あめふり開渠さんぽ
実家に居ます。朝からあの場所に行くぞ、って思っていたら、あめふりでした。それになぜか、私のスケジュールが家人によってあらかた決められていました。仕方ないなとスケジュールに従っていたら、あちこちで色んな物を食べる羽目になり常に満腹状態で(しかもアンコものばっか!)、やっと家に戻ってきたところで「も~!こんなにアンコばっかり食べてたら太る!カロリー消費してくる!」と言い捨て、さんぽをしてきました。
以前の側溝の写真、あのときは天気もよくて、水面がキラキラ、キラキラしていたので、ほんとにきれいで、おもわず写真におさめたのでした。だけど今日は天気がわるいし、・・・それに、あの側溝、整備されてたり枯れてたり、しているかもしれない・・・。
だけどやっぱり、まっすぐそこへ行きました。すると、
ああ・・・・すごい!
7年前のまんまだ・・・!
変わった点といえば、左側の家が一軒なくなってしまったこと。家が一軒なくなることで、そこにあった生活感がまるまる失われ、ちょっと寂しい感じになっています。
側溝は、そのまんまです。
(デジカメの電池がちょっと・・・なので、今日は携帯です。天気も悪いし色々とクオリティが低いかもしれません・・・)
これは私の想像以上でした。この数年間、変わってしまった場所は、ほんとうに全然変わってしまったから。だけど私は、山形のある部分は変わって欲しくないなと思っていて、この側溝もそういうものの、ちいさなひとつです。
これが晴れの日だったらもっともっと良いのにな。・・・まずはさきほどの地点から、下ってみようと思います。
今回は、東京在住の方々にはなにも関係ないかもしれない、山形開渠さんぽになりますが、お許しください・・・。
少しだけ下ると、製麺所の敷地です。山形は蕎麦どころなので、ここの製麺所のお蕎麦も、買いに来る人がけっこういるようです。
流れが手前の水車の動力にも使われていて、ここでいきなり水路がちゃっかりお化粧して着飾っちゃった感じ。
うーん、それどうなの、名無しさん。
だけどそのすぐ先では、こんなふうに駐車場に使われるために、ガタガタしだしちゃう。
一瞬の暗渠。
しかも、こんな赤い鉄板暗渠だなんて、初めて見ましたよw
そのさき、あとは長いこと家の間だけを通っていきます。名無しさんは私を、近づかせてくれるときもあれば、近づかせてくれないときもあります。
だけど、常に家一軒分くらいの距離で道路が走っているので、つかずはなれず、歩けます。その距離で歩いていても、つねに水路のせせらぎが聞こえてきて、安心するというか、うれしくなるというか。
私も夢中で追います。
ざ、ざあ、という心地よい水の音。
それから、あちこちの家の庭から香ってくる、金木犀のにおい。
雨で、しっとりとした空気。
静まり返った町並み(田舎だからね~)。
私は、ひとりで歩く。
ここらへんの、お店は減る一方だと思っていたのに、この側溝の脇にぽつねんと、いきなりかわいらしい「焼き菓子」とだけ書かれたお店が出来ていて、これはうれしいお知らせ。
私のアンテナはこれ良さそう、と言っています。
さらに下流、コスモスがたっぷりと植えられていました。
ここではこの名無しさんが、庭の風景の一部になるのですね。なんだかうらやましい。
それと、この側溝は水が澄んでいてきれいなんです。畑も田んぼも無いようなところの、こういうきれいな側溝っていったい何のためにあって何が流れてるのだろう?ずっと昔に行った倉敷ではもっと道端のドブ的な側溝がとてもきれいで、藻があって金魚が泳いでいて、度肝を抜かれました・・・そんなことを思い出しました。
さらに下流。家々にまぎれてちょっと見ない間に、緑がいっぱいだったところからちょっとシッカリして、すこし感じが変わります。
そろそろ、この側溝が大きく変化する場所、が近いのです。
やや大きめの道路を横断する暗渠へと姿を変えてゆく、名無しさん。
家のお勝手口や、車が通るスペースなどを、便宜上って感じでふさいだ、虫食い暗渠。最小限の蓋だけにしているところに、エコを感じるというか、側溝への愛着(というか嫌悪の無さ)を感じるというか。
そしてその先は・・・
嗚呼、なんということ・・・
私が通っていた高校の、グラウンド横を通っているのでした。 ぁぁ、つながってるのか・・・!
なんだろう、このつながりは。これは予想して無かったです。
流路はこの先2本に別れていて、この、家の横を通ってカクカクいくのと、高校脇のと。
紅い鉄板暗渠、また出ましたねw 新しいアイテムだなぁ。駐車場用に使っているのが鉄板蓋、家の入り口などにはコンクリ蓋、を使っているように見えます。
そしてこれがもう1本。
暗渠と開渠が入り乱れ。
さきほど、”私の通っていた高校”という表現をしましたが、厳密に言うならば、私の通っていた高校は、もうひとつの別な高校と敷地が隣り合っていて、だだっぴろいグラウンドをなんとなく分けて使っていました(テニス部はグラウンド関係ないんで知らないけど、たぶんそうです)。なので、この写真はお隣の高校の敷地前なんですけれど、もっと下流に行くとうちの高校の脇も通る、と、言える!
ちなみに更にその下流は、もう追えませんでした。yahooの地図で確認しても、この側溝に関しては載っていませんでした。なので踵を返しましょう。
ああ、つながってるんだ、という感動をしばらく胸に残しつつ、もときた道を戻ってゆき、上流部も見ます。
上流部のほうが、家のすぐ脇ってとこが多かったです。そして、、側溝の上に犬小屋ひとつぶん、くらいの巨大なクモの巣(田舎のクモは、ありえないくらいでかいです!)があったりして、とにかくクモの巣出現率が高くて、かなりひよります。
したがって、写真も撮れなかったり・・・
そうこうしていたら、あっけなく始点にきてしまいました。この家の脇でかくっと曲がり、暗渠になって、そのさきには消防署がありました。
消防署の先には馬見ヶ崎川しかありません。しかし土地の高さからいって、川の水はむりやり汲み上げなければこちらにはきません。そういったポンプ的なものがあるのかどうか。消防署の排水・・・?でも常時こんなにあるのかどうか、わかりません。
ということで、あっけなく幕切れでした。
でも、とってもよいさんぽでした。
変わっていないものに安堵し、自分の中で大きくつながったものがあった、さんぽでした。こんなことを、実家近辺でやろうなんて、以前は思いもしなかった。じんわりと嬉しいです。
明朝、もし晴れていたら、もう少しぴかぴかした写真も撮りに行きたいです。
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コメント
いいですねえ・・・・。
普段都心のソリッドな暗渠を廻っているのと癒され具合がまるで違いますね。
東京でもちょっと前まではこんなふうにきれいな川筋を辿って散歩できたんでしょうね。なんて考えると、(私はあまり暗渠で「ノスタルジー」的なものを感じないのですが)今回ばかりはちょっとほんわかしたような哀しいような気持ちになりました。
投稿: lotus62 | 2009年9月24日 (木) 08時51分
あら、ノスタルジー抜きだったのですか。
そうですねえ、ず~っと昔の東京もこうだった?などと、私も考えながら帰ってまいりました。
続編があるので今から書きたいと思います。
投稿: nama | 2009年9月24日 (木) 19時37分