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暗渠のための開渠さんぽ

わたしの頭はある程度柔軟であるかのように感じる時もありますが、しかしどうも、カタイところがあります。

ある目的(後日記載予定)のため、珍しく善福寺川のほとりを歩いていました。

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とくに都内においては、(湧水以外は)開渠を見に行くことは少ないのです。今回も、別の目的が主でした。しかし川自体も好きなので、たのしく歩きます。カモがまるくなって休憩している、開渠ならではの景色。

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初めて歩くみちなので、アンテナもピコピコ張ってます。なにか、ないかな~。

おー!さっそく、コンクリ蓋暗渠!!

嗚呼~、立派な感じです。善福寺川の支流かぁ。もし時間があれば、どこまでも追って行ったでしょうが、この日は時間が限られていたので、最小限の動きにしておきます・・・

この蓋暗渠、帰り道には反対岸から眺めてみたのです。すると、

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こんな感じ。

おおお~!!し、四角い・・・!

四角いうえ、結構蓋からダイレクトなんですね。いや、でもそれが当り前か、蓋を被せたわけだから・・・。これはむしろ、コンクリ蓋暗渠のありようとしては、イメージと最も近いかたちなのかもしれません。

もう少し歩くと、またコンクリ蓋がありました。

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つぎは、これ。

むひょー!

苔ぼうぼう・・・!

写真で見ると、苔の生えた土のように見えるかもしれませんが、これも下はコンクリ蓋のようです。嗚呼、これも立派・・・!

しかしさきほどのコンクリ蓋とこの荒れようとの違いは、年季でしょうか、水流の多寡でしょうか、それとも、水流との距離でしょうか・・・?

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そこで、帰り道にまた、反対側から激写してみました。

なんと・・・!

むしろこっちがヒューム管・・・!?

とても意外な結果でした。ただ、こちらのほうが、地面との距離がやや近いようには見えます。それと、ヒューム管の周りをぐるりと四方に工事跡のようなものが見えるので、もしかすると、匂いや湿気の苦情が出たために、1つめのような単なる蓋かけから、ヒューム管に付け替えたのかもしれません。

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上記2つは、さきに暗渠の存在を確認してから穴を見たものでした。

しかし、暗渠の匂いがあまりしない道の先にも、穴はあるときがあって・・・すべての穴が川や用水路跡ではないかもしれないのだけれど、この流れの上には車止めも存在していて、ちょっと怪しいかな、というものの写真。

これはまた、ずいぶん下側にありますね。

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もうひとつ。

これも、その上の道が”微妙”でした。

これは真ん中くらいにありますね。そしてやっぱり四角く工事跡がある(くらべて1つ前のものは工事跡が四角くはないですね)ので、むかしはヒューム管ではなかったのか、あるいは、新しくつけられた排水口なのか・・・

・・・などと、その穴の位置、形、上部分の状況などから、いろんなことを推測してたのしむことができました。

これまで、暗渠を辿り、”河口の穴”はいくつか見てきました。それらの形状が、さまざまに異なることも、記憶にはありました。しかし、こうやってまとめて見比べることの、この面白さ!
それから、なにより、このような開渠歩きによって、新たな支流暗渠を”河口から”見つけることが可能なわけですね。これは非常に当り前のことなのでしょうけど、私には思いつくことができませんでした・・・今まで、地形や古地図等の、情報から入るばかりでした。ここらへんが、冒頭で述べた、”わたしの頭のカタさ”です。
ともかく、今回見つけた暗渠はぜひ追いたいですし、杉並区内の善福寺川・神田川を手始めに、このやり方での暗渠さんぽも、ぜひやろう、と心に決めました!

・・・暗渠のための、開渠さんぽ。それは、対岸の”穴”だけを見つめながら歩く、ある種不健康な、さんぽです。

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コメント

うーん、そっか!!!先輩方にとっては当たり前なのかも知れませんが、私自身にはすごく斬新なアプローチでした!私も頭がカタかったですw ありがとうございます。
排水口の形状の比較もとても面白いですねー。

投稿: lotus62 | 2010年1月27日 (水) 10時44分

ですよね!!私たちのような初心者(失礼;)が、”川筋と河口の往復”だけで暮らしていると、きっと気づきにくいことなのかも、と自分を慰めているところなんですよ。

善福寺川のほとりでは、この気づきのために相当に興奮しておりましたww

投稿: nama | 2010年1月27日 (水) 11時16分

この記事を見て思い出したことがあります。
「みどりの善福寺川を愛でる会」という環境保護のボランティア団体があって、年1回(だと思いますが)和田堀公園内で展示を行っています。
その時に展示の説明をしている方と話をしたのですが、「善福寺川には60余りの排水口があって、汚水を垂れ流しており(たぶん大雨の時)、それが川の環境を破壊している」というお話をされていました。
私達?にとっては、穴は萌え~的な存在ですが、環境保護の立場からは目の敵なんでしょうね。

投稿: リバーサイド | 2010年1月27日 (水) 20時06分

そうだったんですか・・、あの排水口を、嫌な気持ちで眺めてる方もいらっしゃるってことですね。想像力が足りてませんでした・・・なるほど。
それにしても、あれらの排水口から川に入り込むとしたら主に雨水なのかと思っていたのですが、(清流復活事業に逆行するような)汚水なんてことがありうるのですね・・・。

投稿: nama | 2010年1月28日 (木) 13時45分

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