千川上水速報
先日、twitterにて「千川上水工事中、今なら暗渠開渠&工事中を見られる」といった内容の情報をいただきました(tomorimiさん、ありがとうございました)。ちょうどその日の用事に近い場所だったので、予定を滑り込ませて行ってみることにしました。
千川上水の暗渠と開渠の場所。どうやら伊勢橋のあたりのようです。荻窪からバスに乗って、水道端でバスを降ります。
するとばっちり、工事現場がありました。工事の目的は千川上水暗渠の排水管の取替のようで、3月17日までとのこと。
フェンス越しにのぞきます。おもいっきり工事現場です。わたしはそんなに”工事現場”に興味を示す方じゃなかったのですが、これはもう水路っぽいカタチをしているし、興奮してきます。
右手が上流、左手が下流。下流側から順次工事しているとのことでした。
排水管のあるところ、つまり暗渠の位置は、人が立ってるとこのようです。この部分は古い排水管の撤去済み、新しい排水管を取り付けるための土台を作っている最中だそうです。
うああ、あそこにわたしも立ちたい!まず無理でしょうけど。。
素朴に思うのが「排水管にもともと流れていた水はどうなってるの?」なのだけど、それについては、この期間は千川上水の流れは止めて、別の方へ流しているのだそうです。千川上水は善福寺川のはじまりのところにも分水してるので、もしかしていま善福寺川の水量、これのために増えてたりしないでしょうか?
ちなみに、ここには宅地があったのだそうです。道路拡張をおこない、反対側に歩道を作りたいけど、歩道側の買収はまだ済んでいないとか。
おおっと、土管がありました。これは古いほうでしょうか。
これが長年の千川上水暗渠のパーツだと思うと、ドキドキワクワクですね!!
・・・こういう土管の置かれ方って、ドラえもん以来な気がします。というか、自分はこういう土管×空き地って未体験かも!
以前はここにも宅地があったわけですねぇ。工事のおじさんの話だと、暗渠は千川上水緑道と宅地の下とをカーブしながら流れていたそうです。
暗渠がくねくねと、私有地にも入りながら流れていたというのは、新鮮な話でした。
緑道はここ。去年の夏までは緑が鬱蒼としすぎて暗いぐらいだったそうです。
暗渠用の土管の残骸でしょうか。こなごなになったコンクリ的なものが積まれています。
ちなみに、ここにいらした工事現場の方に、上記情報の大部分をいただきました。ありがとうございました!
現場にあった、付け替えの図です。
下流部も。もともとの流れと、今後の流れが示されていて興奮します。
さて、ここを境に工事現場がおわります。そこにあったのは、バスターミナルでした!ちょっとよくわかってないけど、青梅街道営業所の一部・・・?
そしてこのバスターミナルに隣接して立野橋がありました。
おそらくここが立野橋跡。交差点にあります。
この地下に立野橋の橋脚が埋まっていて、それを2月10日頃に撤去し、H鋼を埋めたりするのだそうです。
撤去する時間帯は終バスの終わった夜中23時~5時とのことでした。・・・いくら見たくっても、この時間はちと・・・。
ふと見上げると、立野橋のところには、地蔵うどん、というお店がありました。
千川上水流域の湧水をつかって打ったうどんを、お地蔵さんに供えたというような風習があるらしいのですが、このお店自体は3年前にできたとのこと。しかも讃岐うどんw おいしそうなので、生麺を買って帰りました。
さて、かえろう。
引っこ抜かれて並べられた車止めが、いつもとは違う表情をしていました。
おお・・・この看板、荒玉でいっぱいでてきたやつだ!なんだかなつかしい。。今回はへんな「」が入ってはいませんねw
ここはヘタ地みたいにも見えますが、前述の歩道用に買収した土地が、そのときを待っているのかもしれません。
工事現場は堪能したので、もうちょっと上流も見てみます。
青梅街道の反対側は、カーブする暗渠。でもここ、数年前の書籍をみると、近年まではカオス気味の開渠だったもようです。
ちょっとだけさかのぼります。千川上水の水は、なかなかきれい。
おお、コンクリ蓋の橋。しかもたぶん自家用橋。
さらに上流をみつめると・・・なにこの風景!!!
自然な雰囲気の護岸のあいだを流れる水路、のんびりとした畑、畑、畑・・・
まさかの板橋まで架かっていました。
ここ、ほんとに23区??
ここまでくると作り込み感を感じますが、おなじ水路の再生事業にしても、驚愕するようなセンスの地域もあることをおもえば、この雰囲気はとてもありがたいです。脇に設けられた散策路も、自然な土を踏みしめながら歩けて、じつによい感じ。
吉祥寺通りに出ました。向うは暗渠のようです。すてきな開渠区間、わずかでしたが、工事現場とともにとてもたのしめました。情報をくださった方々、本当にありがとうございました!!
そして用事をすませ、天ぷらを買って帰って、さっそく地蔵うどんを食しました。
もっちもちで太くて、美味なうどんでした。その外見から、「初の武蔵野うどん!」って感動しちゃいましたが、そういえば店内では讃岐うどんって書かれてたのを思い出しました。標準的な讃岐うどんよりは、太く、しこしこ<もちもち、な印象です。でもとにかく、なかなかうまし。千川上水のことを思い浮かべながら食べれば、なおいっそう美味しいと思います。
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コメント
googleMapでは、用地買収が済んで金網で囲われた現地が確認できますね。
たしかに「残骸」をみると、もとは宅地だったと思われる箇所もアリ・・。さらに買収前はどんな風景だったんだろうと興味をそそられます。
立野橋工事、深夜でもせめて暖かい時期だったら自転車でみにいくんだけどなー;;;そんな寒い中の深夜工事のみなさんににはお仕事とはいえ頭が下がりますね;;;。
投稿: lotus62 | 2011年1月30日 (日) 15時38分
少しばかりご無沙汰してますimakenです。
千川上水! いまこうなっているのですね!?
昭和の頃、この上水に沿って今はなき高専(マンションと化すwww)に通ってました。
懐かしいなあ。
投稿: imakenpress | 2011年1月31日 (月) 12時22分
>lotus62さん
またもや航空写真で確認するということを忘れていました; ほんとだ、駐車場みたいなのもありますね。gooの昭和22年だと開渠が、昭和38年だと宅地が見えますね!ありがとうございます。
冬の深夜工事、たしかにとても寒いのでしょうね。来月はもちょっとあたたかくなるといいんですが。
>imakenpressさん
どうもこんにちはー。そうなんです!関町のところ、こうなってますよ。
そうそうimakenpressさんはこの付近に馴染みがあったんですよね。わたしも西荻時代にこのあたりバスや自転車でうろうろしてたりしました。ちょっと、懐かしかったです。
投稿: nama | 2011年1月31日 (月) 18時54分
僕は練馬の石神井公園へ行った時、千川上水を通りました。玉川上水から分流されてる上水で練馬区、豊島区は暗渠化され、残念ながら流路を見ることは出来ません。西武新宿線の上井草駅前の千川上水は道路の下に入ってしまい、全く見ることは出来ないのです。鉄橋の部分は水が流れてないのが残念です。もしも僕は昔に生まれていたら玉川上水や千川上水の流れを見ることが出来たかもしれません。導水管や下水管を作って埋め立てられてしまい、当時の面影はありません。
投稿: タクロウ | 2020年8月22日 (土) 21時29分
>タクロウさま
3箇所にコメントをいただきましたが、合わせてここでの返信にしますね。この春から夏にかけて、随分たくさんの暗渠を歩かれたのですね。わたしも、西武新宿線の鉄橋のところを水が流れていたらいいなあ、と、よく思います。
投稿: nama | 2020年9月27日 (日) 16時05分