紅葉川をねちねちと歩く その5 防衛省の敷地には
今回は、川筋までは特定できなかったものの、紅葉川のさらなる水源かもしれないものについて、です。
とつぜんですが、防衛省見学に行ってきました。
ここは、紅葉川を下るにあたって、触れておこうと思っていた場所です。古地図を見ると、この位置にあるおおきな池が、いやでも目につくからです。
そこで、ついに申し込んだ市ヶ谷台見学ツアー。予約が必要で、希望の日時にすんなりとは申し込めず、意外と混んでいる印象でした。
行ってみると・・・、思いっきり混んでいます。なんじゃこの人数!
ツアーの解説員は、若い女性2人と、自衛官っぽいおじさまがひとり。おじさま解説員だけは、拡声器を使わずに大きな声で解説します、気合入ってます。いわく、10月だかにテレ東でこの見学のことが放映され、以来すんごく混みだしたとのことです。はぅーん、損なタイミングで来ちゃったな。
でも、まあいいんです。IDカードみたいなのを貰って、気合注入。集合場所が崖下なので、そういう意味でも興奮。あ、ちなみに、一部を除いて撮影してもよい、ということでした。太っ腹ですね。
入口正面の階段です。外からだと一部しか見えないものです。うーん、広い。
ちなみに防衛省の庁舎は、伽藍建築をイメージに盛り込み、平等院鳳凰堂に類似する形状を追求した、とのこと・・・。各棟の屋上部は、迎賓館をイメージしているとのこと!建物ぜんたいの妙な荘厳さは、そういうことでしたか・・・。うーん全然知らなかった。
エスカレーターで上ります。ってか、ここ、エスカレーターなんてあったのね!!エスカレーターマニアの方、喜ぶんじゃないかしら。
解説員いわく、ここは実は建物にして4階分の高さがあるからなのだそうです。階段全体が広すぎて、そんな高低差がわからなくなってました。たしかに、4階分の上り下りはつらいわ。
さー、儀仗広場というところを目指します。歩きながら、周辺をじろじろ見てるだけで萌え。ああっそれらしき車がぁ。それらしき服を着たお兄さまたちがぁ。かこええ・・・。
儀仗広場は、中枢となる建物の前にあり、国旗なども掲揚されている所です。
その場所が、この敷地内では一番標高が高い、ということでした。ちょっと下から見上げた写真も載せときましょう。
そして解説員いわく、都内で2番目に標高が高いということでした。「都内」とたしかに聞こえたけれど、ホントにそうなのか微妙だなとおもいつつ聞いてましたが(区内、とか、山手線内とかかな、と。まだ検証してない)。ちなみに一番高いところは、戸山の箱根山、と言ってました。箱根山は、人工の山だと資料で読みました(土を取ったところがスリバチ状になっている、と)。ということはここが、自然にもっとも高い場所?・・・なのか・・・? ここだって江戸時代とかに多少盛ったかもしれませんけどねぇ。江戸のひとはずいぶん削っては盛りますものね。
で、むかしの庁舎を移築・復元したこの建物が次の見学地点。この市ヶ谷台、今は自衛隊ですが、その前は旧陸軍の土地、そのさらに前は徳川藩の上屋敷だったそうです。さきほど、盛った盛らないをつぶやきましたが、尾張徳川家がこの地にきたのは、この標高の高さゆえ、らしいです。
この建物は陸軍士官学校本部の1号館として、昭和12年に建てられたもの。それをコンパクトにし、記念館として残してあり・・・、って、この玄関、庭園美術館にものすごく似てる気がするんですけど。気のせい?
でも、その歴史的建造物よりも、わたしの心はお隣にあるこの鉄塔に奪われているのでした。
こんなに間近で見られるなんて・・・ウットリ。
鉄塔があるところは通信関係部隊の庁舎で、そのお隣には情報本部があります。もう、激萌え!!!・・・でも、コッチはさすがに入れません。
記念館には、極東国際軍事裁判の法廷として使われた大講堂も残っています。裁判のエピソード、構造上の工夫など、あれこれ説明がありましたが、割愛。
2階の部屋に、三島由紀夫がつけた刀傷があるというので、三島ファンでもなんでもないのに、「うぉー」とか言って写真を撮っちゃいました。
あ、割愛しちゃったけど、講堂には色々な資料も展示されていました。壁にはアジアの地図があって、それは極東国際軍事裁判で使われた、地図とおなじものなのだそうです。製作は、”日本地図株式会社”・・・、いまの、ゼンリンなのだそうです。「ゼンリン!すげぇ!」と、なんでか興奮してしまうお年頃。
はふー、1時間ほど中で説明されて、外に出たらまた鉄塔。おもしろいのが、参加者の人数確認のため、いちいち整列させられるのです。整列して、キビキビ歩く・・・たまりません。いや、キビキビ歩くのは強要されませんw
つぎは厚生棟です。ジムや食堂、売店なども入ってます。ここで、売店での買い物許可がおりました。
いかにもお土産屋さん、な店もあれば、軍モノの専門店もあり、ふつうにスタバ、デイリーもあります。でも、ふつうじゃないのが、この立ち読みの光景w
せっかくのリラックスタイム、撮影しちゃってスミマセン。
非常に残念なことに、食堂には入れませんでした。メニューがとても豊富です。
べらぼうに量が多いとか、安いってわけでもなかったです。
・・・さあ、そろそろ、川とか関係ないんじゃん、と思われ始めてる気がします。実は、たまたまツアーのルートが、古地図上の池の近くを通るようでした。大体ココかな、なんて、印をつけてました。
話が戻りますが、記念館で、ドアの陰にコッソリたたずむ、”上屋敷時代のジオラマ”を見つけました。やはり池があったので、ひとりで食い入るように見ていたら、なんということでしょう、例の自衛官解説員の方が説明しにきてくださったのです。
その方いわく、
・これは琵琶湖という湧水池だった。
・かなり高いところから湧いていたらしい。
・現在の厚生棟のあたりだったらしい。
ということで・・・。すごい!なんでも知ってらっしゃる!!って、感動。ありがとうございましたっ(敬礼
で、その厚生棟がまさに、いま出てきた建物だったわけです。たしかに、地下深くまで掘られてたけど、それと池が関係あるかは非常に微妙。
で、厚生棟から東に歩いていきます。実は、最初にわたしが池跡としてプロットしていたのが、だいたいここらへん。駐車場なんです。駐車場って、結構きてるよね。って思いながら歩いてると、後方に貯水槽みたいなものが!水っ気、ありました。琵琶湖はここらへんまで来ていたのではないでしょうか。
それから、なにか特殊なマンホールでもないかと、地面もよく見て歩きました。
すると、「汚水」、「雨水」、「排水」、「中水」、・・・って。中水??下水道好きなのにお恥ずかしい話ですが、知りませんでした、中水。wikiで見たら、”生活排水や産業排水を処理して循環利用するもの”だそうです。ふむふむ・・・西新宿で見た、リサイクル水が流れてるってことかな。この敷地内でやってるのかな?
それと、「排水」が「汚水」と分けられているのも興味深いです。これらについては、だいぶぶつぶつと考え込んでましたw
なぜ、そのマンホールたちの写真が無いのかといいますと、それは気分的に「乱れずに歩く!」と思ってしまって、立ち止まらなかったからなのでした。ヘンなノリをみせるんじゃなかった・・・反省。
その先、ヘリコプターが展示されていて、乗るオトナがいっぱいいたけど、なぜかあまり興奮せず。ヘリの裏側はすごい崖で、侵入は出来なかったけど、深いスリバチのように見えました。
雄健(おたけび)神社跡の脇を通って、殉職者の慰霊碑のあるメモリアルゾーンへむかいます。
「跡」となっているのは、御神体が奉還され、移設されたからです。メモリアルゾーンを見下ろす、岬のような場所に建っていました。
さあ・・・、これで、ツアーは終わりです。
正面の階段の、上からのながめ。滅多に見ることができないものです。また申し込めば見れるけどw
この眼下には、紅葉川が流れていたはずなのです。高いところで湧いていたという、琵琶湖の水は、紅葉川に注いでいたでしょうか。古地図上では流路は見当たりません。しかし、細い流れがあったかもしれないし、いったん浸透して紅葉川付近で湧いていたかもしれない。琵琶湖の水、紅葉川に何らかの関係があるのではないかな、と思ってます。
最後に、今回の戦利品を。
厚生棟の売店で買いました。ついつい・・・。戦車の絵がカッコイイ、パウンドケーキの缶詰。ヘリの写真の、パンの缶詰。それから横須賀で売っていそうな海軍カレーカツ。いろんなのりもののシール。自衛隊軍手!軍手、これからのさんぽでガンガン使っていこうと思います。軍手は、良いものですよ・・・。
| 固定リンク
「1-8 さんぽ:その他の神田川支流」カテゴリの記事
- 神田川茗荷谷支流(仮)の底力(2015.05.05)
- ババノダカタノシミズガワ(2014.04.24)
- 神田川黄金事件(2014.03.01)
- シカク■スリバチのなぞ(2014.01.26)
- 紅葉川をねちねちと歩く 追加編 温泉山のこと(2014.01.14)
「6 軍事もの」カテゴリの記事
- ダイナミック・チバの暗渠と軍跡 市川編(2014.09.24)
- ババノダカタノシミズガワ(2014.04.24)
- シカク■スリバチのなぞ(2014.01.26)
- ダイナミック・チバの暗渠と軍跡 続・鎌ヶ谷編(2013.09.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
三島由紀夫事件をリアルで覚えているオジサンですwww(当時、小学生でした)
うぁー、うらやましい。このツアー行きたいんですよ。でも確か平日しかやっていないんですよね。
湧水池のことまで聞けるなんてラッキーでしたね。
PS.先ほど何を血迷ったのか忘年会の帰り(21時過ぎ)に、酔い覚ましがてら、市ヶ谷から外苑東通りまで紅葉川を散歩しちゃいましたww。
投稿: リバーサイド | 2010年12月23日 (木) 00時01分
そもそもこの場所によく潜入できたもんです!あの憧れの鉄塔のもとにこんな場所が広がっていただなんて・・スバラシイ。なんか異国みたいです。
この中の地形もリアルに味わえてよかったですねー。
琵琶湖のこともすごいけど、それを説明してくれる自衛官の方もすごいぞw
願わくばこの食堂を公開してもらいたいものです。
投稿: lotus62 | 2010年12月23日 (木) 23時55分
あー、防衛省の見学ですか。
見学できるんですね。
軍事マニアと暗渠マニアの双方を満足させるツアーですね。
namaさんは両方なので、さぞかし楽しかったのでは。
私は、皇居に入るツアーには行ったことがありますが。
平日休んで。
投稿: 猫またぎ | 2010年12月24日 (金) 11時30分
こんばんは~。
ヲヲーーーーっ 軍事ウォークっすね~。(あっ違いましたっけwww)
お持ち帰りミリ飯~~。ほしい~~~
私も昔、舞鶴の海自基地を見学したとき
http://www.gearpress.jp/blog/?p=1032
大興奮しましたけど、あの時はお土産売ってなかったなあ。
namaさんに触発されて軍事記事を書き始めた今日この頃です。
投稿: imakenpress | 2010年12月26日 (日) 21時52分
>リバーサイドさん
三島由紀夫の事件ってそんなに最近だったのですか!むしろびっくり。そうなんですかー。
はい、わたしは平日でもちょっとだけ使える時間があるので、行ってきちゃいました。
忘年会帰りの紅葉川さんぽ、いいですねぇ。間違えて策の池に落ちないようにご注意をw
>lotus62さん
潜入といっても合法的なのですよ!そうなんです、毎日2回ずつツアーがあるので、解説員の方は入れ替わるのではないかと思うので、あのおじさまだったことは本当にラッキー!かなと思ってます。
>猫またぎさん
見学できるんですよ~。面白かったです。でも、とくにどっち萌えでもなさそうな方もいっぱい参加してました(というように見えました)。
で、皇居って入れるんですね!そっち知りませんでした。あー、なんか秘められたところに入るツアーってステキですね。平日休んでw(わたしも動ける平日は曜日が限られてるので、見学のために有給とったことありますw)
>imakenpressさん
ほほほ~。持ち帰りミリ飯、買っても勿体なくて食べられないですw 市ヶ谷にはザ・お土産屋さんって感じのお店がありました。
海自!こりゃまた、遠征ですねえ。良いですね!
投稿: nama | 2010年12月27日 (月) 18時42分