荻窪から阿佐ヶ谷まで歩く①
桃園川につよく惹かれます。
高円寺のルックとパルの間に、桃園川だった場所があるのですが、そこが私と暗渠の出会いの地です。高円寺好きの私が、もう、何十往復したかわからないあの場所に川があったと分かった瞬間のあの気持ち、筆舌に尽くしがたいものがあります。現在は下水道なわけですが・・・、その下水道につよく惹かれていることになります。
「桃園」の由来は、中野にかつて吉宗が命じて桃の木を植えさせたあたりからきているようですが、中野のそのあたり、江戸期は広大な犬の放し飼い場だったり、鷹狩りの場だったり、ずいぶんとのどかなところだったようです。名前もちょっと素敵な桃園川、現在は全線暗渠化されています。ここからさんぽはスタートです。
暗渠沿いを歩こう、と思ったとき、どうしてもスタートは水源にしたい、そしてきっちり沿って歩きたい、と思ってしまいます。そんな私に対し、桃園川はいきなり問題を突きつけます・・・桃園川の流路は(とくに最初のほう)、一つではないのです・・・。
でもまあ、最もメジャーな(と思しき)水源~流路をまずは辿ります。弁天池~桃園川緑道、のルートです。
荻窪駅から北へ、歩くこと10分ほど。
北口から出たとたん、「鳥もと」というレトロかつオープンエアな焼き鳥屋さんに出くわします。このエリアはとても懐かしい雰囲気で大好きですが、来月にはなくなってしまうそうです・・・ビールと焼き鳥の誘惑に負けないように、そのちょっと先にある美味しい豆乳ドーナツ「いっ久」の誘惑にも負けないように(ま、負けてもいいんですが散歩開始前なので・・・)、青梅街道を渡ってさらに懐かしい商店街を抜け、そのちょっと先に目的地はあります。
水源についてwikiから引っ張ってくると下のようになります。
<桃園川の源は、東京都杉並区天沼3丁目23番地にあった天沼弁天社内の弁天池(弁天沼・天沼・瓢箪池。約300坪)である。弁財天祠が祀ってある池で、「天沼」の地名の由来といわれている。この天沼弁天社は、近くの天沼八幡神社の敷地の一部で、「天沼池畔亭」という料亭があり、1955年頃までは湧水があった。しかし、1975年(昭和50年)に天沼八幡神社が改築される際、弁財天を八幡神社境内に移設した上で、一帯の敷地とともに西武鉄道に売却された。>
この料亭の話(池の水量が豊富でさぞ美しかったろうと思うのです)はとっても魅力的で、なぜ私がその時代にここに住んでいなかったかと悔やむほど。
それから、現在は天沼弁天池公園になっていますが、2007年以前は西武の土地だったようです。公園近辺の立て札にはそんなこと全然書いていませんが。ネット上では堤氏の愛人の家だの書いてありますが、私がこの付近に住んでいたのは丁度その愛人の家として、高い塀に囲まれていた時代です。周辺を通ったことは何度もあるのに、その塀の中に自分が今こんなにハマッているものがあったとは・・・。
さて、この池から歩こうと思います。
現在は湧き水ではないそうですが、池の端には小さな滝がありました。水が好きなせいか、これだけでもワクワクしてしまう私。
ここを堤氏が歩いていたのだろうか・・・と想いを馳せながら、庭園にみたてて公園内を歩きます。というか、邸宅の庭、という風情が今も残っているのです。
それから公園には、杉並区の郷土博物館分館があります。ちんまりとした建物ですが、小さな展示もあり、古地図や河川関係の文献も手に入ります。
買いたいものがあったけれど、今日はこれから歩くので、荷物になるものはがまんがまん・・・。
ヒキで見ると、池はこんな感じです。
建物など新しいところもあるのに、池のあたりは昔からある感じがします。
そして、この池付近からどのように桃園川が始まっているか、、、追いかけてみようとすると、そこで早速路頭に迷うことになります。
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コメント
はじめまして。
Googleアラートに「暗渠」というワードを登録しており、こちらのブログをはじめて拝見させていただきました。当方も最近「暗渠」の持つ魅力に引き寄せられている者です。よろしかったら私のブログページにこちらのブログをトラックバック、もしくはリンク登録などさせていただいてよろしいでしょうか?
今後の記事も楽しみにしております。どうぞよろしくお願いいたします。
投稿: lotus62 | 2009年8月11日 (火) 16時35分
lotus62さま
コメントありがとうございます。まだ書き始めたばかりで、そして暗渠初心者なので拙いものですが、読んでいただきありがとうございます。リンク等も、どうぞご自由にお願いいたします。
そちらのブログもちらと拝見いたしましたが、なんだかとても充実した内容のようで、後でじっくり読ませていただきますね。やはり暗渠好きは地下好きでもあるのでしょうか。
私の場合は食べ歩き好きでもあるので、おやつだのカフェだの酒だのの要素をどうしても入れてしまうと思います。河川系の知識が薄っぺらいですが、気が向かれましたらまたいらしてくださいませ。
投稿: nama | 2009年8月11日 (火) 17時57分
すみません、暗渠のエントリーしか読まなかったものですから、「ピーリング」へ浅い理解をしてしまって、地下などと書いてしまいました。
もっと素敵で面白い概念なんですね。またちかぢか遊びに行きます。
投稿: nama(追記) | 2009年8月13日 (木) 09時28分