桃園川支流を歩く その25天沼にある何本かの支流
やっぱりここは、本拠地に戻って、桃園川記事を連打します。最近は桃園川の下流部が多かったですが、ちょっと上流部に行きたいと思います。というわけで、天沼近辺の支流暗渠を何本かご紹介。
ひとつめは、以前リバーサイドさんが紹介してくださった(合流部についての仮説&ケロキ師匠の解答まで載っています!)、天沼二丁目支流(仮)。
リバーサイドさんの記事を拝見して、その位置のおおよその見当はついていたものの・・・現地に行ってみて吃驚。わたし、天沼に住んでいたことがあるのですが・・・、そのときに毎日通っていた道をこの支流は横切っていました!
まずこの道沿いの橋の遺構(上から載せたようにも見えますがw)を発見し、小躍りし、上流へと遡ります。
そこは立派なコンクリ蓋暗渠で、もうすこし大きな道とあわさると、駐車場を兼ねて紅い鉄板暗渠になったりします。
そのさきではこういう、縁石みたいなものがついてきます。
うわ~あ、こんな場所、知らない知らない、こんな道、通ったことない!と、僅か2年しか住んでいないけれど勝手知ったるつもりでいた感覚が覆されるのです。
・・・で。暗渠はまだまだ続くようで、今度は狭く曲がった道になり、先が暗くなり、どきどきしてきます。ここは以前近所だったというのに・・・、わたしの記憶に残る天沼と雰囲気がぜんぜん違うのです。なんとなく、”天沼=とくに店もない、のっぺり、からっとした住宅街”と思っていたのに、ここには田舎の空気が残っていて、じめっとした、くすんだ、でもなんか引力のある空間です。
そしてカーブの先は、土と緑でいっぱいの空間でした。ってことは虫も居ます。虫は厭なんですが、自分の顔もブンブンしながらすすみます。
なんだこの秘境・・・住宅街の中なのに、森・・・?
ポカッと空き地がありました。空き地の植物の緑もまぶしいです。
こんな階段もあって。
階段がくっついてるさきは護岸でしょうか。
あれれ、井戸までありました!のびるパイプや砂利のあたらしさ・・・最近まで使われていたような雰囲気です。
そしてここが行き止まり。リバーサイドさんの記事と同じ位置なのですが、もうすでに風景が変わっています。
この奥は、最近まで建物があったようなんですが、
カラッとしています・・・。現在はおもいっきり空き地でした。
暗渠はここで途切れます。上流端の在り処をさがしてみましたが、とくには見つからず。建物的なサインはありませんでした。手持ちの資料にも水源にあたりそうな情報はありません。ここらへんに小さな池でもあったのでしょうか。
この天沼二丁目支流(仮)は、1枚目の写真の下流部もあります。下流方向にはコンクリ蓋はもはやなくって、アスファルトです。
ただ、この車止めが妙に短くなっちゃっているように、アスファルトで最近埋めた感じ。むかしはもっと素朴な道だったのかなあ。
下流へと歩いて行くと、くねっていてこちらもじゅうぶん暗渠の風情。
この写真の最奥で、桃園川本流と合流します。
リバーサイドさんの記事によると、以前は桃園川北側支流があり、そこに注いでいましたが、北側支流がなくなって、本流へと注ぐようになったようです。
ここで本流にいったん出て、桃園川を下ってゆくと、すぐに遊び場1番に出くわします。といっても、立て札はやはりありませんでしたが。でもま、1番については後日の遊び場特集で。
その、遊び場1番の真ん中から、ズガーンとはじまる暗渠がひとつありました。
しかも、本流につないでいる下水のライン的なものが、地面から浮きあがっています。良いですね~~これ。
最初から最後までコンクリ蓋の流れです。
このように橋の残骸みたいなものが見えます。しかし、「三世代遊び場マップ:昭和30年代」を参照すると、昭和30年代ここは開渠の”下水のドブ”で、この位置には簡易な”板の橋”しか架かっていなかったようなんです。その後コンクリ橋になった時期もあったのでしょうか。
こっちもわりとワイルドです。右側の塀のワイルドさはわざとなのかどうかわかりませんが・・・緑生い茂る場所がわりとありました。
うおおー、珍しい車止め出現!これ、初めて見ました。
錆び錆びです。。もしかすると橋の欄干の可能性もあるでしょうか。欄干だとしても、初めて見る形状です。
ほら、ここもワイルド。うわー、ここも近所だったのになあ。とんだ秘境を見逃していましたよ。
ここ、天沼一丁目を流れているので、前出の天沼二丁目支流(仮)とのからみ?で、”天沼一丁目支流(仮)”と名付けることにいたします。
そしてこの車止めのところで、ぷっつりとコンクリ蓋は途切れます。周囲を歩いてみると、ここらへんがやや窪んでおり、上流端なのかもしれません。ここも、天沼二丁目支流(仮)同様、水源についてはいまのところ情報がありません。
さて今回の行程。今回は、てづくり地図にしてみました~~w どうしても略地図の良さが忘れられなくって・・・。しかし丁寧さの欠けるわたし、へっぽこな仕上がりになるのは仕方ないです。ま、こんなものですw
今回の暗渠たちは、緑で描いてみました。
引き続き次回も、桃園川上流部の暗渠探索を続けたいと思います。
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コメント
天沼二丁目支流の最上流の家、なくなっちゃったのですね。でも、空き地になってしまうと、暗渠がその先にないことが、よくわかっちゃったりしますね。
途中も草が生い茂って、私が歩いた時とは雰囲気がかなり違うような気がします。
投稿: リバーサイド | 2010年8月 4日 (水) 21時16分
蓋暗渠はやっぱりいいですねぇ。雰囲気があります。
あと、天沼二丁目支流(仮)の方の途中の階段がすごく気になります。
これってコンクリートの板を置いただけ!?
投稿: 猫またぎ | 2010年8月 5日 (木) 00時26分
>リバーサイドさん
そうなんです。蓋はここでおしまいなんですよね。
わたしもリバーサイドさんの写真と見比べながら、蓋や階段は一緒だけど、雰囲気は違う印象でした。暗渠めぐり、季節ごとに違う味をたのしむっていうやり方もありそうですねえ。
>猫またぎさん
蓋暗渠いいですよねえ。最近アチコチ行ってたんで、ややひさしぶりに”杉並のオーソドックスな蓋暗渠”を歩いた気がして、なんだか懐かしいようなほっとするような感じに浸りました。
階段、実はあまり気にしないでいてしまいました(暑さのせい?)。いま写真を見ると、なんか暗渠蓋と同じ素材にも見えます。それをウエハースみたいに・・・?でも、のぼったときには、全然ぐらぐらしませんでした。
投稿: nama | 2010年8月 6日 (金) 09時40分
この地図いいですねw
天沼1丁目支流、私が初めて桃園川に行ったときに辿ったのを思い出しました!
全然土地勘なかったので、すごくどきどきしながらここを入っていきましたっけ・・・。あらためて教えてもらって理解が深まりましたw
投稿: lotus62 | 2010年8月 6日 (金) 12時47分
>lotus62さん
ありがとうございますw
むむ、ここ行かれたのかどうか、ちゃんと記憶してなかったです、すみません。lotusさんの桃園川レポートって、わたしがまだ行っていないところを取り上げられていて焦った記憶があります。
投稿: nama | 2010年8月 6日 (金) 18時30分
略地図、よかったですよね、あの感じ。復活しないかなぁ・・・手作り略地図もけっこういけてると思いますよ〜
投稿: HONDA@東京の水 | 2010年8月 7日 (土) 00時35分
>HONDAさん
はい、あの感じは他になくてとても良かったです!
わたしも、大人気につき復活、とかちょっと期待してたんですが・・・・
てづくりは、線引くのむずかしいです・・・。あともっとかわいいフォントさがします。でも、お褒めいただきありがとうございますw
投稿: nama | 2010年8月 7日 (土) 10時28分
暗渠をたどるような(おかしな?)事をしているのは、
私だけかと思っていましたが、
やはり、「同好の士」はいるものですね。
なんだか嬉しくなりました。
投稿: big pig | 2010年9月16日 (木) 19時20分
>big pigさま
コメントありがとうございます。big pigさんも暗渠をたどっていらっしゃるのですね?わたしも、友人や同僚に暗渠のことを話してもなかなか理解が得られないので暗渠ファンなんて少ない気がしてしまいますが、こうやってweb上でみてみると、けっこう暗渠にハマっている人は居るみたいです!リンク先のみなさんもあちこちの暗渠をあるいてらっしゃるので、ぜひぜひご覧になってみてください。
投稿: nama | 2010年9月19日 (日) 23時40分
namaさん、こんにちは。 先日荻窪分水口から弁天池まで歩いてきました。 そのあと阿佐ヶ谷駅に向かって遊歩道をブラブラと、そしていくつかの支流を再訪してきました。 1丁目支流にあった錆び錆びの欄干は撤去され、ピカピカのつまらない車止めに変わっていました。 ほぼ道幅一杯あったので邪魔だと苦情があったのでしょうか?、南京錠付きの車止めなので、災害時等には取り外しが出来るようになっています。 さて、ここからが本題。 新しい流路を見つけました。 といっても、皆さんがすでに探索された流路で、痕跡が消えた所からさらに80m弱の流路です。(全面コンクリ蓋) 出だしが個人宅の敷地内で分かりずらく、全流路が道路からは見えません。 最上流部は個人宅の敷地で見えなくなります。 ヒント!! 痕跡が消えた付近の地図を見ると流路がありそうな怪しい場所があります。 最上流部の家は多分昭和20年代か30年代初期に建てられたような木造の(ボロ)平屋で、庭や建物の一部は廃の匂いがします。 ドンツキの路地から入ります。 入口はここだけで、「奥が何か変?」みたいな感覚が…。 どこの支流かは内緒です。 宝探し気分で楽しんでください。
投稿: nasunokaori | 2014年5月28日 (水) 22時45分
>nasunokaoriさん
こんにちは!お久しぶりです。ワクワクするようなコメント、どうもありがとうございます。
その新たなコンクリ蓋の情報、すごいですね!このナイショ具合も非常にうれしいです。やっぱり宝探しが暗渠探索の醍醐味ですからねぇ・・・ここにコメントいただいたので、天沼~阿佐ヶ谷近辺の支流について、まずは地図を読み込もうと思いますw実はこのところ、天沼はときどき歩いてはいます。ただ夜中なので、支流に行けていない・・・それにしてもコレだけ歩い(たつもりになってい)ても、まだまだ見つけられていないものがあるものですね。ますます、たのしいです。情報をこのように分けて下さること、感謝します!!
投稿: nama | 2014年5月30日 (金) 18時58分
>nasunokaoriさん
みてきました、みてきました!
大興奮の結果でした。ほんとうにありがとうございました。
まず、ここらへんのことかなーと思いながらゼンリンの地図をみたら、仰る通りあやしい描かれ方をしていましたね。ときどき地図を見てはいたのに、いかに漫然と眺めるだけだったか、ということを思い知らされました。
地図上では、家の狭間なので暗渠が見られるかわからない感じでしたが・・・、行ってみたら、いやいやすごかったですね。苔むしていてひそやかで。上物でした。
>最上流部の家は廃の匂い
直感にすぎませんが、いまも人が住んでいらっしゃるような気がしました。それもあり、奥の方までは行きませんでした。
あそこより先はどうも土地が高くなるので、あの家のあたりで湧いていたのでしょうか・・・?水源はまだ謎ですね。
まだ、興奮が残っています。これだから、暗渠さんぽは止められませんね。改めて、ありがとうございました。
投稿: nama | 2014年6月 2日 (月) 17時04分
namaさん、こんにちは。 人知れずひっそりと横たわる暗渠…。 私道の奥なので探索もコンクリ蓋がゴトンといわないかヒヤヒヤしながら、抜き足差し足で。 あの古屋の庭(裏)は窓も分からぬ半崩状態でした。 此処を見つけたきっかけはMMZさんのサイトにあるお手製の桃園川の流路図です。 この支流だけが長く見えたので拡大したら上流部の場所が違っていたので、gooさん地図で確認したら支流の延長線上に怪しい場所があったのですね。 でも喜んで貰えて私もニッコリです。
投稿: nasunokaori | 2014年6月 6日 (金) 20時58分
>nasunokaoriさん
もとはMMZさんの地図でしたか。ああ、見慣れたと思って見過ごしてました・・・つくづく、すごい発見です!
ほかの暗渠者も、最近ここを見に行ってきたようで、なんだか人気が出そうですよw
投稿: nama | 2014年6月30日 (月) 14時31分