫向けじゃなくて人間向けの罠なんじゃないか。
そして暫くこれを見つめてしまう自分ッ・・・!
はぁー。食欲旺盛なわたしですが、罠にひっかからずに、無事に通り過ぎることが出来ました。
まだまだいい感じの暗渠はつづく。
・・・と思いきや、この先のカーブを曲がるとパタッと広い道に出ます。道に沿って歩いてみても、川っぽい空間はありません・・・
しばし周辺をうろうろしたり、地図を見たりして、諦めかけて、この雰囲気のある路地を探検することにしました。
ここを通るのは勇気が要る・・・けど、この奥は崖下になっていて、そしてさっきの支流暗渠が続いていたのです!
その空間は残念ながら民家の中で入ることが出来ないので、上流に回り込みます。
あー!あった!!ここだー。
振り返って上流を見ると、そこは適度に細く、くねり、寂れ感のある上物でした。
もうずっと興奮しっぱなしです。
明治19~21年の地図には、ここに水路が描かれています。現在、わたしの地図には、ここに道は描かれていません。が、現在ここは本塩町と坂町の町境となっています。
あー・・・ここほんとに良い暗渠だなあ。
でも、少し前から、既視感のようなものが・・・なんだかここ、初めてじゃないような気がする。
以前、庵魚堂さんが「パッケ下」として紹介されていた暗渠。後日ひそかに行っていたのです。それと、似ている。
同じ新宿区だからなのか、そして同じ頃に暗渠化されたものなのか、下を這うタイル(?)の感じに、崖、家々の取り残され方が、似ている・・・
そんなことを考えながら歩いていたら、プツっと暗渠は終わってしまいました。
たしかに、古地図上でもこのあたりで終わるのです。・・・いや、始まるのです。けれど、水源についてはまだ何もわかりません。
ひとまず、本塩町を通るので、本塩町支流(仮)と名付けます。
今回の略地図はこんな感じ。
本塩町支流(仮)、始まりは本当にあそこなのか、水源は何だったのか。今回追えなかった、合流点は現在どんな感じなのか。いつ、暗渠化されたのか。この川で遊んだ人の話はないものか・・・あれこれ、もっと調べたくなってしまう支流でした。
あの罠も、いったいどうなったのか・・・。
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コメント
本塩町支流(仮)は、かなり前、2009年3月に通ったことがあるので懐かしいのですが、その頃は暗渠にまだ関心を持っていませんでしたね。
でも、この細い道には強く惹かれて写真を何枚か撮っており、namaさんの写真と似たアングルも多いのでちょっと驚いています。
そして、「コンビニの巻き物」の次の写真に小さく写っている階段が、末広がりの変な形をしていたことも思い出します。
こちらの「東京の階段DB」のサイトに写真が載っていますよ。
http://blog.goo.ne.jp/tokyostair/e/fac9f47256dedfc624c7f5927c23880d
こちらのサイトは暗渠に目もくれてないのが逆に面白いですね。
あと、「パッケ下」の暗渠は、(旧)ふろっぐねすとさんも記事にされている(2005年!)ので興味を持っていました。
(旧)ふろっぐねすとさんは「源兵衛支流(仮)」と名付けておられましたね。
投稿: 猫またぎ | 2011年8月18日 (木) 09時51分
>猫またぎさん
へぇぇ~、暗渠前にここ通ってたんですか!すんごい嗅覚ですねえ。
>似たアングル
やっぱり、グッとくる共通ポイントみたいなのがあるんでしょうかねぇ。
>末広がり階段
たしかに、存在感のある階段でした。この前をだいぶ往復していたのですが、わたしの脳内ではこの階段DBの写真よりももっと白くて大きな階段、というイメージになっちゃってました。
>源兵衛支流
ほんとだ!ふろっぐねすとさん(いいらさん)、随分上まで、あと支流のようなものまで探索されてますねえ。さすがです・・。新宿区の川の資料ってな~んか見つけづらくて、この暗渠についてはまだ文献に出会ってません。何を読むとここまでわかるんでしょう・・・うーん。
投稿: nama | 2011年8月19日 (金) 18時36分
こんにちは。
駅から近いのにこんな素敵な暗渠があるのですね~。
巻き物も、人としての矜持を試されているような感じがしました。ドッキリ?かと疑って人間不信になるかもです。立秋過ぎの恵方巻き??
変なとこに反応してスミマセン。また遊びに来ます~
投稿: 谷戸ラブ | 2011年8月19日 (金) 18時38分
>谷戸ラブさん
こんにちは。コメントどうもありがとうございます。
市ヶ谷でお仕事したついでにとか、四ツ谷で飲んだついでにとか、そんなノリで行けそうな暗渠ですよね。
巻き物に反応してくださってすごーく嬉しいですw ここは暗渠自体すごく良かったけど、この罠もかなりのインパクトでしたから。。わたしはこの写真を見るたび、ツナマヨおにぎりを食べたくなります(まさに今も食べたいです)。
投稿: nama | 2011年8月19日 (金) 18時52分