昭和記念公園内を歩く
ふたたび、立川周辺です。と、いっても、このときは、たんにコスモスを鑑賞し、公園で昼ビールでも飲んで癒されよう、という目的で昭和記念公園に行きました。
そう、「今日は暗渠抜きよ」みたいなかんじで・・・。
ちなみに昭和記念公園っていうと地下シェルター説が気になりますが・・・そして中央線のここらへん、軍事萌えが活性化するエリアなんですが・・・
ふつうに公園日和を楽しんでいて(ふつうの公園日和の写真は割愛w)、そういえばここって川が流れていたな、と、川のほうへ行ってみることに。
残堀川(狭山池を水源とし、立川にて多摩川と合流する)。開渠が公園をぐるうっと通っています。ま、それはそれで。
で、ふと、川のすぐ脇に側溝が走っていることに気づきました・・・。わああ、こんなのあったんだ・・・!
見下ろすと、わりときれいな水がなみなみと流れています。ちょっと、うれしくなるほどに。
周囲の景色とあわせると、暗渠っぽいふんいきを醸し出しているのに、暗渠ともいいがたい。しかし開渠とも言いがたいぞ。なんと呼んだらいいのかな・・・そうしたら、連れのひとが、「半渠」と表現してくださるではないですか。ナイスネーミング!
ちなみに、横を流るる(はずの)残堀川はこうです。のぞきこんだら、カラッカラでした。
このカラッカラ、と、横の半渠のなみなみ、の対比が興味深すぎます。いったいなぜこんなことが・・・?半渠の水は、いったいどこから、どこへ・・・?
もう気になって仕方が無いので、追いかけてみることにしました(トイレ休憩もはさみつつw)。
途中、こうやってコンクリ蓋の終点があって、でもそれを我慢して遡ると、また出現して・・・の繰り返し。しばし黙々歩きます。
昭和記念公園、何度も来ているのに、こんな側溝知らなかった・・・当然といえば当然かもしれないけど。芝生でねころんだり、花見でどんちゃんやったり、それで帰るだけだと、この端っこをひっそり通っている流れには出会えないわけです。
突如、開渠になります。
サイクリングコースのすぐ脇だからでしょうか、とつぜん綺麗に整備されています。今までの、端っこボウボウ未整備地帯からすると、面食らうほどに。
そして、立て札が出現。
「立川分水は、1737年(元文2年)に玉川上水から水を分けました。水道施設が広まったため生活用水に使われることはなくなりましたが、現在も農業用水として利用されます。汚さないようにしましょう。」
・・・とのこと。これ、立川分水だったのかーーー!!!一気に興奮してきます。(ちなみに別所では柴崎用水路と呼ばれています。)
その先、また暗渠になるので見失います。
が、良い暗渠サインがありました。
足元にあるこの矢印の方向に、立川分水暗渠さんが、いるというわけです。そしてこのようなサインが、つかずはなれず、ずっと続いてくれています。
この矢印の先は、、、
うんうん、あのへんね、ってかんじで。
ふたたび半渠出現。
しかし、公園内をずいぶん歩いてきた気がします。バーベキューのゾーンなども越え、自分の認識上ではかなり端っこに来ている気がします。そして人も全然来ないエリア。いったいこの終点はどんな景色なのだろう・・・。
などと、思いを馳せていると、突如こんな景色が眼前に広がります!
うーわあ、なにこれ!!??
あまりに突然なので、最初は目がぱちくりです。もしかして、もしかすると、これ、調整池・・・???
うーわあ、真ん中に築山まであるー。
しかし凄い色合い!地面は土ではなく、しっかりしたものなんですが、もともとはピンク色ベースみたいです、階段がピンクなのでw。それが現在のどうしようもないサビレ感を出していて、なんとも良いーーー!!ああ語彙が無い~~
残堀川洪水調節池、でした!!!
残堀川に唯一あるもの、のようです。大興奮です!!公園内に、こんなすばらしいものがあったなんて!!!
ひっそりと在るのがまたよいです。
降りてみます。「うわー、すごーい、すごーい!」とだけ連発しながら。
真ん中を、排水路のようなものがクネっています。
善福寺川の調節池である野球場やテニス壁打ち場はとても機能的だし、きれいなものですが、ここはもうまったく普段使いをする気が無いわけですね。なのに築山をあしらって装飾を少しだけしたりしていて、そのアンバランスがちょっと笑えます。
排水路の中にはこうやって管にして橋を渡していたり。
水が通った痕跡、わずかにあります。先日の台風の時は、きっとここも大忙しだったのでしょうね。
流入堰、および”管理橋”。
一番奥が流入堰ですが、そこから入ってきた水が、多かったときに一気に入れないしくみでしょうか。手前にも壁があり、段々になっています。
水が入ってくるところ、恐ろしい気もしますが、ちょっと見てみたい気もします。
管理橋のところに、水深をはかるらしきものがありました。
ピンクが汚れた土色の、全体的にサビサビのこのエリアにおいて、唯一新しくてカラフルなものでした。
流入堰に、のぼります。残堀川を眺めると、やっぱり水は無い。ここに水が入ってくることって、あるのでしょうか・・・。
はああ。大興奮でした。昭和記念公園を川目線でみると、残堀川、残堀川洪水調節池、立川分水(とその開渠・暗渠・半渠w)と楽しめるということになります。
ちなみに半渠を更にずっと遡ると、公園出口まであとは似たような風景でした。とても気になったのが、公園の反対側の敷地に建つ、ふるい3本の煙突。なにかの廃工場かしら、と思いながら、通り過ぎ・・・家に帰ってたまたまワンダージャパンを手に取ったら・・・あれは、キャンプ・フィンカム(極東空軍航空資材廠司令部)の煙突じゃありませんか!!!!!がーん!あのとき既にわかってれば萌え度が違ったのに・・・ていうかなんで知らなかったんだ、自分!!はうあー、写真撮ってなかったよー(号泣)・・・。
っていう、暗渠以外では後悔の念の残る旅でしたが、暗渠的には大満足の旅でした。 こういう、偶然の出会いはとってもすてきです。
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コメント
結婚当初から数年間、西国分寺に住んでいたので、まだ小さかった娘を連れて、昭和記念公園へ何度か行きました。
川や暗渠を巡っていると、何処へいっても水回りに目が行ってしまうのですね。
興奮してビールの酔いが覚めませんでしたか。
投稿: リバーサイド | 2009年11月 9日 (月) 21時16分
昭和記念公園を訪れたたくさんの人のうち、暗渠や半渠wの存在を気にする人ってどのくらいいるのでしょうねww。
それにしてもこの調節池すごい!です。
あの公園の端っこにこんな堂々とした設備があったとは。多目的でないところがまたすごいです。namaさんがこれを見つけたときの衝撃(w?)が伝わってくるようです。
投稿: lotus62 | 2009年11月10日 (火) 08時52分
>リバーサイドさん
おおー、西国分寺でしたか。リバーサイドさんも、杉並以西もけっこう活動している(た)みたいですね。わたしも中野~立川をちょろちょろしたりします。
水関係に本当に目が行くようになりました。この日はもともとビールはセーブ気味(すぐ顔が赤くなるので)だったので、酔っていませんでしたよ~w
>lotus62さん
人とすれ違わなかったので、まず居ないんじゃないでしょうかね、気にする人w そう、調整池、堂々たるものです!!心構えしていないと、かなり動揺(良い意味でw)しますよ!!
投稿: nama | 2009年11月10日 (火) 09時58分
面白いですねー。
昭和記念公園、まだ行ったことないんです。広いんで、自転車持っていくか乗っていくかしたいんで、なかなか機会がありません。
でも今回の記事読んで、別のアプローチもあるなと。
地図で辿ってみると、残堀川と思われる流れが北へ続いていて、西武拝島線武蔵砂川駅の西のほうで玉川上水と、なんとなんと、交差しているじゃありませんか。残堀川をwikiで調べると「玉川上水を乗り越え」なんて書いてあります。立体交差しているようです。ココを見に行って、そのまま下って昭和記念公園へ、なんて面白いんじゃないでしょうか。残堀川に水がないのが残念ですが、立体交差部はほんの僅かですが「玉川上水の暗渠」って見方もできますね。
で、立川分水はどこからどう流れているんでしょうね。やはり残堀川に沿ってでしょうか。
投稿: えいはち | 2009年11月11日 (水) 12時24分
>えいはちさん
面白いですよう。えいはちさんだったら、きっと調節池やキャンプ・フィンカムえんとつの写真もすてきに撮るのでは。
>立体交差
ああー!立体交差は残堀川だったのですか。文献読んだのにすっかり忘れていました。サイフォン方式、ってやつですよね。
(・・・ああ、これも記憶が残っていたら萌え度UPだったのに~。)たしかにそこは一度見に行きたいです。残堀川、これまで見たときはいつも流れてたと思うんで、いつも枯れてるわけじゃないと思いますし。
>立川分水の流れ
残堀川に沿っているのは公園を出るまでで、あとはちょっと離れるみたいですね。それから分水口は、もしかすると以前書いた暗渠部分の近くかもしれません、となるとちょっと興奮してきました、帰宅したら調べますので、少々お待ちを~~。
投稿: nama | 2009年11月11日 (水) 16時28分
あ。過去記事みてたら地図に「松中橋」載ってました。あの橋のところに分水口があるようです。なんと!
これで、西武立川駅前不思議空間→玉川上水軍事暗渠部分→立川分水口→立体交差地点→昭和記念公園、っていう楽しいツアーが組めますよ!!
投稿: nama | 2009年11月11日 (水) 18時26分
松中橋、地図を見たら確かに分水が出てますね。それも2本も!いずれも途中から暗渠になってるようです。昭和記念公園に行くのは東南向きのほうでしょうか。東向きのほうもずーっと辿っていくと途中でまた少し開渠になってるみたいで、興味津々。
これはコース考えるのが難しそうです。やっぱり自転車持参かなあ。
投稿: えいはち | 2009年11月11日 (水) 23時14分
そうそう、そこです!その玉川上水に沿ってるほうは、砂川分水でしたっけ、そっちしか当初は認識してませんでした。
というか、地図で見たらどっちも開渠になってるんですねえ~!現地では開渠を確認できなかったのです(というかきっと見えないとたかをくくっていたというか)。うーん、リベンジしたくなりましたw
詳しい流れについてはまだちゃんとわかっていなくって、うまくお教えできなくってすみません。素敵なツアーになることを祈ってます~!
投稿: nama | 2009年11月13日 (金) 09時50分
昭和記念公園の煙突で検索して
こちらへ来ました。
昨日初めて昭和記念公園に行って玉川上水口から出てきたのですが、
煙突が3本あってとても気になりました。
何かご存知でしょうか?
写真撮ってきました♪
投稿: りん太郎 | 2009年11月21日 (土) 14時54分
りん太郎さん、はじめまして。
あの三本の煙突は、とても気になりますよね。ひとつひとつ、微妙に形が違いますしね。
あれは、記事中にもちらりと書きましたが、アメリカ空軍の立川基地(通称キャンプ・フィンカム)跡にあるものです。私も詳しく知っているわけではないのですが、wikiで見てみると、”なおこの土地には、松任谷由実の「LAUNDRY-GATEの想い出」で歌われた、陸軍航空廠の煙突も戦後の佇まいを残している。”なんて書いてあり、この煙突のことを言っているのかも知れませんね?
現在はけっこう立派な廃墟になっているようで、その写真が、ちょうどこのブログのおすすめ本欄にある「ワンダーJapan(6)」(←”東京”と書いてあるほうです)に載っています。もし興味をもたれたなら、読まれてみるのも一興かと思います。
写真撮られてるんですね、うらやましいです~w
投稿: nama | 2009年11月21日 (土) 22時22分
詳しい情報、ありがとうございます。
あれからいろいろとネットで見ていたら見つけました。
http://home.f01.itscom.net/spiral/tachikawa/tachi1.html
投稿: りん太郎 | 2009年11月23日 (月) 17時39分
りん太郎さん
こちらこそ、ありがとうございます。そのサイトは、存じませんでしたのでさっそく見に行ってきました。それを書かれている方、ワンダーjapan作成に携わっていらっしゃるみたいですねぇ。うーん、すてきな廃墟サイトと、明るい色合いでスイーツと廃墟が同居するおもしろいブログですね~!
ありがとうございました~!
投稿: nama | 2009年11月23日 (月) 18時29分