保土ヶ谷湧水紀行
保土ヶ谷の友人宅に行きました。
保土ヶ谷の”谷”はかなり気になっていたところでしたが、降り立つのは初めてです。
まず駅に降りてから東口に出ると、すぐに崖地帯があって、いきなりスリバチ感が感じられます。
駅から友人宅までバスに乗りましたら、バス停の名前の”橋”率が高くって、そして横を川が流れていたりして大興奮。
そして、この眺め・・・ああ~~~、良い谷っぷりだぁ!!
遠くに見えますゴツイ鉄塔にかなり萌えてしまいましたが(たぶん軍事萌え)、後から調べたところ、NTTの無線中継所のようでした。
このあたり、メインテキストの地図には載っていないエリアなので、勝手がわかりません。後で気づきましたが、明らかな暗渠を2本も見過ごしてしまいました。
とりあえず適当にぐるぐる歩き回って・・・、まず道路の側溝がなんか面白かったのでパシャリ。
しばらく開渠だったのでしょうか?
うーん、良いかんじ。
さて、さきほどの見事な谷っぷりを作ったのはこの、今井川です。
今井川は帷子川(横浜駅前を流れるやつ)の支流ですが、江戸期に東海道の反対側に付け替えられるという大改修を施された川のようです。
保土ヶ谷駅前では都市河川の趣になっている今井川ですが、上流部になると、ほら、このとおり・・・まるで山に流れる渓流のよう。
小さな橋があったので、わたります。
桜がまだ残っていて、すばらしい眺めです。
人もぜんぜんいなくって、この眺めを独り占めできるって、なんだかすごい。
今井川に注いでいる細流を発見。
写真、右側の溝からはちょろちょろと。左側の護岸からは、じわりじわりと浸み出すように。
溝を少し遡ってみました。奥にはけっこうな崖があり、水の湧き出るさまが見られるかもしれないと思ったからです。
けもの道のようなところを歩き、崖の上から溝の始点を覗きます。うーん、残念、始点はこの、板のようなものがかぶさっているところで、よく見えませんでした。
つぎはいったん駅まで戻り、駅付近を探索します。
保土ヶ谷には有名な湧水点がいくつもあるようで、そのうちのひとつ、円福寺を探します。
円福寺のある山のわき道、ほんとになんでもない道沿いから、このように勢いよく水が浸み出していました。
もうちょっと山を登ると、また・・・
べつに雨が降ったわけではないのに、あちこちから水が浸み出しています。豪勢です!
円福寺の駐車場。ちなみに保土ヶ谷駅が見えるくらいの駅前です。
駐車場の壁=崖の斜面なんですが、もうダバダバです。晴れた日の昼下がりなのに・・・!なんなんだ保土ヶ谷。なんて豊かな山なんだ~!
舞い散る桜が貼りついて、うつくしいことになっていました。
湧水と桜・・・(うっとり)
いちいち感動してしまいます。
円福寺の境内に立ち寄らせてもらいました。
さきほどまでのダバダバを有する山ですから、境内も結構凄いです。崖から滴り落ちる水をあつめ、このように樋で本堂の下をくぐし、池に注ぎ入れています。
それから、本堂の裏の崖からは、樋に入りきらないほど色々なところから水が浸み出ていて、
上の写真のあたりから出てきた水は、べつな溝を通って、排水されていくようでした。
けっこう勢いがありました。このように、この日は桜をともなって。きれい・・・。
次の目的地に行くのに、いったん駅前を通りすぎます。保土ヶ谷駅、西口と東口、両方見てみましたが、わたしは断然東口の雰囲気が好き。
このようにふるいアーケードが、何十年もここに居る感じで並んでいます。
こんな階段も。
急傾斜の側溝が気になります。
ここは福聚寺で、けっこう急な階段の上にあります。ここも湧水をあつめて溜めています。
手前はお墓にかける用、奥は金魚用みたいです。
しかし、なみなみですねえ。
・・・・・ふ、風呂?っていうくらい。。
福聚寺のある坂をもう少し登ると、井戸がありました。
政子の井戸と言って、北条政子が化粧に使っていたからだそうですが、もう周辺の水の湧きっぷりに感動がだいぶ持ってかれてしまっていて、井戸を見ただけでは興奮しなくなっていますw<自分
井戸のある、いわな坂を下っていくと、暗渠らしい道がありました。
井戸のあたりに昔は清水が流れていたというので、もしかしたらその流れがここを通って、今井川に注いでいたのかもしれません。
さて、いったん坂を下りきって、東海道沿いを歩きます。
すると、道端からジャージャーと水が流れる音がします。もう保土ヶ谷で流水、というのに慣れが生じてしまっていますが、このかわいらしい、紅白のコンクリ蓋を見たら辿りたくなってしまいました。
民家の脇をすり抜け、流水音のするコンクリ蓋の上を遡って行くと・・・
このとおり。
開渠に清水がさらさらと!!
もう追えませんでしたが、この奥にはやはり崖地帯があるので、その何処かからダクダクと水が浸み出しているのでしょう。
さてそろそろ、今井川を下って、駅に向かいます。
今井川沿い、帷子川へはまだ距離がある位置に、なぜか”帷子町”という町があって、これがけっこう気になるのですが、もともとの帷子町は帷子川沿いにあったのだそうです。そこの住人が移転してきて現・帷子町となり、旧・帷子町は異なる名になっているという・・・ややこしいですねぇ。
現・帷子町の今井川沿いにある第二常磐湯。なぜか”常温湯”と読んでしまい、「常温湯、ってやだなあw」とか思っていましたがそうではないようで。
銭湯からのふるい排水口がありはしないかと護岸をじろじろ眺めましたが、ありませんでした。
ほかにも保土ヶ谷には面白そうなポイントがあり、この湧水っぷりを見ると無目的の散策でもかなり楽しめそうな気がしましたが、とりあえず時間の都合で今回は終了です。
最後は、駅前にある今井川暗渠さんを、はいチーズ。短いけれど、出口の明かりが見える、からっとした良い暗渠でした。
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コメント
いやぁ〜保土ヶ谷、凄いですね。湧水地帯。4枚目の川底も、
横浜駅からすぐなのにこんなになってるとは・・・
これは行ってみたいです。
投稿: HONDA@tokyoriver | 2010年4月13日 (火) 23時49分
>HONDAさん
凄いですよね~!
4枚目のところは、保土ヶ谷駅から歩くには少し遠い位置かもしれませんが(”元町橋”の少し上です)、でも一見の価値ありだと思います。
それと湧水地帯はいずれも保土ヶ谷駅から楽に歩ける距離です。ふつうの道路端、地元の皆さんがふつ~~に歩いている所からつぎつぎと浸み出す水、、、なんちゅう贅沢!!という感じです。ぜひ行ってみてください。
投稿: nama | 2010年4月14日 (水) 09時33分
ゴブサタ!!昨日,同じ家にいってきますたYO!!
車で一国をガンガン走って目的地一直線だったが
主からYouのことを聴きました.暗渠でブログを
書いている…と.
若干の趣味などの知識を使って尋ねあたりました.
地下水脈って竜脈のような,東洋的な氣とかとも
つながる魅力なのかしらねぇ…個人的には特段の
興味はないけど,魅力を感じる人がいるというのは
何か分かる気が致します.
また我が家にもお越しくださいませ.
多摩川沿線だし,水路はありますよ.
投稿: MM | 2010年5月 3日 (月) 23時15分
>MMさん
ぶはっ!!!かなりビックリしたw!
探し当ててくれて、そしてコメントどうもありがとうw
>地下水脈って竜脈のような,東洋的な氣とかとも
つながる魅力
とは、ずいぶんカッコイイとこにつなげたね~!そんなロマンもあるかもしれないし、でも私は数十年前に掘られては蓋をされたような用水路の残骸も好きだし、魅力の源はまだ模索中なのであります。
で。この前キミんち行った帰りに、バス停までの抜け道通ったでしょう。実はあの道、かなり萌え度の高い蓋暗渠だったんだよね・・・。もうお別れまであと1分、みたいなときに長々と暗渠自己開示始めるのもな、と思って言わなかったのだけれど、あのときわたしはかなり興奮しておりました!ww
あそこらへん、多摩川のほかにも色々ありそうだった。また遊びに行かせておくれ~w
投稿: nama | 2010年5月 4日 (火) 09時15分