« 元・交通博物館、その後 | トップページ | まつもと城下町湧水群 ②かえるまつりと市内の水路たち »

まつもと城下町湧水群 ①湧水口コレクション

松本に行ってきました。この時期に松本に行くことは、じつはわたしにとっては大いに意味があります。それは次回でご紹介するとして(別に引っ張るもんでもないんですけどねw)、今回の訪問は、例によって川関係のオプションをつけたところ、これまでとはぜんぜん違う感触になりました。

・・・来たのは5年ぶりくらいでしょうか。その間に、なんとこの地は環境省から「平成の名水百選」に選ばれていたのです(2008年に「まつもと城下町湧水群」として)。
湧水群!下調べの時点で、どうしようもなく心躍ります。そして現地に降り立つと、想像以上の湧水ワールドがそこには広がっていました。

まず手がかりとなる、webや駅などで配布されている「水巡りマップ」に湧水点がたくさん載っています。その表現も「湧水がいっぱい」とか「いたるところに湧水」などと、湧水ファンの心を鷲掴み。しかし、湧水点はそれ以外にもやまほどあって、冊子には載っていないもののほうが、わたしには面白い。むしろ凄く面白い。
面白いのでどんどん歩いて写真に撮っていったら、後から数えたところ、なんとその数60にものぼりました。おそらくまだまだまだまだ・・・あるはずなので、松本は湧水点が軽く100以上はある地、ってことになります。
さあ、今回はその60個から、選りすぐったものをジャンル分けしてご紹介いたします!

<整備編>
観光用としてきれいに整備されているもの。水巡りマップにも載っている。

Matsu0

女鳥羽の泉:松本市内唯一の酒蔵のまん前にあります。この水を使って造られるお酒が、”善哉(よいかな)”や”女鳥羽の泉”。

手づくり感いっぱいのラベルが貼られた、すてきなワンカップがありました。

Matsu1

薬祖神社の湧水:薬の神様が祀られていて、隣に”薬業会館”が建っています。

こういう、木製のものをみると、なんか美味しそうと思ってしまいます(いや、じっさい良い水なんだけど)。

Matsu2

松本城大手門駐車場にある湧水:ここは何の案内板も無いですが、おそらく湧水なのでしょう。。ここに水を流す意味がわからないですもん←というような、バスのゆきかう駐車場の真ん中に、突如現れる親水ゾーン。観光用に整備されている、のでしょうけど、なんとなく不思議な光景です。

Matsu3

龍興寺境内の池:ここも湧水マークがついています。池に注ぐ滝がそれかどうかはわかりませんが、100%湧水で出来た池は、信じがたい透明度とうつくしさでした。
水草や藻の色の鮮やかさが、この世のものではないみたいです。

Matsu4

源智の井戸:ここは「信濃の国第一と言われた」というほどの、地元でも別格の湧水のようです。

飲んでみると、なるほどおいしい・・・口あたりが「とろり」としているのです。ちなみに各所で念願の”湧水水割り(注)”をしたのですが、ここの水割りがいちばん美味しく感じました。
注:観光地化されているものでも、多くのところでは、そのまま飲用する際には注意してください、と注意書きがしてありました。が、わたしの場合はそのまま飲んでも特に問題はありませんでした。

<素朴編>
ここからは、その殆どがマップに載っていない、個人が管理しているように見える湧水たち。ただただ歩きまわるしか、見つける方法はありません。しかし市内いたるところにあるので、たやすく見つけられます。その中でも、とくに素朴で好印象だった湧水口たちを。

Matsu5

道を歩いていたら、いきなり道の脇にありました。誰かの家の入口ではあるようです。

ちょろちょろと音だけがして、この放っておかれている感じがいいです。

Matsu6

なかにはこのような、何軒かで共有していそうなものもありました。
屋根つきで、このつくり・・・先日の岩手を思い出します。それの素朴版といったところでしょうか。

Matsu7

誰かんちの玄関先。水の湧き方にもいろいろあって、こんな風にものすごい勢いのものもありました。受け皿が足りてませんね・・・

Matsu8

市役所の駐車場にもあるんです。駐車場脇っていう地味さがいいです。あと、ちょっと古い真ん中部分がたまりません。きっと数年前まではコンクリの囲いなど無かったのでしょうね。

車止め、こういう使われ方もあるんですねえw

Matsu9

これは家の横でしたが、よく見ると後方の側溝に流れ込むものがほかにも2つ。この家の下からと、反対側からと、計3箇所から清冽な水が勢いよく出ています。

Matsu10

これも誰かんちの前なんですが、わりと遠くからでも「ジョ―――」という音が響いていて、けっこう目立ちました。なのにこの潔いというかなんというか、つくりがシンプルすぎて、どうしたらいいのかわかりませんw

Matsu11

これは、廃屋になっているところの玄関口にあったもの。

受け皿になっている洗面器の年季の入り方が、なんとも・・・。もう使う人はいないかもしれないのに、延々と水は湧いている、その健気さよ。

<カラフル編>
色とりどりのものもありました。けっしてけばけばしいのではなく、微笑ましい感じの色づかいがあった湧水口たち。

Matsu12

家かお店の前の側溝。パイプの出口に上向きのものを取り付けたらしくって、それでミニ噴水になっていました。ミニ噴水、しかも出口と受け皿がペアルックになっていて、なんともかわいいです。

Matsu13

誰かんちのお庭にありました。
塀はなかったけど近くまで行く勇気はなかったので、そ~っと、道端から拡大。

スケルトンの容れ物と、黄色いバケツが、子どもの遊び場みたいなかわいさです。

Matsu14

人という字は・・・
っていう格好になっているバケツちゃんたち。

これは偶然なのでしょうか、おうちの方の遊び心なのでしょうか。

Matsu15

これは誰かんちではなく、どこかの会社の敷地内から側溝へと注いでいたものですが・・・なんというか、ぜ、前衛的・・・しかし何故に2口・・・

Matsu16

これは別な意味でのカラフル。お花のカラフル!

葵の井戸、なんて名前までついていて、見たところ個人というより共同で管理しているよう。色とりどりのお花がなんともきれいで、でもこれって単なる道端の側溝なんですよ?

<番外編>
さいごに、もっとも心躍るかもしれない、番外編を・・・。

Matsu17

ちょろちょろと音がしたので近寄ってみると、このように地面を伝う流れがあって、枡に注いでいました。

誰かの家の、脇を通っているようなんですが、その元を辿っていくと・・・、

Matsu18

なんと、流れは民家の下から浸み出していました!!

うわー!どうなってんだ~~!?

しかも、すっごくきれいな水です。きっと湧水なのでしょうけど、いやはや、おうちの中とは・・・

Matsu19

お次は駐車場にて。
砂利の地面から、このような流れが!浸み出して、かくっと折れて、側溝に注いでいます。

すごい、まさにそこで湧いてる!!?とかなり興奮し、「砂利だがこれはまるで谷頭のようではないか!」とかものすごいテンションになってきまして、そのフツフツと出ているところを少し掘ってみましたら、・・・そこにはパイプが通っていまして、

Matsu20

そしてこの蛇口から出ているという、残念な結果でした。

はあ、あれはパイプから漏れていたのですねえ。

Matsu21

さて、似たようなものが空き地にもうひとつ。

土の地面をゆったりと下ってくる、小さな流れがひとつ。さきほどのフェイク砂利谷頭の経験をいかして、ちょっと冷静な気持ちで近づきます。

Matsu22

すると、うはあ!!
ぶくぶくと出ています、すごいです!

この写真手前の、土が舞っているところが見えますでしょうか。もう、ボコボコのぶくぶくで、ミニサイズながら立派な湧水です!!

これは、掘っても管などありませんでした。きれいな水が、絶えることなく湧いていて、

Matsu23

そして、ほんとうに小さいながらも、こうやって蛇行し、地面を少しずつ削っていくさまに感動しました。
なんだか、とても立派な自然河川に見えました・・・

今回、60個の湧水口を眺めてきましたが、”ひとつとして同じ湧水口はない”のでした。それは、水量や水質(同じ松本市内でも、まろやか~シャープの間を行ったり来たり)の違いもあるけれど、使用している人たちのセンスや目的に応じた飾りつけの違いが、ひとつひとつの個性を彩っていて、見ていてとても楽しめました。
もし松本に一戸建てを買うとしたら、湧水のあるなしで値段が変わったりするのかしらん、とか、あれこれ考えてみたり。
・・・次回は、いくつかの水路を追ってみたいと思います。湧水の流れるきれいな水路しかありませんが、暗渠も登場しますよ。個性的な蓋が多かったので、蓋コレクション館にも載せました、ぜひご覧くださいませ。

|

« 元・交通博物館、その後 | トップページ | まつもと城下町湧水群 ②かえるまつりと市内の水路たち »

2 地方の水路」カテゴリの記事

コメント

うわー。せんせー、もうクラクラしてきましたー・・・。

投稿: lotus62 | 2010年6月22日 (火) 18時42分

松本、すご~い。(あっちの方、暫く行っていないなあ)
そういえば、ちょっと北にいけばワサビ田で有名な安曇野ですよね。
アルプスの雪解け水なんでしょうか?

投稿: リバーサイド | 2010年6月22日 (火) 21時11分

私もお城を見に松本行ってみたいと思っています。
湧水で有名なんですね。こんなにたくさんあるとはスゴイです。
そこらへんに湧水口が普通にあるところは興味深いです。

投稿: ねりま99 | 2010年6月23日 (水) 03時01分

>lotus62さん

いっぱいのっけすぎましたかね~w でも現地の衝撃をどうしてもお伝えしたく・・・

>リバーサイドさん

すごいですよね~!ワサビ田ってことはそちらもきれいなお水がダバダバなんですね。安曇野は行ったことがないし、今回おとなりの塩尻に円筒分水があるらしいとわかったのですが結局行っていないし、松本ばかりになっちゃってますw
現地の人曰く、源は2系統あって、1つはアルプスのほうから来てるとのことでした。

>ねりま99さん

こんにちは~。今回、例の地下壕までは寄れませんでした。。
松本城、良いですよね。わたしは城マニアではありませんが、松本城は「(黒いところが)カッコイイ!」と思ってます。
民家にふつうにある湧水口と、側溝を流れる水の半端ないうつくしさは、一見の価値ありです。行かれる際には、ぜひ!

投稿: nama | 2010年6月23日 (水) 09時54分

わ~!!
盛りだくさんで面白かったです(^O^)
よくあんなに見つけられたね!凄い!
今後も楽しみにしてるよ~。

投稿: ポコ | 2010年6月24日 (木) 12時48分

>ポコさん

へへへ。全部のっけたいくらいでした。
もしかしたら、ポコんちの近くにも水湧いてたりするかもよ??もし発見したら教えてね。

投稿: nama | 2010年6月25日 (金) 09時37分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/24013/48692180

この記事へのトラックバック一覧です: まつもと城下町湧水群 ①湧水口コレクション:

« 元・交通博物館、その後 | トップページ | まつもと城下町湧水群 ②かえるまつりと市内の水路たち »