まつもと城下町湧水群 ③蛇川を辿る
松本市を流れる川は女鳥羽川をはじめ何本かありますが、蛇川を追ってみたいと思います。けっしてかえるまつりに因んだ?わけではなく、もともと蛇も好きなので”蛇川”という名が気に入ったこと、市内に水源がありそうなことが主な理由です。ちなみに名の由来は、蛇行しているからということです。
蛇川は市内のいくつもの湧水をあつめて流れ始めるようで、わかりやすい1つの水源がわるわけではありません。松本の古地図で見ても、どうやら二箇所、始点があるようなんですが、その2つとも、現在は民家の中にあるみたいです。
1つは、この側溝を遡って行った先で、これ以上は見ることができません。この位置での流れは”チョロチョロ”で、おそらく湧水口1つぶんくらいの水量です。
もう1つも同様に見ることができませんが、このカーブを右折した先の、家の庭から出ているようです。その家=この塀の持ち主です・・・あ~あ、良いなあ、きっとこの家のひとは、「俺んちから蛇川は始まるんだぜ!」って自慢できるんですよねぇ。
地形としては、そんなに高低差はないものの、やはり崖下なのでした。
で、すぐ隣の家にも湧水があって、蛇川の最上流部はあっというまにこれだけの水量になります。わずか二軒ぶんで、これですよ?
ちなみにわたしが立っているのは、地域の体育館の駐車場。背後に剣道の掛け声みたいなものを聞きながら撮っています。清らかな流れで、水草もえらくうつくしい。側溝のうつくしさにだんだんと慣れが生じてきちゃっていますが・・・、ここまでのものは滅多に見られないはず。
その先、また数軒分の湧水があわさります。近所の湧水をかきあつめただけで、こんな規模になるんです。おそるべし蛇川。
流れの規模がどんなに増しても、汚れは全然増しません。わたしの故郷、山形市だって市内の水路を大事にする街ですが、水質ががぜん違うのです。山形の水路は、蔵王の方から流れてきている川の水を引いた用水路ですから、それと、湧水だけで構成される流れとの、違いなのでしょう。
下って行ったら、水門が初登場。
じっと流れを見ます。・・・すると、なんか魚がいました!外濠小路で見たやつと似ている!!
よ~く見たら・・・、ニジマスでした!!!野性的な素早い動きで、かなり観賞し甲斐があります。
市内の川に、ニジマス!!釣ったら食べれるじゃん!おいしそうじゃん!!だけどかわいくって愛おしいし・・・!いろんな気持ちが入り乱れて狂喜乱舞です。
ニジマスを飽きるまでじ~~~っと眺め、ようやっと蛇川を下り始めます。
すると、意外にも暗渠がありました。道をつくって、この先の家々へゆく裏道としているようでした。くねくねしてて、良い小路。
良い小路を、振り返ります。少し疲れたので、喫茶店で一休みしたりします。
喫茶店で飲んだアイスティーが、これまたやたらと美味!よく考えてみたらこれも湧水パワーなのでしょうね、きっと。
その先は開渠になりますが、このように阻まれて川沿いを歩くことは出来ません。
消火用のバケツ・・・リレーできますね、これなら。松本は古くて立派な建築物(お蔵も含め)がたくさん残っていて、地震や火事が無かったのか?と不思議になるほどですが、水路をうまく使って火消しをしていた、とかなのかな・・・そんな妄想もします。
蛇川が、マンションなどの間をカクカク縫って進む区間。塀の上に手を伸ばしてパシャリ。
材木やアジサイの下に暗渠蓋がありますね。
材木系の蓋がつづき、丸太の蓋暗渠ののち、ちょっと顔を出し、そこに湧いている水をまたあつめます。
いやぁ、どこまででも湧水がありますね・・・。そして水路もずぅっとキレイ。これだけキレイだと、ゴミを捨てる罪悪感も一層だろうと思います。それから、街の空気自体がとても清浄な気がして、さんぽ時の気分までも清らかになるのでした。・・・角打でご一緒したおじさまが、「松本は空気も水もキレイだから、良い人間が育つ!」って仰ってたのですが、なんとなく、あるかもなぁ、なんて気持ちになりました。こんな水路に囲まれて、毎朝学校に行く子どもたち・・・さぞや清々しいでしょう。
さてさて、だいぶ川は大きくなってきてます・・・なんとなく、下流部の方が魚がいそう、って思っていましたが、しばらくあのニジマスは現れませんでした。
ところが!ここ、道路端をクネってる所で、餌やりをしているおじさまが居るじゃありませんか!!・・・何かお魚が居るんですか、と聞くと、ここだけでなんとニジマスが7~8匹も居るそうです。誰かが放したらしい、とのことですが・・・、動きは非常に野性的で、ひゅ~っと餌に寄っては飛び跳ねつつ食らいつく。そしてすぐに暗渠部分に隠れてしまうのだそうです。暗渠の意外な活用法ですね。
おじさま曰く、「隣の、榛の木川には、ヤマメが居るらしいよ」とのことでした。やっっっ、ヤマメにニジマス・・・!いますぐ釣って食べちゃいたい・・・!!
ニジマス・ゾーンのすぐ下流です。なまこ壁と蛇川。松本らしい風景です。
そして最後のほうは、このようにゴォォと言いながら、繁華街の下へもぐって行きました。この先の商店街に親水空間があり、そこで使われているのかな、と予想してますが、あとはよくわかりません。線路手前に合流口らしきものも見えましたが、正しくはわかりません。。
以上、辿れるかぎり、蛇川を歩いてみました。いつにもまして、こころがあらわれるさんぽでした。
・・・そろそろ、舞台を東京へと戻したいと思います。
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